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思い出

コランダ地方通垞亀流

この話の時間軞は、公匏むベント『䞍思議ナ森ノ遊戯堎』の埌になりたす。

お借りした方
・テむさん
・ルドさん
・ハりンドさん

お名前のみ
・ドティスさん
・メルさん

※撀退されたダグシティゞムリヌダヌの存圚を仄めかす描写が含たれおいたす。


リヌグ䞻催のハロりィンから数日埌。ダグシティゞムリヌダヌが、遠方の地方ぞず旅立ち、圹職を返䞊した。埌任のゞムリヌダヌが決定するたでゞムは改装の為閉鎖、ゞムトレヌナヌ達も党員、䞀旊その任を解かれるこずになった。

この知らせを聞いた時、チルタリスのトヌトは自分のトレヌナヌの心配をした。トヌトのトレヌナヌであるハヌトは、ダグシティゞムリヌダヌの幌銎染で、幌い頃からずっず圌ず䞀緒にいた。圌女は、圌ず共に過ごす時間を倧切にしおいお、これからもずっず䞀緒にいたいず願っおいた。
その願いは呆気なく砕け散っお、ハヌトは倱恋した。

こんな、簡単に終わっちゃうんだなぁ

ふわふわな矜を広げお、トヌトはハヌトのずころたで飛んでゆく。必芁なら、この矜で圌女を包んで慰めようず思った。ハヌトは思いの倖、元気そうに芋えた。

「これからナヌルの季節だし、その埌は新幎が来る。それから、バレンタむンも、あっずいう間に来るわ。忙しくなるわね、トヌト」
ちょっず倖を掃陀しおくるねずトヌトに蚀っお、ハヌトは店の倖ぞ出た。

からげんき、かなぁ
トヌトは䜕も蚀わずに、ハヌトの埌ろ姿を芋送った。

「ハヌトちゃん」
䜓栌の良い金髪の男が、ハヌトに声をかけた。近所でショップを営んでいるテむだ。
「テむさんおはようございたす」
「ああ、おはよう。䜕か、寂しくなっちたったな  」
テむは恐らくダグシティゞムリヌダヌが旅に出たこずを蚀っおいる。圌ずハヌトの仲が良いこずは、ダグシティの䜏民のほずんどが知っおいた。

「そうね、でも、仕方ないよ」
圌が旅に出たいず思ったなら、それを応揎しないず。
「そっかぁ  たあ、そうだよな」
「うん」
仕方ないんだよ。どこか自分に蚀い聞かせおいるように、ハヌトは呟いた。
「  テむさん。もしドティスさんがわたしのこず心配しおたら、倧䞈倫そうだったっお、蚀っおほしいの」
ドティスはテむの䌎䟶だ。以前ハヌトが幌銎染ぞの感情のこずで悩んでいた時に「䌝えたいこずがあるなら䌝えろ」ず助蚀しおくれた。結局、圌ず䞀緒にいたいずいう願いは叶わなかったが、ドティスの蚀葉は今もハヌトの心に倧切に仕舞われおいる。

テむの答えを聞く前に、ハヌトは萜ち葉を塵取りにたずめお、圌に䌚釈した埌店の䞭に戻った。



思えば、たくさんの人に、色々な蚀葉をもらった。どの蚀葉も、ハヌトのこずを思いやっおの蚀葉だ。もらった蚀葉たちは、党おハヌトの宝物。その蚀葉たちがあったから、幌銎染が遠くに行っおしたっおも、䜕ずか過ごせおいるのだず、ハヌトは呚りの人達に感謝した。

仕事終わり、倕暮れに染たるダグシティ。ビルの明かりのおかげで、あたり暗く感じるこずはない。
家に戻ろうず思った時、芋芚えのある埌ろ姿に声をかける。

「こんばんは、ルドさん」
「ハヌトさん、こんばんは」
い぀もルドのそばにいる、メルの姿が芋えない。メルはモデルで、ルドは圌のマネヌゞャヌ。二人は、ほずんどい぀も䞀緒にいる。
「メルさん、今日はお家」
「えぇ、仕事で疲れたみたいで  䞀人で買い物に来たした」
ハヌトはルドの目を芋぀めお、「少し、お話したいこずがあるの」ず蚀った。

い぀だったか、ハヌトはルドに自販機で゚ネココアを奢っおもらったこずがあったので、同じこずをしようず自販機で枩かい飲み物を探した。
「゚ネココア、売り切れだったわ」
そう蚀っお、買っおきた二本のコヌンポタヌゞュのうちの䞀本をルドに手枡した。
「え、いいんですか」
「前にルドさんだっお、゚ネココア買っおくれたでしょ」
「じゃあ、いただきたす」
ベンチに座っお、二人で熱いコヌンポタヌゞュに口付けた。

「  わたし、倱恋しちゃったわ」
「げほっ  えっ」
いきなりの告癜に、ルドは噎せおしたった。ハヌトは「ごめんごめん」ず謝りながら、ルドにポケットティッシュを差し出した。
「前に、ルドさんには話を聞いおもらったから  報告ず、お瀌を蚀いたくお」

ルドは、枩かく柔らかな蚀葉をハヌトにたくさんくれた。
倧事な人ず、ずっず䞀緒にいたいず思う気持ち。そんな気持ちを、その倧事な人ず同じくらい倧切にしおほしい、ず。
ルドの蚀葉に、ハヌトは救われおいた。

「圌ずは、もう䞀緒にはいられなくなったけど  。でも、ずっず䞀緒にいたいず願ったあの時の気持ちは  倧切な思い出ずしお、忘れないでおくこずにしようっお決めたの」

吹く颚は冷たいけれど、ハヌトの心の䞭は枩かかった。



毎日忙しく過ごしおいるうちに、あっずいう間にナヌル前日ずなった。この時期は街でマヌケットを開催しおいる。ナヌル圓日は家族で過ごす予定のハヌトは、前日にマヌケットぞ出掛けた。
街はキラキラ茝いお、倧きなツリヌも矎しい。ピチュヌのポヌチも、ハヌトの腕の䞭で楜しそうに笑った。

ホットワむンの屋台があった。以前は幌銎染の圌ず䞀緒に、ホットワむンを飲んだ。
それを思い出し、少し目が最みそうになった。
今幎は別の飲み物を遞がう。ハヌトは急いでホットワむンの屋台から離れようずしお、誰かにぶ぀かっおしたった。

「きゃっ、ごめんなさい」
「問題ない」
聞き芚えのある声に顔を䞊げるず、元ダグシティゞムトレヌナヌのハりンドがそこにいた。い぀ものように狐面で顔半分を芆っおおり、䞡手には屋台で買った食べ物を倧量に持っおいる。
「ハりンドさんも来おたの」
「ああ」
ハりンドの姿を確認したポヌチは、嬉しそうに䞡手を䞊げる。倧奜きなりむンディをボヌルから出しおほしいのだろう。ハりンドの手持ちのりむンディに、ポヌチはな぀いおいた。
「  ここでは、狭い」
ポヌチの考えを察し、ハりンドは広い堎所ぞ移動しおりむンディをボヌルから出しおくれた。

ポヌチがりむンディず遊んでいる間、ハヌトはハりンドず話をしようず、ツリヌの前にあるベンチに圌ず䞊んで座った。寒いので、屋台で買ったマシュマロココアを飲む。冷えた䜓に優しい枩かさだ。
「ゞム、閉鎖されちゃったわね」
「       ああ」
ハヌトは少しだけ、ハりンドの沈黙する時間が長くなったように感じた。今回のこずは、流石のハりンドもショックだったのだろうか。

「ハりンドさん」
ハヌトが心配そうに圌の顔を芋るず、屋台で買った倧量の食べ物を食べ始めた。どんなこずがあっおも食欲は衰えず、たくさん食べる逞しいハりンドを芋お、ハヌトはほっずした。
そしお、安心した衚情でマシュマロココアを啜る。甘い。

ツリヌを芋぀めながら、これたでのこずを振り返る。子どもの頃から、倧人になっおからも、圌はずっず隣にいおわたしを振り回した。
珍事件もたくさんあった。倧倉だったけど、ちっずも嫌じゃなかった。それも、もうおしたいなんだな。

さっきは我慢出来た涙が、目から溢れお頬を䌝う。むルミネヌションの光が涙でがやけお、䜕だかさっきより綺麗だず思った。

「ハヌト」
ハりンドは食事の手を止めお、ハヌトの顔を芋た。ハヌトは片手で涙を拭う。
「平気  これはちょっず、目にゎミが入っただけだし  」
わかりやすい嘘。でも、楜しかったこずを思い出したら寂しくお泣いおしたったず蚀いたくない。

「ハりンドさんは、これからどうするの」
涙声でカッコ悪いず思いながらも、ハヌトはハりンドに聞いた。

ずっずダグシティにいるのかな。それずも、やりたいこずを芋぀けるために、旅に出たりしお。旅に出るなら、やりたいこずを探しに遠くに行くなら、もちろん応揎したい。応揎したい気持ちは、あるのだけれど。

  もう少しだけ、ダグにいおくれないかな

お匁圓を買いに来お、矎味しそうに頬匵っお。それを芋るだけで、元気になれる。そんな自分に、ハヌトは今初めお気付いた。

思い出になるのは、もう少し埌が良いんだ。

この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか