見出し画像

「なぞなぞなぞなぞ」でもくらえ

・3000字強


・自分、「なぞなぞなぞなぞ」出していいすか?

・なぞなぞ専門サイトから引用したなぞなぞ10個を、私がAグループとBグループに分けたので、そのグループ分けの基準が何なのか考えてくれ。一応言っておくけど、字面によるグループ分けではないからね。


・Aグループ

1.ひっくり返ると、軽くなる動物なーんだ?
2.持つだけで手が震えてしまう家具ってなーんだ?
3.冷蔵庫の中に動物がいます。どんな動物?
4.小さな貝でも10匹集まるとみんなが怖いものになります。なーんだ?
5.お父さんがきらいな食べ物なーんだ?


・Bグループ

6.ボールはボールでも、四角いボールってどんなボール?
7.貝は貝でも、お風呂に入ってる貝ってどんなカイ?
8.口から出てくる「くび」って何?
9.ばい菌をやっつける「けん」ってどんな「けん」?
10.焼いても、焼いても、食べられないパンは?



・一応なぞなぞの答え。

1.イルカ
2.テーブル
3.ぞう
4.怪獣
5.パパイヤ
6.段ボール
7.あったかい
8.あくび
9.せっけん
10.フライパン



・じゃあ皆、なぞなぞなぞなぞの答え、わかったかな~?



・私のグループ分け基準は、「答えの導き方が演繹的なのがA、帰納的なのがB」だった。

・↑ 「帰納」「演繹」という言葉を微妙に使い間違えてはいるのだけど、一言で説明するならそうとしか言いようがない。


・AもBも、「冷蔵庫の中の+動物」「口から出てくる+くびの入る単語」のように、「条件文+カテゴリ名」という二つの条件から一つの単語を絞り込ませるようななぞなぞだ。

・Aは「条件文から推測された単語がそのカテゴリに属するか?」という解き方をする。「お父さんがきらい+食べ物」という問題が出たとき、条件文から推測された「パパイヤ」という言葉が「食べ物」に属するかの判定を行うような解き方をする。もし違えばもう一度条件文から単語を推測する作業に戻る。

・Aグループのなぞなぞは読み返して貰えればわかるのだが、条件文だけでほぼ答えが出るのであって、カテゴリ名はその正誤判定をしているに過ぎない。


・Bはその逆で、「カテゴリから推測された単語が条件文に合致しているか?」という解き方をする。「口から出てくる+くびで終わる単語」という問題があるなら、「厄日」「白眉」「乳首」「あくび」のように単語を列挙し、それが「口から出てくる」に合致するかの判定を行うような解き方をする。

・「くびで終わる単語」というのは少数だから試行回数が一桁で済むが、もっと抽象的な「家電」「果物」のようなカテゴリ名を提示された場合、試行回数は増える。


・私が今、大人向けのなぞなぞをパッと思いついたので書いておこう。全てBグループに属するなぞなぞだ。


1.ある家電を売ったら、甘党からクレームが来ました。何を売った?

2.姫が誘拐された!事件の主犯となった虫ってどんな虫?

3.果物たちが会社で働いたら、クビになったのは誰?

4.飼い犬たちが好きな王様って?



・いやー、わかる人はAの解き方でも解けるのかもしれないけど、パッと考えて無理だったらBのやり方で解くしかないじゃんね。

・これらの問題は、時間さえかければ必ず解けるのだ。問題3を解きたければ、果物の名前一覧をググって、一つずつ「こいつはクビになってそうか?」と判定をすればよい。

・しかし、時間をかけて答えを出せた所で、納得よりも疲れの方が残るのだ。なぞなぞって、娯楽であるはずなのに…


・答え


1.ある家電を売ったら、甘党からクレームが来ました。何を売った?
→加湿器なのに菓子がついてなかったからなのさ…

2.姫が誘拐された!事件の主犯となった虫ってどんな虫?
→ショウジョウバエが少女奪えって言ったらしいよ

3.果物たちが会社で働いたら、クビになったのは誰?
→洋ナシなんて用無しだ

4.飼い犬たちが好きな王様って?
→ウォーキングが好きワンねぇ!


・答えを見たらわかると思うけど、問題を解く労力よりも、作る労力の方が軽い。

・これらの問題は難易度を上下させるのが割と簡単だ。カテゴリを広げたり狭めたりすればよい。問題2で言うと、「虫」とある所を「生き物」にしたら難易度は上がり、逆に「ハエ」にしたら難易度は下がるのだ。

・美しくないなぞなぞだと思う。そこにロジックや閃きは求められず、ただただ単語を列挙する能力のある人間だけが答えにたどり着く。


・さきほど「焼いても、焼いても、食べられないパンは?」という問題があったが、よくよく考えたら「プロパン」という答えもある。

・Bグループのなぞなぞの欠点は、問題に複数の回答がないか出題者が確認しなければいけない点なのだ。それを怠ると「プロパンも食べられませんよ問題」が発生する。


・さっきの問題2に関して言うと、私は全ての虫の名前を把握しているわけでは当然ないので、もしかしたら「ヒメトリグモ」みたいな名前の、ピッタリすぎる虫がいるかもしれない。

・私は小学生の頃、なぞなぞの本を読んでたら「すぐ転ぶ虫は?」とあったので「てんとうむしだな」と思いながら答えを見たら「バッタ」と書いてあってブチギレ散らかしたことがある。


・私の出した「飼い犬たちが好きな王様って?」に関しても、たぶんウォーキング以外にもあるでしょ。複数回答。

・「ヘッドバンキング」か?いや微妙だな。「飼い主の対応」?これはこじつけだな…「卵黄」?犬って卵黄すきか…?



・ウワーーーーーーー

・調べたら「マーキング」あったわーー!!


・ダメだこりゃ!


・出題者、敗北!


・ここまで2300字ほど色々書いたが、結論は「食べられないパンってな~んだ」はクソであるという事である(そんなことある?)




・本当は、ここから先の話を本題にしたかったのに、本題の方がおまけみたいになってしまった。


・本題

・さきほどのなぞなぞを鑑みるに、問題というのは時に「答えから問題文を推測」する方が「問題文から答えを推測」するより簡単である。この考えは創作にも使えると思う。


・例。「錠剤のシートの最後の一錠を飲んで、シートを捨てる」という行動をとったとき、「あっこれは微妙に気持ちがいいことだな」と思うことは容易だ。しかし、小説の執筆中に「ここで主人公に微妙に気持ちいいことが起こって欲しい」と思った時に、「そうだ、錠剤のシートが最後の一錠だったというのはどうだろう」と思いつくのは難しい。そこで「主人公はUSBを一発で差せた」なんて手垢のついた描写でもしようものなら、読者はあくびが止まらなくなって餓死するだろう。君のせいだよ。


・例2。小説を書いていて「あるキャラが別のキャラに色々な手料理を食わせる話を書きたいのだけど、どういう動機をつければいいだろう」という自問から「そのキャラは長期の旅行にいく予定があって、冷蔵庫の中の物を全部片づけなければいけないという事に、旅行の2日前になって気づいたが、一人では到底食べきれないので急に色々な手料理を振舞うようになった」というアイデアは簡単には出てこないと思う。しかしその逆は簡単に思いつく。(旅行2日前に冷蔵庫に気づく問題は、実際に私がやっちゃったからメモできるのだ)


・具体化より抽象化の方が簡単だ。

・解像度を落とすのは簡単だが、上げるのは難しい。写真と同じ。

・お話を作るのが趣味の方々(特に小説)は、日常的に考えたことや目にしたものを無差別にメモするといい。そしてそれは誰とも共有しちゃあいけない。君の商売道具だ。


・終

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?