『祈り』は、自分のためのものだった。
義理の父が他界して、明日で1か月が経つ。
1か月の間、私はすぐに小さな仏壇を買い、毎日花を飾り、祈った。
家の中で線香のにおいがするとか好きじゃないはずなのに、毎日線香を焚いた。父が安らかに眠れるよう、毎日祈った。
1週間に1度は花を買い、飾った。花瓶がひとつのセットだったので、もうひとつ買い足した。
子供たちとも一緒に、線香を立て、おりんを鳴らし、手を合わせる。
そうやって毎日祈るうち、私は父に祈っているようで、これは父のために祈っているのではないのではないか、と