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覚え書き・あらゆるものを描けるようになる方法

・1800字弱

・車輪の再発明のようなエッセイかもしれない


・私はキャラクターばかり描いて生きてきたので、キャラクターを描くのは慣れているのだけど、それ以外はからっきしダメだ。

・なので最近は画力を上げるべく、キャラクター以外のものも描く習慣をつけている。植物、机、レンガ、道、森、街、橋、とにかく色々なものを資料を見ながら書いている。有無人自を描いている。

有無人自(ゆうむじんし)とは:
有機物、無機物、人工物、自然物を含むあらゆるものという意味の造語


・最近思ったのが、絵って「なんか見ていて気持ちのいいパターン」を組み合わせて描けば、何を描いてもそれっぽくなるんだなと思った。(あくまで写実絵ではなくデフォルメ絵のテクニックになってしまうけど)



なんか見ていて気持ちのいいパターンとは


・試しに、私の知っている「なんか見ていて気持ちのいいパターン」を思いだせるだけ思い出して絵に起こしてみるね





・特に何のオブジェクトを描いたわけでもない、オートマティズム絵

・「なんか見ていて気持ちのいいパターン」という言葉の意味、伝わってくれているだろうか。なんか「たるんでいてほしい」とか「縁があってほしい」「ちょっとくぼんでいてほしい」みたいなのってあるじゃん。

 いや、「ほしい」というより「嬉しい」まであるな。「そこにシワが寄っていてくれたら嬉しい」

・この感覚が伝わらなかったらブラウザバックしてくれ



・思えばジョジョとかは超能力バトルをしている中で、有機物なのか無機物なのか不明な、現実世界には存在しないよくわからない物質も多々出てくる。スタンドの体とか。スタンドによって変化させられた物質とか。

 荒木先生はそういうのも、さもあるかのように描けるのがすごいね……

・やはり「なんか見ていて気持ちのいいパターン」をたくさん覚えれば、有無人自のあらゆるものが描けるし、実在しない物体も描けるということだよネ


・先ほどの絵を描いてて思ったのが、私の場合「なんか見ていて気持ちのいいパターン」は、「ヘリを増やせられるだけ増やせ」という命令に従って描いていれば作れるような気がしてきた。


・そういうことでしょ



 このように、「なんか見ていて気持ちのいいパターン」さえ身につければ、大体のものはうろ覚えでもある程度それっぽく描けるのだろうと思っている。


・それから、現実の物体をデフォルメ化したときに失われたもの(ヘリ、厚み、シワなど)をそのデフォルメ絵に再度足してやると、「リアリティのある非現実的な絵」が描けるのかもしれない。


実践

 試しに、私の「よく観察したこともないし、描いたこともない物体」を3つほどうろ覚えで描いてみることにする。アイロン、消防車、リュウグウノツカイ。


・アイロン

うろ覚えアイロン
これは実際のアイロン(の一例)



・消防車

うろ覚え消防車
実際の消防車(たくさん種類があるうちの一例)


・リュウグウノツカイ

うろ覚えリュウグウノツカイ

👆実際のリュウグウノツカイ(魚が苦手な人は閲覧注意な画像だけど)



 ここで重要なのは、「うろ覚えでもどれだけ正確に描けたか」ではなくて、「覚えていない部分をどうやって”嘘力”でごまかしたか」である

嘘力(うそぢから)とは:
 うろ覚えで絵を描くとどうしても実際の対象物よりも解像度が低い対象物の絵しか描けない。その解像度を嘘の力で引き上げる能力が嘘力である。もぐぐうままの造語。

 先ほどの3つの絵の中では、消防車が最も噓力を使わされた。脳内に消防車の像が全然浮かんでこない中で「バンパーがゴツくあって欲しいな」「横にホースが巻いてあったら嬉しいな」「はしごが斜めについてるべきだよな」などと理想や希望を押し付けて嘘で絵を描いた。

 でもフィクションの根源ってそういう所にありそうな気がしているんだよな。

 👆のリュウグウノツカイの絵のように、「魚に長いトサカとヒゲがついてたら嬉しい」という感覚は皆様の中にもないだろうか。なぜそんな嬉しさがあるのかはわからないけど、確かに「「「嬉しい」」」のだから、そういった嬉しさのバリエーションをたくさん覚えるほど「嬉しい絵」が描けるようになるのではなかろうか。


※注
あくまで嘘力という概念の説明のためにうろ覚えで絵を描く行為をしたが、うろ覚えで絵を描く行為が画力の向上に繋がるとは一言も言っていない。





・おわり

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