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少しずつ。

娘の部屋を片付けている。うちは狭い。独立した子供の部屋をそのままにしておける余裕はないから、娘が使っていた部屋を今度は私の部屋として使えるようにしなければならない。

毎日、少しずつ、娘の抜け殻を拾い集めては残しておくものと処分するものとに分けて片づけているが、なかなか思うように進まない。人がひとり、20年以上も暮らしていれば物も増える。幼稚園時代のものから大学の学位証にいたるまで、出るわ出るわ。

またそれを、ひとつずつ手に取って感傷に浸るものだからなおのこと進まない。

どうして子供は大きくなるのだろう。どうしていつまでも私のそばにいる小さな子供でいないのだろう。

そんな母親の感傷など知ったこっちゃないと、娘は今日もラインに返事をよこさない。今日は確か、友達が引っ越しの片付けの手伝いに来てくれると言っていたから、ラインに返事をするどころではないのだろうけど。

まあかくいう私も、家を出た時のことを思い出しても、寂しいと思った記憶がない。実家はすでに他人の家であり、自分の住処は自分の部屋だった。そして今に至るのだから。

子供はいつでも、先しか見ていない。

進め進め。時々、思い出してくれたらそれでいい。

娘が行って一週間。私もだんだん娘のいない生活に慣れていくだろう。頑張れ娘、がんばれ私。

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