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ヲタク落語家による機動戦艦ナデシコTVシリーズの感想2

ヲタク落語家の春風亭吉好でございます。

前回の記事では今年25周年の機動戦艦ナデシコTVシリーズ1クール目の解説、感想を自分なりに書かせていただきました。

前回の記事は↓

引き続き2クール目に関して書かせていただきます。

ちなみにルリルリグッズ。まだまだ沢山あります♪

第14話 『熱血アニメ』でいこう

総集編回。そこはナデシコただの総集編ではなくナデシコ世界がゲキガンガー世界のアニメ作品になっていてという多重構造。
なのでゲキガンガーパートも普段以上に多い箸休めにしても退屈しない回でした。

第15話 遠い星からきた『彼氏』
第16話 『僕達の戦争』が始まる

會川昇先生の脚本。ついに敵対していた木星蜥蜴の正体が判明し物語が大きく動き出す。
無人だと思っていた木星蜥蜴は実は有人。しかも過去に追放された元地球人という事がわかる。
自分の居場所を、大事な人達を守るために戦う理由を決めたアキトはメグミに説得されるもその意識を拗らせていく。
今そこにいる人間は誰も悪くない。それがわかっていてももうそれは「僕たちの戦争」になってしまっていた。
地球と木連、アキトとメグミ、色々な思いのすれ違いがリアル。
メグミと本当の決別。最後にアキトが涙したのは少なからずメグミに抱いていた想いの最後か。

それにしても木連のゲキガンガー信仰はぶっとび過ぎてやられたなぁと思いました。
相手が実は地球人だったというだけならありがちだけどそこにゲキガンガーを絡めてくるとは。


第17話 それは『遅すぎた再会』

川崎ヒロユキ先生の脚本。ムネタケ提督メイン回。
決して褒められた性格ではなく、その顛末も自業自得ではあるのだけれど彼なりに純粋だった頃もあって、、
嫌なやつがいなくなった、わーい!とならず複雑な気持ちになるのが脚本の上手いところ。
自身の弱さに負けてしまったけれども少年時代にアキトやガイに出会っていたらこの人も変わっていたかもしれない。

それと共にウリバタケのせつないロマンスも描かれる。
ヒカルちゃんみたいな女の子いるよねー。
ヲタク趣味と恋愛を完全に分けているところはリアル。
アニメ趣味な彼女がある意味で一番アニメっぽくない女子という事がわかる。
でもヲタク男子は勘違いしてしまうもの。
自分を含め当時見ていたヲタク男子はこのリアルな展開にショックを受けたかもしれない。

それにしてもエクスバリスは勿体無いなー。スパロボでたまに出るけども。
あくまでナデシコが主役なのでエステバリスはガンダムにはならずジム的存在なのかな。

第18話 水の音は『私』の音


首藤剛志先生の脚本。ホシノルリサーガ3部作の最終章。
12話はルリとオモイカネの成長を描き萌え度的にも高かったけども18話はルリの出生の秘密に迫りより胸に刺さる内容。
ルリは試験管ベイビーだったのだけれども実はそのDNAは某国の王族のものでルリが実は姫だったという話。
よくプリンセス生活とそれまでの日常とで揺れるという話はあるがルリは姫である事はあっさり見切りを付ける。
それよりも幼少の僅かな記憶を頼りに育ての親を探すもそれもCGだったという事がわかり絶望する。
ただ常に耳に残っていた水の音が研究所近くの川の鮭の群れが跳ねる事だったという事がわかりルリはナデシコに帰る事を決める、、という話。

考えオチですよね。産みの親の実感もなく、育ての親はいなくDNA操作で生かされた自分には何もないかと思ったがそれでも記憶にあった「水の音」=鮭の躍動=生命の輝きという事に気付き自分の中にも確かに生命がある事がわかり、生命の躍動=ナデシコと思い帰ったんじゃないかなぁと。

お供にアキトを選んでのちょっとしたデートシーンにはほっこりしましたね。
ルリには無条件で優しいアキト。
この時点でルリにとっては一番信頼できるお兄ちゃんでしょうか。

ここまでの話を30分に収める首藤先生の脚本には脱帽です。


第19話 明日の『艦長』は君だ!


荒川稔久先生の脚本、そして桜井弘明先生の演出が冴え渡る。
ナデシコの新艦長を決める為にアイドルコンテストを開催するというナデシコのコメディ部分を代表したような話。
人気エピソード投票をしたら間違いなく上位にくるのではないでしょうか。

なんといっても前回に引き続きルリルリ。
性格的に参加しなそうなアイドルコンテストに飛び入り参加しアイドル的な格好でオリジナルソングを披露。
全キャラ中いちばんの尺の使いようで演出も最高潮に。
この時ルリが歌った「あなたの一番になりたい」に関しては翌日テレビ東京の電話がパンクする程の問い合わせがあったようです。
ルリの心情を歌ったの?と思わせる超名曲。
微妙な拙さがまたいい!

ただこの回の主役はリョーコ。
アイドルコンテストには参加せず自分の一番星を見つけられない彼女がそれを見出すという主軸がある。
アイドルコンテストだけで30分使えそうなのにそれだけで終わらせないのがナデシコ。
何気に対した木連の軍人も憎めない人物でした。

この回が1番見返したかもしれない。

第20話 深く静かに『戦闘』せよ

SF設定の堺三保先生の脚本。アイドルコンテストな前回と打って変わって艦隊戦を描いた話。このバラエティ豊かさがナデシコの魅力。
艦隊戦といっても大火力で「てーっ!」ではなく詰将棋のような読み合いによる頭脳戦。
能天気なようで戦略は天才というユリカの本領発揮。
この話でも一見思い付きで喋ってる様で先の先を読んで読み合いに勝っている。
それも相手が人間だからと信頼した上での読み。
木連の秋山が優秀だからこそ最後の一手で詰み切れた。
どこで詰めるのか視聴者も他のナデシコクルーも読みきれないユリカの思考を引っ張る脚本が見事。

ちなみに今回木連の秋山と高杉は劇場版でも重要人物になるという。この1話で存在感を見せている。
高杉はキャラ変わるけどw


長くなってきたので2クール目の解説は一旦ここまで。
次回の記事では2クール目の後半と劇場版の解説、感想記事を書きたいと思います!

そしてこれからそんな劇場版の上映イベントへ、、!!

春風亭吉好

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