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耳鼻科医が自分の扁桃を取ってもらう話①


タイトル通りの内容になります。
扁桃腺をとろうか迷う人がいたらほんの少しでも参考になると嬉しいです。
ここでは、
☆慢性扁桃炎について
☆睡眠時無呼吸症候群について
書いてあります。

▽▽▽

私は初期研修医を終わり耳鼻科に入って二年目の駆け出し耳鼻科医となった今、大きな決断をした。

自分の夏休みを使って扁桃、いわゆる口蓋扁桃をとる、その名も口蓋扁桃摘出術を受けることにした。

理由としては二つある。
一つ目は、幼少期から扁桃が腫れることが多かったが社会人となり、毎月のように腫れて痛い思いをしていたこと。
ただ、父も耳鼻科医であり父による初期治療をしていたためなのか熱が出ることはほとんどなかった。
一般的に、扁桃摘出術の対象となる慢性扁桃炎の定義は、年に4〜5回の発熱を伴う扁桃炎にかかることだ。

幼少期より扁桃摘出術を勧められたが、熱も出ないし、長期休みは旅行に使うものと考えていたし、何より手術が怖いので薬だけで治そうと思っていた。
しかしここ二年は熱は出ないものの毎月扁桃が腫れ、痛み止めを飲みまくるという状態となったため限界を感じていた。

そして二つ目は、周囲からのいびきの指摘、そして日中の眠気で生命危機を感じることがあったことにある。
友人宅や自宅で酒を飲み、そのまま寝るといびきがすごいね、と言われることが増えた。
ショックが大きい。、
自分では気付かないいびき。
それで周りに迷惑をかけていることに対して消え入りたいくらいに恥ずかしくなった。

自分のいびきを聞いてみたくて、いびきラボというアプリで録音してみると、マア、なんとも苦しそうな獣の鳴き声のような音が流れる。
こんな音を自分が出しているなんて知る由もなく今まで過ごしていたのである。衝撃。

睡眠時無呼吸症候群という疾患がある。
睡眠中に呼吸が止まったり、呼吸していても血中の酸素の値が低い状態がある疾患だ。
これにより睡眠効率が格段に悪くなり、日中眠かったり集中力低下がみられる。

この病気のせいで日中の運転で居眠りをして大惨事、なんて例は今まで世界でいくつあったのだろうか。。
自分が生命危機を感じたのは、片道90分かかるバイト先への運転途中だ。ちょうど扁桃が腫れていた頃、運転中にかなりの眠気に襲われて、死を覚悟した。幸いパーキングエリアが近くにあり、休憩を取れたのがよかった。

また、この病気により、酸素が体に効率よく届けられないため、この状態が長く続くことにより全身に影響がでる。例えば心臓への負担や内分泌系への負担があるとされる。
子供だと身体の発育不全や成績が伸び悩んだりする原因の一つにもなる。

原因として、大きく二つに分けられ、一つは脳から呼吸しなさいという指令が上手く出せていないことによる中枢性のものと、もう一つは、呼吸の通り道が狭かったり塞がれることによって酸素が入っていかない閉塞性のものがある。
閉塞性の原因として有名なのは鼻の通りが悪かったり扁桃が大きかったりする物理的なものだ。

私は扁桃がかなり大きい。のどちんこのすぐ外側にまで扁桃が飛び出ている。
扁桃をとればいびきが良くなる人がいるのだ。今まで何人も見てきた。

扁桃が腫れるわいびきはかくわ、
このコロナ禍で旅行にも行けないんだから取ってしまおう!!と意気込んだのでした。

つづく

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