歌詞解説 アンノーンフライト
はじめに
楽曲の世界観は聞いた人達がそれぞれ想像し、考察するのが好ましいと思いますし、
一人一人があらゆる解釈をして、好きなように聞くのが一番良いと思っています。
出来るだけ解釈を広げやすいようにしたまま解説をするつもりですが、
今ある自分の中での楽曲の世界観を崩したくない方は、この記事を読まないことを推奨します。
解説
この楽曲のテーマは「ドラッグによるトリップと恋煩い」です。
楽曲自体の温度感としては明るいように聞こえると思いますが、
ギターのサウンドやサビ前のベースサウンドは、スピーカーを破るような非常に重たく分厚い歪みサウンドになっており、
これは、自暴自棄になり爆発的な感情をぶちまけた明るさであることを意味します。
行き先決まらないライド
→先が見えない恋の行方とドラッグのトリップ
ここまで来たらもう最後
→もう引き返せないところまで来たことがわかる
止まらない 尽きるまで続けるフライト
→燃料が尽きるまで続けた飛行機はどうなるのか想像してください
つま先飛び出したら速攻
→一歩踏み入れた瞬間に始まったことがわかる
地の果て見たら両サイド
→行きつくところまで来たときの自分の羽(浮力となるもの)の状態は…
ちぎれた羽 散らすこの空フライト
→それはちぎれていて、散らしながら飛び続けている
→そのままだと堕ちていくことが容易に想像できます
感じ取ったお互いの鼓動
→鼓動を感じられるほどに高鳴ったこと、近くにいたことがわかります
覚悟あった?この前のこと
→何か取り返しのつかないことをしたのでしょう
今んとこ知るよしないけど時間は限られてるんだよ
→その時の心情や考えを知る術がなく、そして何かに追われている
→それは時間なのか?それとも人なのか?記憶なのか?妄想なのか?
→それら全てなのかもしれませんね
苦しかった今までのほぼすべてが忘れられないけどさ
→忘れられないほどの苦しいことがいくつもあったが
この一瞬が僕を夢見させてくれる
→トリップや恋する相手との一瞬で、逃避することができるのです
安泰今までないない
→安心して落ち着いていられる状態が今までなかった
苦しむ大体もう慣れてんだ
→主人公は慣れてしまうほど長いこと、常にその状態でいたようです
いつまでもLie Lie勤しむ最大
→嘘をつくこと、嘘を見抜くこと、嘘とわかっていながら飲み込むこと
→そういうことばかりをしていた
この広い海に沈んでこう
→深く広い海は恐怖の象徴で、そこに沈んでいくことは闇に飲まれること
→海の闇に沈むと自分の場所や状態は見失うでしょう
→そこに沈んでいこうと自らの意思で進んでいるのはなぜ?
→そして、”沈んでいこう”と誰を誘っているの?自分自身?
常にハイな故の愛か それはちょっとあとでいいでしょ
→ドラッグによるハイ、恋の盲目状態、それ由来の感情なのか
→今それについて追及するのはやめたいのです
また誤魔化したって意味ないよ ああ駄目だね
→自分自身そうやって有耶無耶にするのは良くないことだとわかっている
→わかっているのに、そうしてしまう自分は駄目な奴だと自責する
サビ繰り返し後に2番Aメロが来ます。
歪むベッドで迎えるよ
→安心できるものの象徴であるベッドが歪んでいると感じる
→実際に歪んでいるわけではなく、心の不安定さを表現しています
朝を超えて昼過ぎの午後
→これはそのままの意味でだいぶ遅くまで寝てしまったようですね
一欠片飲み込むだけでも時間が溶け続けるんだよ
→少しの恋する人への思いや、一片の何かで物凄い時間が消費される
→きっと今日昼まで寝てしまったのは
→昨日何かをしたか、何かを飲み込んだのでしょう
楽しかった今までのほぼすべてが痛みになるけどさ
→恋する人との時間、トリップしていた時間が長ければ長いほど
→それを断ち切ったときに痛みとなることが明白だという表現です
あの一瞬が僕を夢見させてくれる
→それでも恋する人との時間やトリップは、自分の救いになるのです
ここからサウンドが変わりはじめてPreChorusが現れます。
ここは、今までの時系列とは違い、この曲のサビに向かう前の
主人公の心情を表しています。
あぁもうやめよ意味ないことばっか
→何があったのかわかりませんが、もう全てをやめたいようです
まっすぐ光る道を進んでいく
→希望を見出したのでしょうか?
救いはここ さよなら退場 気持ちは最高
→”ここ”とはまさに今ここで、
→”さよなら退場”、今までの自分の世界に対する終止符を打つようです
→そんなすべてを投げ出した今の"気持ちは最高"みたいですね
→どうしたらそこまで最高な気分になれるのでしょうか?
今なら何でもできる気がするんだ もう怖いモノもないよ さあ
→無敵になった気でいるようです
→怖いモノすらない状態ですが
→このあと「行き先決まらないライド」が始まります
→この時の主人公は全てが上手く行くような
→希望の道を見出したはずですが、サビではそうは思えませんね
→この時、どうしてこういう状態になれたのか明白ですね
終わりに
この曲の主人公は、とても不安定な状態で長い間いたはずです。
きっと今もそれは変わらないのでしょう、そして、何か腹をくくったのか
この後はもう燃料が尽きるまでフライトを続けるつもりです。
どんなエンディングが待ち受けているのかは想像が容易いと思います。
楽しげな雰囲気を無理やりにでも作らないと、
主人子の言う行き先の決まらないライドは続けられないでしょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
歌詞解説とタイトル付けたわりには、ざっくりとした世界観の説明と
歌詞内での主人公の状態の説明ぐらいで、詳しい内容の説明にはなっていませんが
これは、冒頭で説明した「楽曲の世界観は聞いた人達がそれぞれ想像し、考察するのが好ましい」という信念から来るものです。
なので、この解説を見て更に楽曲の世界観を想像して貰えたら嬉しいと思います。
皆さんがどう感じて、どう思うかを教えてもらえたらとても嬉しいです。
DMでも、リプライでも、コメント欄でも、どこでも好きなところで教えてください。
以上です。ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?