アニメ、色づく世界の明日からを観終えて

娘を出産してから、自分と向き合う時間が減ってしまい、好きなもの、嫌いなもの、物の考え方とか、自分はこういう人間だ、みたいなことをしばらく忘れていました。あぁ私ってこういうのが好きだったんだな、ということを思い出させてくれる作品に出会えたので久しぶりにnoteを書こうと思います。

その日は、特別心が疲れていて、娘にも怒鳴ってしまって、自己嫌悪。とにかく何も考えずに違う世界のことを考えたい。しばらく娘が好きなアンパンマンやジブリ作品以外、自分のタイミングではなく娘に請われるままにしか、アニメを観ることもなかったんですが、なんとなくアニメを観ようと思って作画が好みだなぁとAmazonプライムでパッと目にはいったのが、「色づく世界の明日から」でした。

短いあらすじを読んで、面白い設定だなー。絵柄が好みだなー。綺麗だからみてみようかな、くらいの気持ちでした。事前知識0。評価とかもなにも読まず。

原作無しのオリジナル作品ということもあとから知りました。

序盤で惹かれたのは、映像美と音楽。

また、舞台が私自身が17才の修学旅行でいった長崎だったこともあり、記憶の中の風景を思い出しながら、気がつけば夢中で1話から休憩も挟まずに魅入っていました。

観た人はわかると思うのですが、もうね、すごいのよ。

キャラクターたちの表情のリアルさ。

ちょっとした視線、間、空気感があまりにも素晴らしくて。

声優さんも、ね、、、!!!(言葉にならない)

ハマってたなぁ。

携帯片手に見始め、2話の序盤くらいで「あ。これはとんでもない作品をみつけちゃったな。」と確信。

31歳の、ちょっと育児やらコロナやらいろんなことにちょっと疲れていたわたしの心にスッと、優しい気持ちがじわじわと染み渡っていく心地よさ。なにこれ。心が震える。語彙力を失う。

主人公の瞳美の心が動くようになっていくにつれ、一緒に物語がどんどん鮮やかになっていくそのさまは圧巻でした。

ラストまで一気に見続けて、、、、泣いた。


特に印象深かったのは2話、6話、11話。(最終回は言うまでもなく)

この作品、感情表現が巧みで、だけど直接的な言葉でそれが描かれるのって数えるくらいしかないんです。

だけど、言葉で伝えるよりも、ずっと伝わる。

あ。今視線が。あ、あのときはこれくらいの距離感だったのに自然と今はこの距離にいるなって。対比もたくさんあって。

スポットライトであてられてない面々も、その話その話でメインになるキャラクターを温かく見守る姿が眩しくて素敵でした。特にわたしは千草と胡桃先輩が好きでした。

重たくなりそうなシーンも、あの2人のコミカルさで救われることもしばしば。


最終回、こんなに切なくてしあわせな終わりかたってある、、???????震えました。

想像させる余白を残して視聴者に委ねるのは、賛否両論あるかもしれませんが、私はとてもしっくりきました。

欲を言えば、そのさきをみたい気持ちもありますけどね。

あのあとの60年間。でも描かれてないからこその、なんですよね、、。想像しちゃうよね。

きっと、雨の日は思い出したんだろうな。とか。

あの公園からみたことを、何度も何度も思い出したんだろうな。とか。(号泣)


あのラストのお墓も、、。わたしは、彼なんだろうなと受け取りましたが。個人的に、多くを語らずに、それでもあのお墓参りのシーンをあえて描いたことに、制作の方々のこの作品への揺るぎない愛を感じました。

あぁあーー!!!観終えたあとにこんなに誰かと語りたくなる作品あります????リアタイでニコ生で観たかった。(笑)


脱線しましたが、60年後に戻ってからの世界で、瞳美は琥珀以外のみんなに会いにはいかないんじゃないかな。と個人的には思います。

60年って、長いですよね。途方もなく。

17歳の、あのときのあの時代の彼らはあそこにしかいないんですよね。また会えても、そこまでの60年間はあまりにも長くて。

あぁ~言ってて切ない、、。でも、最終回の瞳美とゆいと先輩のラストの表情には救われた気持ちになりました。

これからも、あの一瞬を大切にしながら生きていったんだろうなって。涙、、。

想像して、しつくして、やっぱりあれ以上の終わりかたはないなってストンと腑に落ちます。



あ。あと好きなシーンで、ゆいとが瞳美に浜辺で絵をみせたところ、絵の中に自分の髪の色や瞳美の瞳がかかれてるの、素敵すぎましたね。尊い。

瞳美にみせたかったんだろうな。色だけじゃなく。


この作品をみおえて、私自身、子育ては時にとても辛いけど、今の娘は今しかあえなくて、当たり前なんだけど今を大事にしたいなって思えました。

私も、遠い昔、終わりが来なければいいのにって切り取って大事にずっと覚えていたいと思ったたくさんの思い出があることも思い出しました。

忘れちゃうんだよね。日々、忙しいと。

でも、何十年後に夫や娘と昔話することを楽しみにしながら今日も頑張るか、、。そんな風に前向きになれた作品でした。Amazonプライム加入されてるかたはぜひ。



都内在住元道民。現在育休中。娘のこと。平日ワンオペ育児をしながら思うこと。