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常連さん

約4年半暮らした地域から引っ越すことになった。
今でも散歩をすると新しい発見がある街だけれど、知らないうちにこの街に根を張って、じんわり馴染んでいたようで、いつの間にか馴染みのごはん屋さんもできていた。
今日、そのお店の店主さんと奥さんに引っ越すことを報告しに行ったら、寂しくなるねぇといつもより沢山お話しをして、あぁわたしこのお店の常連さんだったんだ、とひとつ居場所があったことを確認できたような気持ちになった。
他にも本屋さんやお向かいさん、友達ではないけれど、地域の馴染みの人達にさよならのご挨拶をするごとに、この街やそこにある場所が、自分の居場所になっていた事を実感する。
普段は『居場所』なんて言葉であえて認識なんてしないけれど、居心地よく、人とゆるくつながること自体が、自分の居場所づくりになってること、それを失う時に、明確に自覚した。

根を生やすことは自分を支えるものになるけれど、一方で自分を縛るものにもなる。翼を持つことで、自分を解放することができる。
昨日参加した読書会で教えてもらった視点だ。
さよなら、は寂しいけれど、世の中変わらないものなんてないし、いつかはさよならする時が来る。
さよならはいつくるものなのかわからないから、また明日!また来年!なんて気持ちじゃなくて、いつもいつでも、今、現在のこの瞬間の全てを大切に味わいたい。

愛情は確かに持ちながら、強い執着は捨て、軽やかに色んな人達やものと関わり、あったかい風の中で生きていきたい。

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