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分娩方法の選択のおはなし

息子の時は自然分娩でしたが、今回は無痛分娩にしようと決めていました。

何故かというと、

①下半身が引きちぎれるのではないかというほど痛かったから。
→分娩所要時間は6時間50分と初産にしては安産な方でしたが、いやいや、めっちゃ痛いやーーーーーん!!!!!!!!
一晩中叫んだわーーーーーーー!!!!!!
何度「いっそのこと(お腹を)切ってくれええぇぇぇぇぇ」と思ったことか。
下半身が分離して飛んでいきそうな痛みでした。

②出来る限り体力を温存しておきたいから。
→体力は温存出来るに越したことはないと心の底から思いました。
特に今回は息子もいるので、娘だけで手一杯になって息子のフォローができなくなるのは避けたい。
そして産後すぐに仕事に復帰することを考えても、やはり身体への負担はなるべく少ない方がいいと判断しました。

③前回はよほどの事情がない限り無痛は使えなかったが、今回は希望すれば無痛分娩にできるとわかったから。
→前回と今回は同じ病院ですが、リニューアルしたこともあり産科がパワーアップ。
5年前は、『持病等の理由で痛みを軽減しなくてはならない方のみご相談ください(要約)』という方針でしたが、今回は『無痛希望の方はどなたでもご相談ください』という方針に。
適用になるかどうかは経過次第ではありますが、希望者は全員検討できるシステムになっていたので、迷わず申し込みました。

・・・という理由があったからです。

そして30週を過ぎた7月頭。
初の無痛分娩外来にいってきました。

担当は穏やかな雰囲気の男性医師でした。

前回のお産のこと、既往歴、現在の体調・経過等を詳しく聞かれ、ひとつひとつ答えていきます。
そして、特に問題はなさそうだと判断され、無痛適用となりました。

ただその日の時点で娘はまだ逆子だったので、帝王切開の手術日も並行して決めていきましょうという流れになりました。
もちろん、手術直前までに逆子がなおれば無痛の処置はできます・・・とのこと。

「どの方法で生まれてきてもらうかは、赤ちゃんに決めてもらいましょう。
 帝王切開も立派なお産ですからね。
 安心してください。」

ゆったり穏やかな口調で、先生はそう仰いました。

印象的だったのは、プリントに書かれていた
「歯の治療や簡単な手術等は当たり前のように麻酔を使うのに、分娩の痛みは自然なものだから耐えるべきというのは、現代社会において電気機器を捨てて生活しろというようなもの」
という言葉です。

処置の仕方やメリット・デメリットに関しても説明をきっちり受けた上で、私は希望していた無痛分娩を選択することにしました。
夫も同意してくれているので、次回の無痛分娩外来で正式に申し込みをする予定です。
(ちなみにこれを書いている時点で逆子はなおっていますが、もしまた逆子になった場合は予定帝王切開になります)


私が今回この記事を書いたのは、『無痛推奨!!!!』と言いたかったからではありません。

まずは、『私は無痛を選択しました』と言いたかったのがひとつ。

そしてもうひとつは。

最近、帝王切開と同様、無痛分娩に関してもあれこれ言われるという話をよく耳にします。
無痛分娩の選択が増えたことで、心無い言葉に傷つく母親たちの記録を目にすることも増えてきたように思います。

でも産むのはいろいろ言うその人たちではなく、お腹の子の母親です。

どれだけ経過が順調であっても、分娩時にトラブルがないとも限りません。
緊急帝王切開になる可能性も大いにあります。
あまり考えたくないことですが、生まれた赤ちゃんの体調が急変したり、母体に何かしらの異常が出ることも考えられます。
そもそも、出産に100%の安心・安全はありません。

赤ちゃんも母親も、命を懸けて臨むのです。
結果的にどの方法になるにしても、まずは産む人に選択の自由があっていいのではないでしょうか。

出産にはもちろん費用がかかります。
そしてそれは産院によって異なります。
出産一時金だけで賄える産院もあれば、それにプラスして支払わなければならない産院もあります。
自然分娩希望にしても無痛希望にしても、母体・赤ちゃんの経過同様、経済面の考慮も避けては通れない道です。

考えなくてはいけないことは山ほどありますが、何が言いたいかといいますと。

どうか、産む人の選択が尊重される世の中でありますように。
1人でも多くの妊婦さんが、心身ともにできるだけ安定した状態で出産に臨めますように・・・ということです。


分娩方法の選択のおはなしでした。

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