ギランバレー症候群で解った私の気持ち。
もう15年近く前になるのですが、
同棲中でまだ彼氏だった時の現在の夫がギランバレー症候群になったことがありました。
たまたま風邪を引いて体調が優れないので仕事を休んでて、そこから数日後も身体の重さが続いており、忘れもしないのですが、金曜日にさすがにおかしいから私から病院行こうよ!と促して、ようやく病院へ。
夫は持病持ちなので、その合併症の可能性もあるからとりあえず検査しよう。となり、また月曜日に来院を促された。
なんだけど、万一の事もあるからこの土日で体調が急激に悪化したら救急車呼んでくださいと言われた。紹介状も渡しておくからと。
え?そんな悪いの???(不安)
身体の重さ以外だと食欲はまだあったので落ち着いてた私。
食欲が無くなる=すごく体調悪い。イメージだったので。
なんですが、重さ以外の気になる点が土日で出てきた。
何せ自分の力で立ち上がれないのです。
金曜日に持ててた箸も持てず、日曜日の夜は柔らかいパンもちぎるのやっと。
いや、救急車で病院行こう?となりましたが、本人がまだ大丈夫と言い張るので困った。
困ったついでに言うなら、もう日曜日の夜の段階で自分の足だけでトイレも行けなくなってる。補助してなんとかトイレまで行ける。みたいな。
本人が大きい方の気配がしても、ペーパーで自力で拭けないと思ったのか我慢している。
当時の我が家にウォシュレットが無かったんだよね。
私は「別に気にせず拭けるよ?う○こくらい」と申し出たがやっぱ無理っぽい。恥ずかしがり屋さんめ。
ここまで来ても病院いかんか!?となったけど、命に関わる感じが無いとの事で月曜日の朝を待つ。
金曜日は電車使えたけど、もう無理なので自宅にタクシーを呼ぶ。
玄関からエレベーター、タクシーに乗車も私が支えて何とか病院へ。
多分、順番をすっ飛ばして最初に見てくれたのですが「すぐに別の病院へ。こちらからも連絡入れておきますので」と言われ、またタクシーへ。
このタクシーへ乗車する時に病院の待合室で夫は力つきたのか、もう自分の足で立ち上がれない事になっていた。
私は嘘!!マジで!?と言う思いで慌ててしまったが、そこは病院。
看護師さんが徐に車椅子を持ってきて、ひょいひょいっと夫を車椅子へ。
「タクシーまで運びますから。次の病院で車椅子借りてください」と指示され私は「はい!」と返事しか出来なかった。
身体に力は入らなくとも意識はハッキリしてるので、夫は俺どうなるんだろ???と不安気。
私はとりあえず病院いって、原因解かれば対処も出来るんだし大丈夫だよ!と励ます。
病院へついたら車椅子を借りて、夫の代わりに受付して次から次へと色々な場所で検査を受けて回る。
私は車椅子を押すのが初めてだったので、正直ちょっと楽しかった。夫よ、すまぬ。
約4時間ほどの検査と待合室での時間が過ぎたころ、担当の先生から説明を受けました。
「ギランバレー症候群だと思われます。すぐに治療を開始した方が良いのですがすぐ入院できますか?」
なんそれー?なんの病気ー?が私の第一印象。
多分、夫も同じ。
とりあえず、そのまま入院手続きして治療開始。
ギランバレー症候群はざっくり言うと、
身体の免疫がエラーを起こして正常な末梢神経を攻撃、筋力を奪っていく。
段階がいくつかあって、
軽度なものだと痺れや麻痺。
中度で自力歩行の困難。
重度で自力呼吸が出来ない状態となる。
いや、もう重度ってほぼ死、、、
特に夫は急激に悪化していた事もあったので、余計に怖い。
ギランバレー症候群の治療は血清を連続投与(血清交換)で改善の見込み程度のもので、効くかどうかは本人次第とも言われた(※当時の話)
とりあえず、血清を投与して様子見である。
私は不安は不安だったけど、とりあえず病名がわかり、入院したことで少しだけ安堵した。
土日の、何かあったときはどうしたら?と言う1人での不安よりは、すぐに対処できるであろう場所に夫がいるだけでも安心だった。
その後に、入院に必要なものを購入して病室で寝たきりの夫に渡してその日は一旦帰宅。
次の日に朝一で面会に行った。
どうなってるのか?薬は聞いているのか?不安の中で病室を開ける。
横になっていた夫は私に気づく。
私がどう?調子?と不安気に訪ねた。
夫はちょっと待ってね。と一言言うと、
ベッドの手すりに捕まってゆっくり起き上がった。
自力で。
私はえ???もう動くの???と驚愕。
前日はベッドから自力で起き上がれ無かったじゃん???
コップとかも持てない感じの握力だったじゃん?
夫も、なんか薬効いてるっぽい。
全回復じゃないけど、確実に昨日より動けてる。と話す。
どういうことー???と驚いていたら、タイミングよく先生が。
まだ、どこまで回復するか解らないけど、すごく効きましたね。ちょっと私も驚いてます。と一言。
初見で先生はこの進行具合だと2ヶ月の入院、半年以上のリハビリを予想していたようで、先生もへぇ〜こんな人もいるかぁ。となってた。
ただ、自力歩行にはまだまだなので、後遺症が残る可能性はまだありますというお言葉。
死ぬことはまず無くなったけど、最悪、ここから車椅子生活の可能性も視野に入れなければ行けなくなった。
私は先生の話を聞きながら
今、住んでるマンションだと段差いっぱいあるから引っ越しだな〜などと思いを巡らせていた。
そんな話をふいに会社の同僚に話したら(面会で遅刻して来たので)
「え?車椅子になる人と別れないの?まだ同棲でしょ?」と驚かれた。
私は「え?」となったけど、そうかそういう選択肢もあるのね。と、思った。
けど、私にその選択肢は無い。
例え、後遺症が残らなくともそもそも別れるつもりは無かったけど、そうなったとしても別れないんだなと改めて自覚した瞬間でした。
あと、普通に抵抗もなく夫のう○こ拭けるんだなって思った 笑
その後、2〜3週間の治療と2週間のリハビリで約1か月で晴れて退院の運びとなりました。
いや。早くない?
けど、ほんとに良かったー!!って今でも思います。
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