【日記2023/12/24】映画 感想

・2000字強


・remember me

 色々ツッコミ所はあるけど、設定とオチがよかったので、前には進めた。



・三谷幸喜「short cut」

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 2時間のワンカット映画だった。アマプラに来ていたので見るも、20分見た所でDOWN……飛ばしてオチだけ見ました。

 ワンカット映画の良さって、リアリティラインを限界まで高められることができる点にあると思うのだけど、この映画に関しては役者がかなり「演劇部特有のノリの、ステージ上の人の演技」だったので、なんか、せっかくリアリティライン高いワンカットものなのにそれでいいの? とは思った。


 「感情」って面白いから、常にオーバーに感情表現をしていれば必然的に面白い映像作品/音声作品は作れるのだけど、凪の部分が少ないほど、演技としては不自然にはなるよね。私は、キヨのような感情豊かなゲーム実況者とか、The Amazing Digital Circusのような感情豊かなアニメ、岸辺露伴は動かないのような感情豊かな実写作品を見ている時に「感情をアンプにかけていて、演技臭いなぁ」と思って冷めてしまうことがある。友人と雑談しているときもそういうことがある。皆の人気者で話の上手い人は、常に喜怒哀楽のどれかでいつづけることでそれを面白味としている場合があり、「感情アンプだなぁ」と思ってしまうことがある。


 マジで、白石晃士監督の「オカルト」という映画は演技力が高くてオススメです。ジャンルはモキュメンタリー。一般人の日常会話って、役者と違ってセリフ回しと発声が洗練されていないのだけど、その曖昧さというか不明瞭さが忠実に演じられていて、マジのドキュメンタリー番組だと誤解したまま鑑賞することができる。


・三谷幸喜「大空港2013」

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・2周観ちゃった……

・ヴォ~~~カタルシスすご この作者って映画「Grand Hotel」観た?


・なんというか自分は、物語って不可逆な展開によってしか進行しないと思っていて、つまりは、一見どんなに物語が進んでいるように見えても、元に戻せるなら、それは物語が進んでいる感がしないよなと思っている。オチは特に、不可逆が求められると思う。

 あと、「それまで視聴者が覚えておくべきだった情報を全部、忘れてよくする」というのもオチのカタルシスを高める手法なのかもしれない。それまで増やしてきた「覚えておかないといけないこと」を全て解放リリースして、脳のワーキングメモリの空き容量がガッと空く気持ちよさも、オチの気持ちよさだと錯覚できて気持ちが良いのかもしれない。

 オチとは何なのかについてはいつかの日記でも考察したことがある。

・そういう意味で、「大空港2013」はカタルシスがあった。

 この映画は、従業員と客の別れによってオチがつくけど、この映画を駄作にする方法を1つ挙げるなら、「従業員と客が連絡先を交換し、それからも定期的に連絡をとり合って仲良くしましたとさ」というオチにする、という案が挙げられる。可逆はダメッ!

 私はいつかの日記で、こう書いたことがある。

 現代が舞台の場合、別れを情熱的に描くのは難しいと思う。別れても、結局普通の金と行動力さえあればインターネットで再会して飛行機で会いに行くことができる可能性があるから、今生の別れを描くのは難しい。

 現代にどうしても不可逆的な別れを描きたかったら、科学では解明されていない超常的な力を使うしかない(君の名は。とかスパイダーバースの様な)。

 あるいは、ネットや飛行機の使えない、動物同士の別れを描くか。

いつかの日記より

 過去の自分に反論するけど、現代が舞台でも今生の別れを描くことはできる。別れる二者を「店員と客」という関係性にすることで、「印象的なドラマは発生したけど、互いの個人情報は知らないし、利害関係はないし、また会いたいとまでは思わないな」という、絶妙に再会したいと思わない関係性にすることで、カタルシスのある別れを描くことは可能である……


 映画の感想を述べるとき、こういう再現性のある発見の部分だけ感想として書いてしまうけど、フツーの感想も言った方がいいのかな。あのー、演技がよくて、面白かったです。

 観劇が好きな人、他人の人生相談を聞くのが好きな人、他人の人生を安全圏から観察したい人にオススメの映画です……


 小気味の良い演技を見るたびに、「自分が誰かの人生の登場人物であるときに(←つまり、常に)これであれるか」ということを考えてしまう。誰かが衝撃的なことをしたときに、ちゃんと目をかっぴらいて、

 エェ―――――――Σ(゚Д゚)―――――――ッッ!!!

 と全身を使った驚愕ができるかどうか。

 人生を小気味よくするかどうかって、そういう所に懸かってるんじゃないですか?


・おわり

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