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【ムービーパス編】2018年ニュース総集編

2018年のニュース総集編の中でも、この「ムービーパス編」はオマケのようなものだ...が、決して看過してはならない重要性も潜んでいるので要注意だ。

「ムービーパスとはなにか」について、あるいは「ムービーパス」の2018年上半期までの詳細な動き、そしてそれらのデータから導き出せる回答については、以前掲載したコラムを参照のこと。

ムービーパスはハリウッドを救えるか
(掲載:mofi 第211号 2018/06/25)

あれから半年が過ぎたが、ムービーパスはまだ生き残っている。本業では料金を上げたり、サービス内容を大幅に変更したりと必死に現実と向き合っているようだが、副業ではなにやらブルース・ウィリスと映画を作る契約を締結するなど、怪しい動きも絶えない。従業員による告発まがいの事件も、年が明けてから報じられた。

もはや「虫の息」もいいところだが、大事なのは「定額制映画鑑賞サービス」というシステムが消費者の関心を大いに集めたことだ。ムービーパスでなくとも、「より身近な映画興行」を実現する余地はある。

2018年は、そんな現状を自覚する一年だったと思えばいい。2019年こそ、革新的で持続可能なビジネスモデルが登場する足がかりになるべき年だ。


1月−3月

■ 定額制映画鑑賞サービス「MoviePass」、映画買い付けに参戦

兄弟企業とも言うべきネットフリックスと同じ道筋をたどるようだ。会員数が飛躍的に伸びて勢いづいていることは確か。業界を揺らしてほしいという思いはある。(O)

4月−6月

定額制映画鑑賞サービス「MoviePass」ランドマーク・シアターズと提携
北米でも小劇場系の映画も扱う大手劇場「Landmark Theaters」がMoviePassのネットワークに加わった意義は大きい。西海岸で残るはArclight Cinemasくらいか。(O)

米ランドマーク・シアターズ身売りか 投資家と投資銀行に動き
先日、同劇場チェーンは定額制劇場観賞サービスMoviePassへの参画を発表したばかり。新装開店するロケーションも目立っていたが、実は苦境に立たされていたようだ。(O)

■ MoviePassのビジネスモデルに「重大な疑義」 独立監査役が発表

定額制の映画見放題サービス「ムービーパス」の親会社「Helios & Matheson」が公に公開している会計資料によると、同社は2017年に$150Mにもおよぶ損失額を計上している。これはそのまま同社の買収した際の費用として分類されているが、同社の独立監査企業であるRosenberg Rich Baker Berman & Co.は「ムービーパスは根本的に継続不能のビジネスモデルだ」と警告。これを受けて同社の株は急降下しており、利用者の間では懸念が広がっている。(O)

MoviePassユーザーへのアンケート調査 ユーザーの視聴行動が明らかに
サービス体系をめぐって世間、そして小原を騒がせているMoviePass。(笑) 平日でも、一人でも、映画館に足を運ぶ回数が総じて増えているとのこと。想定以上に、人々は機会があれば映画館には足を運ぶという結果から、劇場映画の文化は衰退しているとは必ずしも言えないのだろう。(M)

MoviePassの競合サービス “Sinemia”、新料金プランを発表
競争原理がはたらくことでよりユーザーにとって魅力的なサービスが実現してほしい。筆者はMoviePassを2013年に利用していたが、月額$30で一日一本映画館で映画を観られる体系がもっともしっくりきた。月に1度でも映画館に足を運ぶ人をMPAA調査では「頻繁に映画館鑑賞を行う人」と定義するが、定額制のサービスとのシナジーは生まれやすいはず。日本でも民間の会社で同様のサービスを行うことは可能なのだろうか。(M)

続くMoviePassの株価急落 一方でライバルは新サービス開始
とことんベンチャー的な経営で業界を迷走させているムービーパス。キャッシュの蓄えが「たったの数億円しかない」と報じられた結果、親会社Helios & Mathesonの株価は$0.54まで急落。一方、ライバル企業のSinemiaは、携帯アプリのみで映画予約ができる「カードレス」サービスを開始。どっちでもいいので、このサービス、しっかり存続してほしい。(O)

全米最大手映画館チェーン、月額$20の定額制サービス開始
MoviePassに対して、最大のライバルであり障壁?でもあった映画館チェーンが自ら定額制に踏み込むことに。競争がユーザーにとってより最適な形に落ち着いてくれることを願う。ついでに、日本にも同様のサービスが届くことを心待ちにしている。(M)

米映画料金、過去最高平均価格更新 第2四半期は$9.38
第1四半期と比較すると、$9.16から22%増。2017年の第2四半期とでは44%増という数字。なお、2018年の全米興行収入総額は9.6%増。観客動員数も2018年前半は5.22%増と調子がいい。「ブラックパンサー」の大ヒットに反して第一四半期が興行で苦戦した一方、第2四半期は「アベンジャーズ」「ジュラシック・ワールド」などの続編ものが大枚を稼いで好調を記録した。(O)

7月−9月

虫の息の「MoviePass」、大手運営のチケット購入サービスが追い打ち
ディズニー、フォックス、ライオンズゲートなどの大手スタジオらが投資している、オンライン映画チケット購入サービス「Atom Ticket」。そんなサービスが、死に馬に鞭打つ行動に出ている。月額会員制映画サービス「ムービーパス」の会員カードをハサミで切り、SNSにアップした方の中から抽選で一名に「映画365日見放題」パスが当たるキャンペーンを開始。

■ 資金ショートしサービス一時停止? MoviePass

■ MoviePassの寿命は、実際あとどれくらいなのか?

■ MoviePassが「本数無制限」を「月3本無料」に規約変更

10月−12月

■ MoviePass、B・ウィリス主演作3本の製作パートナーシップ締結

■ MoviePass従業員が辞職 全社にメール送信し「危険な労働環境」批判


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