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脳外の外来は、平均年齢が高くて若い子が混ざると心配そうな空気が漂う

2度目の外来。
CTの画像を見ながら、
「どおぉ?調子、頭痛いぃ?」
「大丈夫です。痛いとかないです。」
「そお。だいぶ(血腫が)なくなったね〜、よかったね〜」
と、前回と今回のCTの画像を見せながら、目をキラキラさせて鬼軍曹がのたまった(笑)。なんだよ〜そんな顔もできんじゃん、いつもそうしてよと心の中で思いつつ、
「そ、そうですね。」
「引き続き漢方、飲んでね」
「はい。あの、それなんですけど」
「何?飲んだら気持ち悪くなる?」
「(話は最後まで聞く!💢)じゃなくて、数がですね、かんなり余ってるんです。」
「あぁ、飲みにくいからね〜つい忘れちゃうことってあるよね〜朝昼晩、ちゃんと飲んでる?」
「(だから、違うってば、私のせいにすんじゃねえ💢)朝昼晩、ちゃんと飲んでます。退院する時にたくさん持たされたんです。今朝数えたら、19日分残ってるんで、そこも込みで処方して下さい。」
鬼軍曹じゃなくて、今日はトンチンカンドクターだった(汗)そういえば、入院したときも、左目が開けにくいって言ったら「前からそうなんじゃないの?」って、私のせいにしたよね💢いかんいかん。そういうことではいかんよ、軍曹。
次は2ヶ月後。CTの予約、入ってなかったけど、いいのかな…。いいんだよね。

脳神経外科の外来は、心臓や循環器系の外来と並んでいる。待合にいるのはほぼ高齢者だ。その中で、幼稚園の年長さんくらいの男の子がお母さんと一緒にちょこんと座っていた。この子はどうしたんだろうと思っていたら、私の次に軍曹に呼ばれた。こんな幼いのに脳神経外科に通院するってなんだろう。見た感じ何ともなさそうなのに。お母さん、心配だろうなと思った。

うちの長女は雪国で学生生活を送っている。去年の冬、雪の日の夜に慌ててアパートの階段を駆け降りたら前のめりに転んでしまい、鼻の下をパックリ切ってしまった。目を傷つけたり、歯を折ったりしなかったのは幸いだった。
一緒にいた友だちが調べてくれて、車で行ける距離にある、その日たまたま夜間担当病院だった外科の病院に連れて行ってくれた。3cmくらいの傷だったのだが、細かく縫った方が跡も目立たないからと、8針も縫ってくれた。脳外科担当の副医院長だったという。娘曰く、
「普通5cmくらいの傷で8針。3cmの傷で8針だからね。脳外科は手先器用な人の極み」
おかげ様で今、跡は目立たない。
何日かして、抜糸をしに行った。待合室で待っていると視線を感じたという。周りを見るとお年寄りばかり。その人たちの視線が娘にそそがれていたのだった。
「こんなに若いのに脳外科に来るなんて、気の毒に…」
そんな感じだったという。マスクしてるからその下がどうなっているかなんて、誰もわからないのだ。
「いや、私、抜糸なんですよね、あはは、鼻の下、パックリやっちゃって…」
とは言えなかった(笑)

今日、待合にいた少年は、こんなおっちょこちょいな笑い話にはならないだろうけど、
「ちっちゃい頃、おっきな病院にお世話になったけど、元気になったよね」
って、お母さんと笑顔で話せるようになるといいな。

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