ガールズバンドクライというアニメに見る、脚本家の偏見と無教養さは学習環境の見識を狭めるという批判

・井芹仁菜
本作の主人公で熊本の高校をいじめだかざまぁだかされて中退し、東京の予備校に通っている。本作は東京に来た直後からなんやかんやあってバンドを始めるという作品である。
 7話まで大学に行く動機が一切語られないまま物語が進行する上、どうも脚本家が現代の学習環境に無知っぽかったのでこうなるのかなぁと思っていたが、7話において予備校辞めるとか言い始め、案の定分かっていなかった。

私、予備校辞めるね♪

両親は現役のカリスマ教師()らしいが、そもそもこいつはなぜ娘を東京の予備校に行かせる事にした?
学べる場所が限定されていたのは昔の事で、もはや有料のネット講義が溢れており東京に行かせる意味がよく分からない。教師ならネット講義を受けさせながら自宅でフォローも出来るし、そもそも一緒に暮らせないとしても九州の人間は東京ではなく福岡に行くのでは?

更によくわからないんだが7話において成績が下がったと連絡が来たと姉が上京してきたが、今の予備校って(週に1~2回通う程度)、テスト?の結果が落ちたからって実家に連絡するのか?
高校在学中じゃないので井芹仁菜は社会人枠だと思うが、一昔前でも浪人生が欠席繰り返したり成績が落ちたからって親に連絡が行くなんて話は聞いたことがない。
例えば2012年辺りだと浪人生はさぼったり成績が下がってもいちいち親に連絡しないのが普通だと言われたという投稿があるので、今も変わってるとは思えない。脚本家は(予備校と定時制高校かなにか)勘違いしてるのではないか?

また予備校の成績が下がってるから云々というやり取り、その前提として以下の事が描写されておらず過程の描写が足りていない。
・井芹仁菜は、なんの学科を目指しているのか?
・親は井芹仁菜に拍つけで校名を使わせたいのか、実益(学科卒)を求めているのか
仮に拍付けで、例えば国公立卒業と言う実績を求めているなら、高卒認定から通信大学を経て3年次編入制度を使えば2年ほどで通学課程も修了できるではないか。
それなら親としては予備校云々より、まず気になるのは高卒認定試験を受けるかどうかが気になるはずで、エピソードとして7月から始まる高卒試験出願申請を挿入しないと辻褄が合わない。
そもそも高校中退だと大学はうけられないので、高卒試験の話は真っ先に出さないといけないが、7話まで来ても一切影も形もない。これは脚本家の不勉強の表れだ。
私はうけたことないので実際どの程度かわからないが高卒認定試験とググっても中1~高1程度の範囲で簡単とか出てくるし高校に入学できる16才から受けられるので、脚本家が無知だとしてもスタッフの誰かが指摘すればいい「なぜ今の段階で井芹仁菜が高卒認定試験をとる描写を入れないのか?」とな。
結局のところ、脚本家もスタッフも知識が足りていないのでリアリティに欠けている。ストーリーの都合で井芹仁菜を中卒にしなければいけないとしても、以上の事を知っていれば何かしら「受けない理由など」の描写を入れてくるはずなので、入れてこない時点で知らない。
※狂人のマネをするものは、また狂人である。
通信大学でも工学も法学も経済学部もいけるので、この作品を通して何を伝えたいのかよくわからない。
こういったよくわからない描写が流布されると悪影響である。

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