【日記2024/1/19】読書感想文

・1900字弱

・漫画を読むことを読書って言うかね?


・銀と金

 なぜか将棋漫画だという思い込みがあって手を出していなかった。日本社会を舞台に、ギリギリ前科がつかない非良心的な行為を繰り返して、リアリティラインの高い騙し合い金取りバトルをしている。

 利害関係に関する小難しい話が多くてあまり楽しめなかったけど、それだけリアリティラインは高いので、ハマる人にはハマると思う。3~6巻の、画商/ポーカー/麻雀あたりの話は小難しい話でなくて特に面白かった。



・天-天和通りの快男児

 フクモティスト(福本伸行信仰者)からオススメされたので読んだのですが、これは何?

 イカサマが多すぎてイライラしてきた……イカサマは現場を押さえないとダメって何? 例えば素人が下手な手つきで1秒くらいかけてバレバレなイカサマを行っても、現場を押さえられなければセーフってこと?

 河をすり替えるイカサマはさすがに手書きでログをとれば防げるでしょう……大事な大事な勝負なのに、それでいいのか? てか、1990年の日本が舞台なら、ビデオカメラもギリあるやん……?

 でも麻雀の技巧描写に関してはさすが福本先生であった。アカギはキャラ萌えのための麻雀だったけど、こっちは麻雀のための麻雀という感じ。でもよほど麻雀に興味がある人以外にとってはおそらく退屈で、「はやくメインストーリーが進んでくれ」と思わされた。実際はメインストーリーの方がおまけなのである。

 通夜編、何? ずっと福本先生のエッセイを直に聞かされたんだけど、創作ってそうでいいの? 物語を通じずに直にエッセイを書いていいの? 近代麻雀の連載作品なのに麻雀してなくていいの? 金返せ!



・浦安鉄筋家族

 すまん、好きな作品については何度でも感想を書かしてくれ。

・ギャグだけど、ボーボボとかじーさんとは違って、「ある程度は物理法則に縛られていよう」というこだわりがある。キャラが季節に合った服を着てたり、部屋の小物に生活感があったり、キャラたちは常に「そのキャラの性格ならそう反応するよな」という解釈一致の行動を取っていたりする。突飛なシチュエーションを作るときも、その突飛なシチュエーションができるまでの過程を丁寧に非言語的に説明する。そこにはペラペラのフィクションじゃなくて、ちゃんと現実がある。その現実的な世界の中だからこそ非現実的な描写が映えるみたいな所ある。

 よく考えたら、ギャグなのにナレーション心の声注釈文漫符もないんだな。私は、漫画って文字でなく絵を見るコンテンツだと思っているので、極力そういうのはない方が良いと思っている。私の好きな漫画、チェンソーマン、ハンターハンター、ゴールデンカムイ、もくもくセリフなし。

リアリティラインを下げる方法一覧
・カットが多い
・独白
・ナレーション
・心の声(モクモクフキダシ)
・時系列の前後

 確かにこういうのを使った方が表現の幅が増えて便利だけど、こういうのの積み重ねが少しずつR P(リアリティポイント)を減らしていくんだよね。だって現実世界で他者の内心が聞こえることもないし、カットが入ることも、映像が一旦過去に戻ることもないからね。R Pが減るたびに、キャラは記号的に消費されるペラペラフィクションのキャラクターになる。

 浦安鉄筋家族は、そういうR Pの積み重ねがあるので、キャラが質量を持って確かにそこにいる。

 あのー、鈴木鈴ちゃんというキャラが、この漫画からしか摂取できない栄養を持っていて、ホンマに良いね。明言されてないけどおそらく「喋るのが好きではない」という発達障害がある。主人公小鉄は底なしのアホで、誰と一緒にいても対しても分け隔てなくふざけ倒すので、小鉄のおふざけに付き合わされて楽しそうな鈴ちゃんを見ていると、心が浄化される。ギャグ漫画だけど、泣く人は泣くんじゃないか……?

 このギャグ漫画の良い所の一つとして、現在も連載中なのに、作中にスマホが全然出てこない所が挙げられる。

 スマホって、漫画や映画のような「画が面白味の媒体」とは相性が悪いと思っている。スマホの中にある情報が意志決定に関わってくる場合、あまり画的に面白くならないので、小説との差別化が難しくなってくる。

 もし浦安鉄筋家族でスマホがテーマの回があるなら、それは「用水路に落としたスマホをめっちゃ無理して取ろうとする」とか「めちゃめちゃ危険な場所を歩いてるのに歩きスマホしてて気づいてない人」とか、スマホの本来の特性でない部分にフォーカスした回になると思うよ。


・創作と相性が悪いと思っている物3選

 スマホ
 警察
 銃


・おわり

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