【長文】私の好きなものたち
私について、私のために文章を書いてみることとしました。登場する著名人は(ほぼ全て)敬称略です。おゆるしください。
生まれついてのおっちょこちょいで、幼い頃から傷ついてばかりいました。
ここ四年ほど、何ひとつ興味を持てずに寝たきりの生活をしていましたが、少し元気になりリハビリがてら推し活といわれるものをしています。
物心ついた時には、ドリフと欽ちゃんが大好きでした。
小学生になると、周りがみな光GENJIを応援する中、CHA-CHAを追っかけていました。
中学生になると、KANの曲に魅了されピアノやらギターやら手を出しては挫折しましたが、今も好きです。
高専生になると、渋谷系と呼ばれた音楽の虜になりました。Spiral Life、コーネリアス、カジヒデキ、カヒミ・カリィ、小沢健二…、どんどん深化した結果、NG THREE、Electric Glass Baloonといったインディーズにもたどりつきました。
大学生になると、椎名林檎に出会いました。彼女とともに歳を重ねてきた感覚があります。
この辺でドラマ「星の金貨」を見て、大沢たかおが好きになりました。
ウォーターボーイズの映画やドラマも好きでした。永山瑛太、山田孝之、森山未來といった俳優の出世作ですが、この作品に田中圭、そして星野源という大物も潜んでいましたが、出会い直すのはまた先の話。
また、この頃はじめて「水曜どうでしょう」なる奇怪な番組に出会います。この番組もまた、通奏低音のように私の生活に流れ続けることとなります。
ある学問に夢中になり、人生を大きく踏み外してしまいました。
その頃の記憶はあいまいです。
結婚し子どもが産まれたある日、カルピスウォーターのCMにとんでもない存在感の少女が目に留まりました。能年玲奈でした。
朝ドラの予告を見て、面白そうだなと思い見始めたのが「あまちゃん」でした。
すっかり夢中になりました。
あまちゃんが終わり、次の朝ドラが始まった日、そこにもうあまちゃんがないことを実感して涙が出ました。
でもその日始まった「ごちそうさん」にも夢中になりました。次女を産んだ日もベッドで見た記憶があります。ちょうど劇中でも女の子が産まれたタイミングでした。
それから夜泣きで眠れない日々が続き、「花子とアン」「マッサン」の二作は部分的にしか見られませんでしたが、若干の後悔をしています。特に花子とアンは、のちに好きになる鈴木亮平の出世作でした。
それ以降の朝ドラはほぼすべて見ています。
特に好きなのは前述のあまちゃん、ごちそうさん、ひよっこの三作です。カムカムエブリバディとらんまんも好きです。
子どもが小さい間は自分の時間などありませんでしたし、家庭がボロボロになった時期がありました。
その怪我の功名で、ある日映画館に行きました。
シン・ゴジラを見て夢中になりました。三回も同じ映画を映画館で見たのは初めてでした。
長谷川博己は家政婦のミタで気になっていた俳優さんでしたが、シン・ゴジラで決定的に虜になりました。
もちろん朝ドラのまんぷくも欠かさず見ていました。
シン・ゴジラでもうひとり好きな俳優さんがいました。総理大臣を演じる大杉漣。
時をほぼ同じくして、テレ東で「バイプレイヤーズ」というドラマが始まりました。
大杉漣に加え、遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、寺島進、光石研という錚々たるメンツです。
おじさん俳優のワチャワチャはとてもチャーミングでした。
バイプレイヤーズ2の撮影中に、大杉さんが逝去されました。残り数話の撮影・放送を残した状態でしたが、ファンの声を受け、スタッフが遺族・事務所の了解を得てプライベート映像まで組み合わせて見事に最終回まで放送してくれました。
劇中の大杉さんは最後まで現場に立ち、「じゃ、いきますか」と撮影に向かうシーンで幕を下ろします。
300の顔を持つ男と呼ばれ、名脇役と言われた男の遺作が「大杉漣役 大杉漣」なのはかっこよすぎてつらくてさみしいです。
今もいろんなドラマや映画を見るたびに、大杉漣が生きていたらこのポジションで出てきただろうななどと思いを馳せます。
2019年、再び自分の人生は混迷を極め、何かに夢中になることはなくなりました。
2022年から少しずつ世界に色が戻ってきた感覚があります。
そして2023年、あまちゃんの再放送が始まり、私は元気になりました。
すべてのピースが一気に組み上がっていくように、映画・ドラマ・音楽、役者・ミュージシャンが繋がっていき、いろんな作品を見聞きしました。
「半分、青い。」のオープニング曲だった「アイデア」は好きでしたが、星野源の曲をたくさん聞くようになったのはこの頃です。
ダイエットのためにランニングを始め、「星野源のオールナイトニッポン」を聞くのは走っている時だけ、という謎ルールで自分を縛りました。
意外と走れるようになっていきました。
その結果、あまちゃんマラソンなる大会を知ってエントリーしてしまい、あまちゃんの聖地・北三陸まで行って5kmですが完走しロケ地巡りもできました。
星野源から久慈市へのとんでもないロングパスです。
星野源とオードリー若林正恭の対談番組、「LIGHT HOUSE」を見たくて、Netflixにも入りました。
すると、「水曜どうでしょう」も見ることができるではないですか。
昼夜を問わず、手当たり次第に水曜どうでしょうを見まくる生活になりました。Netflixで見られないシリーズは、TOKYO MX、tvk、テレ玉でも見ます。二十数年見てきた番組ですが改めて好きになりました。今や大スターとなった大泉洋、名脇役で主演もこなす安田顕、大河や日曜劇場VIVANTでも贅沢な使われ方をする音尾琢磨の若き頃を見て、彼らにこれから訪れる未来を知っているタイムトラベラー感覚を味わっています。
星野源のロングパスは他にも。「地獄でなぜ悪い」という映画があると知りました。U-NEXTにも入ってしまいました。10年前の長谷川博己と星野源が見られて、バカバカしいほどの血しぶきと現実離れした高揚感を味わいました。
長谷川博己への熱がさらにパスを回します。綾瀬はるか主演の「リボルバー・リリー」という映画が公開されました。
それほどお金が潤沢にあるわけではないので、彼の作品をすべて見られるという経済状況ではないのですが、長谷川博己だけではなく鈴木亮平も出ていると聞いてすぐ映画館に走ってしまいました。
来週から鈴木亮平が主演の日曜劇場「下剋上球児」が始まると聞いています。前作VIVANTで、裏のありそうな人物・長野を演じた結果、単なる元シャブ中不倫おじさんだった小日向文世が、次クールでは地主役だといいます。全国の小日向ファンはクラクラしてしまいます。
VIVANTについて触れてやっとターンが回ってきたのが堺雅人です。大学生のころ、深夜に偶然見たドラマ「ア・オ・ゾ・ラ・マ・ー・ジ・ャ・ン」で、なんと美しい青年なのだろうと感じたのが初めての出会いでした。「嫉妬の香り」も見た記憶があります。「リーガル・ハイ」で完全に好きになってしまいました。
なお、夫人である菅野美穂も「ちゅらさん」で好きになりました(例外的に2013年以前で見た唯一の朝ドラ)。
二人の共演作である、「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]」はまだ見ていません。尊過ぎてどうにかなってしまいそうだからです。Netflixで見られるので、いつか見てどうにかなってしまうと思います。
歴史が苦手なので、大河ドラマは見たり見なかったりしていました。「真田丸」はいずれ見返そうと思っています。大河は一年間、40話以上続くので、それなりのカロリーを必要とします。
そんな中、水曜どうでしょうのディレクター陣は2023年の新作を見るにあたり、大泉洋が源頼朝役で出演した「鎌倉殿の13人」を見ておくようにと簡単に言ってのけます。
夫が鎌倉殿の13人のファンだったので、見どころ解説を受けながら必死ですべて見尽くしました。
出演者の事件があり、もう少しでNHKプラスでの配信が終わってしまうという中、睡眠時間を削ってまで視聴しました。
結果、睡眠不足で暗い映画館のライブビューイング、周りには藩士(水曜どうでしょうのファン)しかいない中、数時間にわたって新作を見るという得難い経験をしました。
もちろん鎌倉殿の13人を嫌というほど見た甲斐がありました。
「ご存じでしょう?大泉洋でございます」と嘯いていたら本当に皆さんご存じの俳優になってしまった。「俺の名前をエンドクレジットでトメで出せ」と喚いていたら、大河ドラマでトメをとってしまった。
もはや水曜どうでしょうとは、北海道に生まれたひとりの青年が、俳優として大成し老いていく様を緻密に描いた「大河ドラマ 大泉洋」なのではないかと思っています。
なお、鎌倉殿の13人そのものももちろん素晴らしいドラマでした。
急に尻すぼみになりますが、さまぁ〜ずとタモリも好きです。神木隆之介も好きです。
朝ドラや大河はだいたい二つ先まで作品が発表されます。
次の次の朝ドラを見たければ、来年まで生きている必要があります。
それに、私は好きな俳優、アーティストがどんな人生を完成させるのか、最後まで見届けたいと思っています。神木隆之介が主演する大河ドラマだって見たい。「のん」が日本の地上波を席巻するのをこの目で見たい。そのためには自分が死んではいけない。
転びまくっている人生ですが、推す力を支えに、なるべく長く健康でいたいと思っています。
最後に、映画「さかなのこ」が素晴らしいと記してこの記事を終わります。
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