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蜜蝋(ミツロウ)について

クラフト工房 "森のこのは" では、特に「天然素材であること」に重点を置いて製作活動をしております(ご興味のある方は、ぜひ以下の記事もご覧いただけると嬉しいです♪)。

そんな訳でこちらの「note」では、素材について自分なりに調べたこともご紹介していきたいと考えております^^

さてさて。
記念すべき第1回は、すでにキャンドル作品をリリースしている「蜜蝋」についてまとめてみたいと思います!!
蜜蝋について詳しく知りたい、と思って図書館の本を探したところ、以下のような素敵な本に出逢いました。

『手作りを楽しむ 蜜ろう入門』(安藤 竜二)

逆に、これ以外で蜜蝋について詳しく書かれた本に未だ出逢えていないので(-_-;)、今回の記事はこちらの本に書かれていることを基に、執筆させていただいていきたいと思います。
※もしおすすめの本をご存じの方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください!


1)そもそも、蜜蝋とは?

初めて蜜蝋という原料を手に取った時、その甘くて優しい香りにとても心が惹かれました。ハチミツに似た香りでもあったので、「ハチミツを精製した時に出る残渣とかなのかな?」などとボンヤリ思ったものです。

そんなところで調べてみると・・・

「蜜蝋の原料=ミツバチの巣」とのこと!

では、そのミツバチの巣はどのようにしてできるのでしょうか?

✔ ミツバチの巣=ミツバチが、食べた蜜を原料にして"ロウ腺(腹部にある)" という場所で蜜蝋を生合成し、関節の隙間から出して作りあげたもの。
✔ その時できる蜜蝋の量は、食べた蜜に対してたったの10分の1程度。

(以上、pp. 8-9より抜粋)

詳しいメカニズムはまだ解明されていないようですが、人間が糖質を食べて脂肪に変えるのと同じようなイメージ?とのことです。

上記のとおり、そもそも蜜蝋をミツバチたちが作る過程自体が大仕事ですし、できた巣をまるごと蜜蝋に加工してしまう訳ではなく、養蜂・採蜜する際にどうしても出てしまう不要な部分のみを原料に使うそうです。
そんな訳で、1つの群れから年間で500g位しか採れない、とても貴重な素材とのこと。

・・・これは、使う方も緊張しますね(笑)!

2)蜜蝋の色と香り

① 色

「蜜蝋=薄黄色~オレンジ」のイメージがありますが、これはなぜなのでしょうか?

答えは『ミツバチが食べる蜜に溶け込んでいる花粉の色によるもの』とのこと(p.12より)。

例えば、トチの花の季節には巣(=蜜蝋)は橙色になり、キハダの花の季節には黄色くなるそうです!面白いですね。

② 香り

先述したとおり、私は蜜蝋=甘くてよい香り、のイメージを持っていますが、本の著者によると必ずしもそうでないとのことです。

色と同じく、巣を作るのに使った花の種類や、巣に蓄えていたハチミツの違いによっては、そうでもないことがあるそう(p.14より)。

また、巣を蜜蝋に精製する工程の違いも影響するのでは、とのこと。
収穫後すぐに精製されたものであれば、基本的には蜜蝋がそこまで香ることはないようですが、巣を収穫した後にすぐ洗わず、ハチミツ漬けの状態で保管されていたようなものは香りが強い可能性があるとのことです。

もしくは香料を後付けしたものが販売されている可能性も考えられるとのこと(!)。

「いい香り=高品質」という訳ではない事を知り、ちょっとビックリしました。

3)"精製/未精製"とは?

蜜蝋を購入する際、メーカーにもよりますが "精製蜜蝋" or "未精製蜜蝋" のいずれかを選べることが多いと思います。

ネットの画像で見ると、黄色味が強いものが "未精製"、白っぽいものが "精製" と表記されているくらいで、融点も同じだし一体何が違うのだろう??と思っていました。

実際は "未精製=未晒"、"精製=晒済" とのこと。

本当の意味での「精製」自体はどちらもされていて、その後日光に当てる or 薬品を使って脱色・脱臭処理をしたかどうか、という違いだそうです(p.40より)。

蜜蝋を原料に化粧品等を作る際は、その色や匂いが製品にそぐわないこともあるため行われる作業のようですが、薬品を使った処理の場合はそれが肌に与える影響がある可能性もありそうですね。。

ちなみに、蜜蝋の精製工程は「洗浄」と「濾過」だそうです。
これらの回数や、濾過する際の濾材の目の細かさの違いで精製のグレードが異なるとのこと。



以上、ざっくりですが蜜蝋の基礎知識をまとめてみました~
蜜蝋が持つ力(効能など)については、また違う文献も調べてまとめてみたいと思います。

今回ご紹介した本は、上記の情報の他にも、蜜蝋の歴史や蜜蝋の活用法など、蜜蝋に関するアレコレが比較的詳しく書かれておりますので、ご興味ある方は一度お手に取ってご覧いただくのも良いのではと思います^^


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