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「新しい自分に出会えた気がします。」

普段は法人向けの仕事をしているため滅多にやらないのだけれど、ここ数ヶ月月2くらいで個人向けのスタイリングをしていた(軽い気持ちで始めた委託でしたが、求人時の条件とまあまあ違うため辞めさせていただくことに。円満に辞められてよかったです。)。
担当したお客様は皆さんお優しく、仕事自体は楽しくやらせていただいた。ありがたいことでございます。

最近その仕事でスタイリングしたお客様からいただいたお言葉。新しい自分に出会えた気がします。スタイリスト冥利に尽きる。
その言葉を聞いたら、昔のことを思い出したのでした。

販売を始めたての若い頃、初めての顧客様からいただいた言葉がある。服を選んでもらうようになってから、出会える人が変わりました!
私はこの言葉を支えに仕事をやってきたようなところがある。

服を変えると自分の人生も、周りの人からの態度も変わったりする。それだけのパワーが(自分を奮い立たせてくれるパワーが)身なりを整えることにはあったりするのだと思ってる。
服を一緒に選んだり、店舗に来てリフレッシュしてもらうことで、お客様の人生の幸せのほーーーーーーーんの一部になれていることが、私の幸せでもあり、来たよ!と店舗に足を運んでくださるお客様の笑顔が自分の支えでもあった。
必死に誰かの役に立つことで、なんとか自分が立てていた時期だった。

仕事自体も楽しかったし、お客様のことも大好きだった(今でもずっと大好きだし、自分の人生で大事なことをたくさん教えてもらった)。
でも、それだけではなかった。その時の私は、誰かの役に立つことでやっと存在していい自分になれると思い込んでいたのでした。

もっと役に立たないと、いる意味がない。人よりできないのだから、人の何倍も努力しなきゃ…。
販売員をしていた間は本当にお客様に恵まれ、数字で苦しんだことはない。でも、ずっとこれじゃだめだ。もっとやらなきゃ…という気持ちはずっと私の根底にあり。
どんなに認められても、評価をいただいても、いつも全然ダメだと苦しかった。

販売をやめて、法人向けの(大きく括ってファッションに関係している)仕事をし始めてからもずっと、できない…やらなきゃ…というこの気持ちは消えず。
日々の仕事の中でもう何をしているのかよくわからなくなり…。スクール行ったりのんびりしたり、ちょっと違う分野にも手を伸ばしたりしながら今に至ります。

ここ1年くらいで自分の価値観がガラリと変わって、人の役に立たないと自分の存在意義を見出せなかった自分から、人の役に立たなくても存在していて良い自分に変わった。

それはここ2年くらいで全然人の役に立たない時間をたくさん過ごしたからというのもある気がするし、今までの価値観であれは全然有意義でない時間を過ごしたのもあるし、年齢を経ていい意味での諦めというか自分を冷静に見つめようって気持ちが出てきたのもあるかもしれない。

今でもお客様に対しては真摯にいたい、自分のできる限りのことをしたいと思ってはいる。でも、自分の存在意義を他人に預けなくてはいけないくらい、必死だったあの頃の自分はもういない。
自分で立てるというのはなんとも気持ちの良いことです。

お客様からいただいた、新しい自分に出会えた、という言葉。あの頃の自分だったら、本当に痺れるくらい嬉しい言葉だったんだと思う。今の自分だってとっても嬉しいよ!そう言っていただけて、本当にありがたい。でも、その言葉を自分が立つことのモチベーションにしなくても良くなっていることに気がつきました。

そんなわけで、今後自分がどう仕事と向き合っていったらいいのかの過渡期にいる。
お客様に幸せを分けてもらってなんとか立たせてもらう時期は終わった。未熟者であることは変わらないけど、自分ができるなりのことをして頑張ってゆければそれで良い。

お客様からたくさん幸せをいただいたように、私も何か少しでも分けられるような人間になれるだろうか。私はなにができるだろうか。

今後私はどうしていきたいのか、自分がこれが心から好きだと打ち込めるためにはどうしていけばいいのか、どんな形であればそれができるのか。やっと自分の人生が始まった気がしています。

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