ChatGPTに情報処理国家試験の問題をやらせてみた
4月16日に応用情報技術者試験を受ける。今回3度めの正直で、今度落ちたら諦めようと思ってる。だが、なかなか勉強ははかどらず、ついついnoteを執筆したり、ChatGPTで遊んでしまう自分がいる。
(追記:令和5年春季試験に合格)
さて、ChatGPTに医師や弁護士の国家試験問題を解かせて合格ラインに届いたという話を聞いて、自分もChatGPTにやらせてみたくなった。
題材は「応用情報技術者 午前試験」の過去問より採取。
問題とその回答のやり取りは以下の通り。ChatGPTの回答は「引用」の中。
結論から言うと、正答率は80%(10問中8問正解)だった。
Googleで調べればわかるような問題は得意のようだ。
以下、見栄えをよくするために多少の編集を加えたが、基本はオリジナルの会話のコピペである。
ChatGPTとのQ&A
>情報処理の問題を解いてもらいます。準備はいい?
はい、準備はできています。どのような問題があるのでしょうか?
>応用情報技術者試験の午前問題から、全部で10問。テクノロジー系、ストラテジー系、マネジメント系から出題します。
分かりました。お答えできる範囲でお手伝いいたしますので、どうぞ問題をお送りください。
>では始めます。
1.経済産業省とIPAが策定した"サイバーセキュリティ経営ガイドライン(Ver2.0)"の説明はどれか。
1)企業がIT活用を推進していく中で,サイバー攻撃から企業を守る観点で経営者が認識すべき3原則と,情報セキュリティ対策を実施する上での責任者となる担当幹部に,経営者が指示すべき重要10項目をまとめたもの
2)経営者が情報セキュリティについて方針を示し,マネジメントシステムの要求事項を満たすルールを定め,組織が保有する情報資産をCIAの観点から維持管理し,継続的に見直すためのプロセス及び管理策を体系的に規定したもの
3)事業体のITに関する経営者の活動を,大きくITガバナンス(統制)とITマネジメント(管理)に分割し,具体的な目標と工程として40のプロセスを定義したもの
4)世界的規模で生じているサイバーセキュリティ上の脅威の深刻化に関して,企業の経営者を支援する施策を総合的かつ効果的に推進するための国の責務を定めたもの
正解! では次の問題。
2.100人の送受信者が共通鍵暗号方式で,それぞれ秘密に通信を行うときに必要な共通鍵の総数は幾つか。
1)200 2)4,950 3)9,900 4)10,000
正解! 次の問題
3.ソフトウェア製品の脆弱性を第三者が発見し,その脆弱性をJPCERTコーディネーションセンターが製品開発者に通知した。その場合における製品開発者の対応のうち,"情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(2019年5月)"に照らして適切なものはどれか。
1)ISMS認証を取得している場合,ISMS認証の停止の手続をJPCERTコーディネーションセンターに依頼する。
2)脆弱性関連の情報を集計し,統計情報としてIPAのWebサイトで公表する。
3)脆弱性情報の公表に関するスケジュールをJPCERTコーディネーションセンターと調整し,決定する。
4)脆弱性の対応状況をJVNに書き込み,公表する。
正解! 次の問題
4.TCP/IPネットワークで,データ転送用と制御用とに異なるウェルノウンポート番号が割り当てられているプロトコルはどれか。
1)FTP 2)POP3 3)SMTP 4)SNMP
不正解です。 正解は1)のFTP。自分でも「FTP (File Transfer Protocol) はデータ転送用のポート番号20番と21番を使用します。」って言ってるじゃん(笑)
では、次の問題
5.IPv4で 192.168.30.32/28 のネットワークに接続可能なホストの最大数はどれか。
1)14 2)16 3)28 4)30
正解! 次の問題
6.JavaScriptの非同期通信機能を使うことによって、画面遷移が起こらない動的なユーザインタフェースを実現する技術はどれか。
1)Ajax 2)JSF 3)RSS 4)SNS
正解! 次の問題
7.開発工数の見積方法の一つである標準タスク法の説明として,適切なものはどれか。
1)WBS(Work Breakdown Structure)に基づいて,成果物単位や処理単位に工数を見積もり,ボトムアップ的に積み上げていく方法である。
2)開発条件が過去に経験したシステムと類似している場合に,過去の実績値を基にして開発工数を見積もる方法である。
3)外部入力,外部出力,内部論理ファイル,外部参照,外部インタフェースの五つの要素から,そのシステムの機能を定量的に算出し,それを基にしてシステムの開発工数を見積もる方法である。
4)プログラムのステップ数を見積もり,それを基にしてシステムの開発工数を見積もる方法である。
正解! 次の問題
8.あるシステムにおけるデータ復旧の要件が次のとおりであるとき,データのバックアップは最長で何時間ごとに取得する必要があるか。
〔データ復旧の要件〕
RTO(目標復旧時間):3時間
RPO(目標復旧時点):12時間前
1)3 2)9 3)12 4)15
不正解です。 正解は3) 障害が発生した場合に3時間以内に少なくとも障害発生12時間前の時点のデータまで復旧するということです。12時間前の状態に戻すには12時間以内に取得したバックアップがあればよいので、データのバックアップ頻度は最長で12時間ごととなります。
では次の問題。
9.業務システムの構築に際し,オープンAPIを活用する構築手法の説明はどれか。
1)構築するシステムの概要や予算をインターネットなどにオープンに告知し,アウトソース先の業者を公募する。
2)構築テーマをインターネットなどでオープンに告知し,不特定多数から資金調達を行い開発費の不足を補う。
3)接続仕様や仕組みが外部企業などに公開されている他社のアプリケーションソフトウェアを呼び出して,適宜利用し,データ連携を行う。
4)標準的な構成のハードウェアに仮想化を適用し,必要とするCPU処理能力,ストレージ容量,ネットワーク機能などをソフトウェアで構成し,運用管理を行う。
正解! 最後の問題です。
10.ITベンダにおけるソリューションビジネスの推進で用いるバランススコアカードの,学習と成長のKPIの目標例はどれか。ここで,ソリューションとは "顧客の経営課題の達成に向けて,情報技術と専門家によるプロフェッショナルサービスを通して支援すること" とする。
1)サービスを提供した顧客に対して満足度調査を行い,満足度を5段階評価で平均3.5以上とする。
2)再利用環境の整備によってソリューション事例の登録などを増やし,顧客提案数を前年度の1.5倍とする。
3)情報戦略のコンサルティングサービスに重点を置くために,社内要員30名をITのプロフェッショナルとして育成する。
4)情報戦略立案やシステム企画立案に対するコンサルティングの受注金額を,全体の15%以上とする。
正解!10問中8問正解でした。 不正解のうち1問は自分でもわかっていたはずだったのに、チョンボでしたね。 合格ラインは6割なので、この調子なら午前問題は合格ですね。
おいおい、今回は私じゃなくて君をテストしたんだよ(笑)。 それにしても8割の正解とは、なかなかやるねぇ。
感想
ある程度予想はしていたが、正答率8割はなかなか大した実力だと思う。質問者の日本語の意味をちゃんと理解し、莫大なデータベースから情報を拾ってきて、それを相手に伝わる言葉で表現するという作業を瞬時にこなしているところに、ちょっとした驚きを感じる。
資格試験のような、正解のある質問に対してはかなり使えるレベルにあると思う。もちろん、100%を期待してはいけないが。
他方、前回の「昆虫食」や「地球温暖化問題」など、賛否両論あるテーマについては、ちょっと権威主義的というか、情報操作っぽい胡散臭さも感じる。要は、AIの言うことを鵜呑みにするのではなく、使えるところはうまく活用していくのがいいのではないかな?
あと、これだけAIが進化してくると、やはり巷で言われているように、ホワイトカラーの仕事がAIに取って代わられる日も近いんじゃないか?と気になった次第。
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