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SKIMAでコミッションをこなしている人へ送る、自分語り

・3000字弱

・下書きに残っていた記事の供養。

・きっと車輪の再発明のような内容である……きっとネットで同じような発見を文章化している人はいっぱいいるのだろう。という陳腐な発見をいっぱい書いている。



・私はSKIMAというコミッションサービスで、依頼を5件ばかりこなしたことがある。

・5件も依頼が貰えたのは、私の絵が上手いからというより、価格が2千円だったからという側面が大きい。2千円の頃は絶え間なく依頼が来たけど、あまりにもアホくさい価格なので、5件こなしたあたりで価格を6千円程度に変更した所、依頼はピタリと止まった。



他絵師との差別化について

・いま確認した所、イラストを描きますよという商品だけでも54,576件あった(根拠)。これだけの商品があると、絵が多少上手かったとしても、依頼者に検索機能から選ばれるのは至難だ。何かしらの差別化をせねばなるまい。5万件の有象無象の絵師の中から、ユーザに検索機能を使って「私」を探り当てて貰うには、どうしたらいいだろうか?

 一番手っ取り早い差別化は、そもそもSKIMAの検索機能から探り当てて貰うとかでなく、SNS上でフォロワーを数万人獲得して、フォロワからの需要が大きくなると、コンスタントに依頼が来る可能性が高いので、「フォロワーを増やす」というのは最も大きな戦略であった。しかし私はフォロワーを増やす努力をしたい人間ではないので、そのときはその戦略は不採用。

 ではどうしたかというと、うろ覚えだけど、確か「SKIMAの検索で『著作権 譲渡』で安い順で検索したときの上位3ページにギリ載る価格設定にした」という方法で差別化したような気がする。それが功を奏したのか、依頼を立て続けに来た。しかし、1件2千円はキツい。



イラストの妥当な価格

 カラーイラスト1枚2千円が高いか安いかという話をせねばなるまい。

 私は、ゆくゆくはSKIMAで食っていけるなどとは間違っても思っていないが、何かしらの縁ができたりとか、コミッションをこなしていると自分の心がどういう動きをするのかを確認したかったりだとか、その他バタフライエフェクトが起こることを期待して、カラー絵を一枚2千円という破格でコミッションを募集していた。

 しかし私としては、例えば2時間かけて一枚絵を書くなら、コンビニバイトの時給に換算したとしても2千円は欲しい所だ。しかし実際の所、2千円を貰うために2時間どころではない時間をかけている。

 あらゆるプロダクトの相場は、需要と供給の間で決まる。現代は「絵を描いて欲しいよ」という需要に対して、「絵を描いてあげたいよ」という供給が大きすぎるために、相場は、絵だけで食っていくのが難しいほどに割れている。これは声優や芸人もそうで、彼らも需要に対して供給が多すぎるのだ。声優や芸人として食っていけるのは上位の数百人だけで、ほとんどの人間は副業をしながら声優や芸人を続け、ビッグドリームを目指している。儲けるのが目的で人生を設計するなら、エンタメ業はどこもレッドオーシャンであり、あまりオススメできない。

・もしあなたが、「絵は上手くないけど、どんな形であれ、絵で食っていきたい」と思っているなら、ブルーオーシャンを探すと良い。競争相手のいない自分の生存領域を見つけると生存しやすくなるのは、会社経営でも、生物でも同じである。例えばニッチなスケベ絵。スケベ絵は需要があまりにも強い上に、ニッチとなると競争相手も限られてくる。競争相手が限られてくるということは、「さほど絵が上手くない絵師でも、その界隈ではトップクラスに上手い部類だ」という状況になりうる。あなたにオススメする手法としては、いますぐニッチ性癖界隈を調べ、「なんで私より絵が上手くない絵師が、私よりコミッションで大儲けできているんだ?」という絵師を見つけたら、その絵師と同じ性癖の絵を描き始めることだ。なお、失敗したとしても責任はとりません。



SkebとSKIMAの違い

 前述したとおり、あらゆる価格の相場は、需要と供給の間で決まる。ネットで天才的な絵が湯水のように流れて来る令和の時代に「一枚の絵を3千円で、鑑賞用に描いて貰いたい」と思う人間がいるだろうか。

 SKIMAにおけるイラスト商品の分類を見てもわかるが、多くの依頼者は鑑賞目的で絵を頼むというより、その絵を自分の活動に利用するために依頼している。

 数千円、数万円を払ってでも絵を描いて欲しい人間の目的といえば、例えば「TRPG等のゲームで使う」「アイコンやヘッダーにする」「youtubeで活動をするので、キャッチーな扉絵が欲しい」「文章作品の表紙や挿絵が要る」「Vとして活動したいので、2Dモデルが要る」などの、道具としての絵を求めている人間が多数である気がしている。

 あくまで感覚値の話でしかないけどね。


 それに対してSkebは、鑑賞目的の絵以外の依頼はしづらい構造になっていると思われる。

 クリエイターにリクエストを送る際は、このような確認事項がある。

 納品期限の指定なし、「納品物がいかなる完成度でも異議を申し立てることができない」等、かなりクリエイター有利なシステムになっているので、その絵師のファンによる愛と信頼があって成り立つビジネスである。

 実際、Skebを巡回してみると、ほとんど全ての依頼が鑑賞目的であるという実感が湧くと思う。

 話が長くなったけど、言いたかったことは、SKIMAが「初対面の知らない絵師に、活動に使う道具としての絵を依頼する」という依頼が発生しやすい設計なのに対し、Skebは「愛する絵師に、鑑賞用としての絵を気軽に依頼する」という依頼が発生しやすい設計である、という認識で大方OKということだ。


依頼をこなす上で気づいたこと

 過去の自分に向けてアドバイスを送ろう。

・いざ依頼が来たら、「よし、客観的に見て上手い絵を描こう」と意気込んでしまい、結果的に無個性なイラストになりがちである。しかし、依頼者はサンプル画像を見て依頼しに来ているので、サンプル画像から大きく逸れた画風にしない方がよい。

・依頼者は、JPGとか画像サイズという概念を理解していない可能性が少なくない。「圧縮形式と画像サイズはどうしますか?」と尋られても困る可能性があるので、「特に希望がなければ2560x1440pxのPNG形式で納品しますが、圧縮形式と画像サイズに希望はありますか?」と尋ねた方がベター。相手の普段の活動を少し見てみて、依頼者が「自分でリサイズしたり調整できそうな人」だったらデカいオリジナルサイズで納品してもOKだけど、自分で調整しなさそうな人に対しては「デカいオリジナルサイズの成果物」と「それをリサイズした小さいサイズの画像」の2つを納品するといい、という説もある。

・絵は、凝ろうと思ったらどこまでも凝れてしまうし、手を抜こうと思ったらどこまででも抜けてしまうので、「こんな手抜きな絵を納品してもいいのだろうか。もっと丁寧に描こうと思えば丁寧に描ける」というプレッシャーに負けると、無限書き込み地獄に陥る。ほどほどに手を抜いて納品しないと、費用対効果が見合わなくなる。依頼価格をコンビニバイト換算して、「5千円貰ってるから、5時間以上かけて描かないようにしよう」とか、自分でやめどきを設ける必要がある。


・おわり


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