追い風に乗って

コランダ地方ハロウィン交流。

お借りした方
・ルイーさん
・シオリちゃん

※お相手様の行動を制限するものではありません。

お借りした流れ



「ルイーと離れるなんて、いや!」
そうは言ってもルイーとシャンはチームが違うのだから、仕方ないのだ。
「拗ねないで、シャン」
「うう~~~~~」
駄々をこねて拗ねる自分は子どもっぽい。そんなことは、シャン本人が一番良くわかっている。

「シャン。君のためにたくさん勝利を取ってくるから、待っていてくれる?」
そう言って、ルイーはシャンの手に口づけた。シャンの顔はオクタンくらい真っ赤になってしまった。
そこまで言われてしまっては、駄々をこね続けることは出来ない。
「わかった……」
シャンは小さく頷いて、遠くなってゆくルイーの背中を見送った。

「待ってるだけでは駄目。ワタシも、出来ることする」
だって、自分の恋人はあんなにもカッコいい。ルイーの隣にふさわしい自分になるため、シャンは試練とバトルでチップを集めることにした。

惑わしの森の試練は、ボグレーが持っているカードに書いてあるものを神木まで持っていくこと。
「同じチームのトレーナー?」
シャンと同じチームということは、ブルーチームのトレーナーのいうこと。しかし、先程からすれ違うのは、別のチームのトレーナーばかり。
「……ブルーチーム、もしかして少ないのか?」
これは、試練達成絶望的。そう思っていた時、ブルーチームのトレーナーが近くにいることを、腕のリングが震えて知らせてくれた。
「ドンリャン!絶対逃がしてはダメ!一緒に探すよ!」
シャンは、ボールからカイリューのドンリャンを出して、彼の背中に飛び乗った。
背中に主人を乗せ、ドンリャンは森の中を低空飛行した。追い風が、ドンリャンの飛行を手助けしてくれる。
羽ばたく度に、地面の木葉が舞い上がった。

「きゃっ」
風に驚いた誰かが、小さく悲鳴を上げた。
「あっ……」
メスのプルリルモチーフだろうか、ピンクのフードを被った女性がシャンの視界に入る。その腕につけられた腕章は、間違いなくブルーだ。
彼女の手持ちであろうリザードは身構え、ププリンとヤバチャは目を丸くしている。が、構っている場合ではない。
何とか彼女を、神木の前に連れて行かなければ。

「……你好」
森の木々が、シャンを応援するように揺れた。

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