機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)を観て。そしてスピリチュアル その1

 「機動戦士ガンダム」と言えば、ファーストガンダムですね。こう言い切ってしまうほどに、僕は熱心なガンダムファンであり、ほぼど真ん中のファーストガンダム世代です。

 当時、小学校低学年ながら、初期のガンプラに猛烈に熱中しました。街のおもちゃ屋さん(昔はプラモと言えば街のおもちゃ屋さんでした)を何軒もハシゴして、レアなモビルスーツ、或いは新作プラモを、チャリンコを乗り回し、友達と探し回っていたのもいい思い出です。毎日が宝探しの冒険のようでした(因みに一番最初に作ったプラモはグフです)。そして大人になった今でも「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」に熱中したのは言うに及ばず、令和3年6月現在も「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を心待ちにしています。

 そんな僕ですが、恥ずかしいことに「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」は仕事の忙しさにかまけて、劇場に行きそびれてしまっていました。

 ガンダムファンとしてこれはいけないと、少なくとも閃光のハサウェイの前には必ず見ておかないとと、遅ればせながらも「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」視聴しました。

 まず一言「うむ、面白い!」と唸ると同時に、後悔の念に駆られました。「何故これを劇場で観なかったのか?」僕の馬鹿者! というのはさておき、非常に興味深い内容の作品でした。こう言うと語弊があるかもしれませんが、これはもう「ガンダム」というよりも「ニュータイプ」と言うべきか。つまり、ニュータイプというものの概念に迫る、ニュータイプという現象を深く掘り下げ突き詰める、そんな作品、僕にはそう感じました。

 ファーストから40年も経て、未だ全く色褪せないガンダムシリーズ。その魅力といえば、世界観や世代を超えて愛されるキャラクター達、それに男のロマンたるモビルスーツなどSF要素、そして人の革新とされるニュータイプという概念です。これが多くのファンや視聴者はもちろん、クリエイター側にも影響を与え、それに惹きつけられ、故に作品を生み出し続ける。

 僕にとっては、そしておそらく多くのクリエイターにとっても、このニュータイプという概念こそが、最も惹きつけられる要素であり、世代を超えても色褪せない妙なる魅力ではないか、と思います。

 だからこそなのか? 「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」の内容自体、リアルロボットというより、かなりスピリチュアルなものでした。また、量子力学などの最先端科学のイメージもありました。おそらく制作側も、量子もつれなど、現実世界の先端科学でも、従来の物理学では説明不能の現象が観測され、実際に研究されていることを踏まえ、もはやニュータイプという現象が、単なるアニメ世界の架空の設定とは言い切れない現実がある? と捉えているようにも感じました。

 40年前ファーストで描かれたニュータイプは、人の感覚的なもの、第六感(直感的イメージ)と、経験的なイメージ(人知を超えた超自然的体験)等を元に描かれたのかもしれませんが、現代は量子力学の進歩で、それが科学的にも検証されそうな状況にあります。何故なら、例えばSF世界のものとされたテレポーテーション(時間と空間の超越)が、実際にあり得る(観測される)現象として、もはや現実のものとなっているからです。

 これは、現代科学がガンダム世界の概念に追いついた、とも言えるのかもしれませんね。そういう意味でナラティブは、よりニュータイプやサイコフレームの科学的設定に踏み込んだ作品とも見えます。

 そしてもう一面、普段スピリチュアル系の書籍をよく読む僕にとって、ニュータイプ≒スピリチュアル、これらがとても親和性のあるものだと感じています。

 そもそも量子力学というものは、突き詰めればスピリチュアル的思考と紙一重では、と僕は考えています。

 スピリチュアルの分野でベストセラーとなった「引き寄せの法則」や「振り子の法則トランサーフィン」、また著者自身が神と対話したとされる「神との対話」などなど、これらの書籍で描かれる精神イメージは、ニュータイプという概念と、どこかでふわっとリンクする、そして量子力学というフィルターを通した時、さらに明確に重なり見える、そんなものを感じるのです。

 スピ系分野すべてに往々にして共通するイメージは、ます心に強く描くものが現実化するということ。心の奥底から聞こえる魂の声、本当に自分がやりたいこと、自分の魂の指針(大いなる存在からの導き)に素直に従い生きると、自身の本当の人生を切り開き、歩み、幸せになれるという事。そして魂は、元々は全てが一つ。創造主(神的な存在)も宇宙も地球も全ての人々、全ての動植物の魂も元々は一つのもの、という概念があります。

 これらは、ニュータイプの概念と非常に重なりあう。

 ニュータイプ≒スピリチュアルという図式は、スピ系分野の書籍を読んだ事が無い人にも、きっとやんわりと感じられるものだとも思います。

 それに、過去のその他のアニメ作品「伝説巨神イデオン」はおろか、現代でも「Fate/Grand Order」のサーバント、そしてSF映画「インターステラー」などなど、そこで描かれる魂や精神というものが、全てがどこかで通じる、共通する、宇宙の真理に触れるような何か、があるようにも感じます。

 そもそもが、これらのイメージは、根本的に世界の四大宗教にも通じるものでもあるのですが。

 これはあくまで僕の妄想(直感的想像)ですが、

 でも、ひょっとしたら人類は、本当に宇宙の真理に近づいているのでは? だからこのような作品が生まれるのでは? 或いは、意識せずとも、このような作品を生み出している、そうするように(大いなる存在から)導かれているのかもしれない? 宇宙の創造主ともいえる存在に、我々が真理に気が付き、覚醒するために。(本来的に、宗教の存在自体も、そういう意味において同じですが)

 なんてことすらも感じるのです。

 ガンダム世界で人類の革新とされるニュータイプ。これの意味するところ。でも本当に、アニメを超えて僕たちの現実の世界でも、人が、人間の精神や、また世界の真理(宇宙の真理)に近づいているのだとしたら。

 そんな空想を膨らませるほど、僕にとっては、魅力的な作品であったことは事実ですね。

 また、この作品が、まさに今の時代に生まれたことにも、大きな意味があるのでは? そう感じました。

 これはある種、直感的に。

 とにかく興味深い、面白い作品でした。これは一度だけでなく何度も繰り返し観なければ、そう感じさせるものもある、そんな作品でした。


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