熱力学:カルノーサイクル熱効率公式導出&問題例

ある系サイクルを行わせ、熱源からの熱を仕事に帰る装置を熱機関である。また、系に用いられる物質を作業物質という。

代表的な熱機関であるカルノーサイクルは理想気体を作業物質とした熱機関である。
カルノーサイクルの熱効率はec=(Th-Tl)/Thのとなる。
この導出過程を記載した。

また、カルノーサイクルの熱効率を使用する問題例の回答も下記に記載した。

<問題例1>
200℃のボイラーと30℃の凝縮機の間で働く蒸気エンジンの最大効率を求めよ

回答→高温熱源の温度Thは473K(200℃)であり、低温熱源の温度Tlは303K(30℃)であるため、
     この蒸気エンジン機関の理想的な熱効率(最大効率)eは下記の式によって求められる。

     熱効率e = (473K - 303K ) / 474K = 0.359


<問題2>
35℃の外気温の下ではたらいているクーラーで室内の温度を20℃に保っている。室内から2000kcalの熱を引き出すために必要な最小の仕事を求めよ。

回答→まず、高温熱源の温度Thは308K(35℃)であり、低温熱源の温度は293K(30℃)である。
     室内から引き出される熱は低温熱源で出入りする熱q2である。
     求める仕事は高温熱源である外気で出入りする熱q1とq2の差であるため、
     
       求める仕事w = q1 -q2   となる。

     Th、Tl、q1、q2は下記の関係にある。

熱効率e = (Th - Tl ) / Th = (q1 - q2 ) / q1

      この関係式を用いてwを求めると、 
                  (Th - Tl ) / Th = w / (w+q2)
                  (308K - 293K ) / 308K = w / (w+2000kcal)
                    w = 102.3891 kcal = 429 kJ

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