数で測れないもの
ぱん!と投げかけられた一言で
ぐらり、と揺れる自分を見つけて
あたまのなかがこんがらがって
どうしたらいいのかわからなくなって
グラノーラをぱくぱくと口に入れた。
そのグラノーラも
思いつきで入れてみた玄米コーヒーの粉のせいなのか、なんだかさっくり焼き上がらない。
いつもより焼き時間をのばしてみる。
どうなるかもう確認するのもやになって
そのまましばしオーブンの中にいてもらう。
安いとか高いとか
少ないとか多いとか
お金のことだったり
数値化するデータだっり
そういうことで決めつけられたような言葉を浴びると、そこからこぼれ落ちたもの、その数では測れないものが忘れ去られたような、なんとも言えない気持ちになって、思考停止する。
これは学生の頃からそうだった。
思い出した。
研究室にずっといられなかったのもきっとそう。
測れないものがある。
目に見えないけど存在しているものがある。
言葉で説明しきれないものがあるから
ある一点を切り取って
判断してほしくない気持ちがあるんだと思う。
咄嗟に出た電話でも
うまく話せなかったような気がして
久しぶりにしゅんとなった。
真っ直ぐ伝えられたらいいのになと。
子どもに泣いて呼ばれて駆けつけて
横たわって乳をやる。
そうしてぼんやりしながら
突きつけられた言葉によって
揺らいだ自分を見つめる夕暮れ。
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