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「すべての人に石が必要」

↑衝撃的な絵本タイトルでした。
ビビっときて、中を開くと、更にビビビっ。
著者バードベイラー、ピーターパーネル、訳北村耕平というアメリカ先住民の文化や精神世界の専門家達によって出版された絵本で、一生の友達となってくれる石を見つける10の方法が書かれている。

実は、私には6歳ごろから大事にしている(正確には、大事にしていなくても失くなっていない)石がある。昔、家族で北海道旅行に行った際に父がたまたた拾って、ロングドライブ中に石に絵を描いたら?とくれた石だ。手のひらサイズで、大きすぎず重すぎず。この石は、旅行のお土産として私の部屋に放置に近い扱いで置かれていた。ただ今思い返せば、この石は私がNZへ1年、米国へ3年間留学した時も、私に着いてきた。中学生の思春期時、石を握りしめて涙を流した事も記憶にある。単純に足ツボを押すのに使っていた事もあった。とにかく、私にとってこの石は、身近な奴だったのでる。

石といえば、2年前の夏、仕事の撮影用に山梨の海辺から石を20個ほど持ち帰ったことがあった。すると、石を見るなり2歳だった娘が「石が怒ってる」と言ってきた。ぎくっとしながらも、ネット検索をすると「そもそも石は持って帰るべからず」の記事が多い事がわかった。一説には、霊が宿ることがあるらしい。普段は、オバケを信用しない私も、この時ばかりは娘の声に耳を片づけ、取り急ぎ塩で丁寧に洗い、御清めをした。その後、娘に「どう、まだ怒ってる?」と聞くと、じっくり石たちを見た後に「もう怒ってない」と言ってくれたので、ひとまず安堵。後に機会をみて、元の場所に返しに行きました。その時に、日本では石を持ち帰ってはいけないんだ!とマインドセットしたこともあり、この絵本は、まさに私の友達の石を、肯定してくれる初めての本だったわけです。

この絵本に出会ってから、久しぶりに石を手に持って話しかけてみた。もちろん、石は石のままでした。でもどこか自分をわかってくれているような、暖かい気持ちになれました。不思議。
そういえば、アナと雪の女王に出てくる陽気な妖精トロールもゴロゴロ岩だったな。

実は、他にもあと2つ、友達と呼べる石があるんです。改めて、石は長い年月をかけてできたものと考えると、私の人生の大先輩でもあります。これからは、もう少し友達を大切にしょうと思います。
そして、きっと石も人間のように、いい奴と悪い奴がいて、いい奴に出会えたら、それは親友になれるんだろうなと思えた一冊になりました。

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