ロケハンin日暮里

ロケハンで街を歩くのは
なんともワクワクする作業です。

青空に続く階段とか
秘密へと誘ってくれそうな路地
見つけると
フレームを捉える眼がきらりと光ります

この世界を改めて
自分の眼で発見しなおしているような
見ているようで知覚していなかった
ものや、光や、影や、表情を
ひとつずつ集めているような
そんな新鮮な感覚で満たされていく冬の日
日暮里は、谷中銀座を歩きます


急いでいる人が誰もいない街。
2匹のポメラニアンたちが
一丁前に虎柄のお洋服を着ていて(可愛かった)
差し込む光も柔らかくて
時間がゆっくり流れていく感覚
これって正に
大正解の日曜午後じゃないか、と

どこかに置いて来たと思っていた
あのサンデーアフタヌーンは
皆さん、日暮里にありましたよ。

メンチカツ、トルコランプ、小さなお店たち
ソースの匂いに気づいて振り向けば
イカ焼きをベンチでほおばる家族連れ

ノスタルジーの息遣いが
現代まで残る一方で
もう閉まってしまったあのお店には
どんな人がいて、
どんな物語が生まれていたんだろう
そんな想像を膨らませながら
画角を探して、探します

1人でカメラを持って歩いたこと
ほとんどと言っていいほど、ないのです
今のところはね

写ってくれる誰かがいて
その人が存在している街並みや風景があって
私の撮影はやっと成立する
自分1人ではなし得なかったことが
方々の人の力で形になる

夢中で切り取っていくのは
その日、その場所で確かに生きていた
その人の息遣い
瞳の輝き、くるくる変わる表情、一瞬の無限、
そんなものを収められたらと
思いながらシャッターを切ります。いつも。

日暮里、谷中銀座。
きっと「あの日」がここにある。
そんな撮影で訪れたい街。


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