なぜ今、学生団体eyesを立ち上げたのか。
はじめまして、学生団体eyesの初代代表をしております田和涼太です。
2024年1月1日に学生団体『eyes』を立ち上げました。
そこで、学生団体eyesを立ち上げるに至った経緯についての記事を書くことにしました。
公認会計士試験に合格した学生の方々や公認会計士試験合格に向けて勉強されている学生の方々に読んでいただきたいと思います。
【読了時間目安:5分】
eyesの目的は、一言でいうと在学中に公認会計士試験に合格した学生が新たな目標に向かって挑戦できる環境を提供するためです。
公認会計士試験の分析
志願者数が2015年の2倍になっている
上記の図表に示した通り、近年、公認会計士試験の志願者数は増加しており、合格率は減少傾向にあります。2023年は志願者数が2万人を突破しており、これは2015年の志願者数の約2倍となっています。志願者数が増加している要因としては、新型コロナウイルスの影響などが考えられます。
学生合格という差別化は難しくなってきている
上記の図表で注目すべきポイントは2つあります。
1つ目は、在学中合格者数が増加している点です。公認会計士試験は毎年1,300人前後が合格します。この点、年々在学中合格者数が増加しています。最近では在学中合格者数が650名を上回っており、合格者の約半数を在学中合格者が占めています。これまでは学生合格者であれば、基本的にはどこの監査法人も自由に選べると言われてきましたが、2023年の監査法人の就活では学生合格者もやや難航したと言われています。
2つ目は、在学中合格者の論文式試験の合格率が非常に高い点です。論文式試験における合格率(合格者/論文受験者)は34~36%となっています。この点、在学中合格者の論文式試験における合格率は常に50%を超えています。この要因については単に社会人受験者に比べて時間を確保しやすいということも考えられますが、短答式試験を突破した学生は他の受験者に比べて数値的に一定程度能力が高いことを示唆していると言えます。
学生合格者の強み
学生の強み
会計士受験生に限らず、一般的に学生の強みは大きく分けて3つあると考えています。
1つ目は、「時間があること」です。学生は社会人と比較して時間が豊富にあるため、様々なことに挑戦するための時間を確保できます。つまり、成長するための機会が豊富にあります。
2つ目は、「意思決定を重複できること」です。サラリーマンを想定した場合、一般的なキャリアでは基本的に複数の選択肢の中で1つしか選択することができませんが、学生は複数の選択肢(インターンやチューター、留学など)を重複して挑戦することができます。
3つ目は、「意思決定の先延ばしができること」です。内定をもらったとしても最終意思決定は大学4年生の最後まで理論的には伸ばすことができます。そのため、内定をもらったときの経験値よりも豊富な経験値がある状態で最終意思決定を行えます。
在学中合格者の強み
学生の強みに加えて、公認会計士試験に在学中に合格した学生には3つ強みがあると考えています。
1つ目は、「信頼性を担保できること」です。公認会計士試験を合格することで一定程度の信頼性が担保されるため、チャンスの機会を掴みやく、チャレンジしやすいと言えます。
2つ目は、「新卒という概念がないこと」です。監査法人への就職を前提とした場合、新卒という概念がなく、売り手市場であるため、1年入社を先延ばしにしたとしても内定が取り消しになる可能性は低いと言えます。
3つ目は、「第二新卒カードがあること」です。大学卒業と同時に監査法人に就職した場合、数年勤務したのち、公認会計士の資格取得した段階で第二新卒カードを利用し、転職ができます。
なぜ今、学生団体を立ち上げるのか
在学中合格者は今、変革期にいると考えています。だからこそ、学生にフォーカスすることの必要性が高まっていると言えます。
モヤモヤ層の増加
これを読んでいる方の中には、在学中に試験に合格することができたものの、新たな目標が見つからず、何か「モヤモヤ」した感情を抱いてる方もいるかもしれません。
受験生時代は「合格」という明確な目標があったため、直向きに努力できていた人は多いと思います。
しかし、「合格」という目標を達成した場合、自ら新たに目標を設定しなければならず、時間が豊富にある学生にとって、合格後のチャレンジ先が不明となり、足踏み(モヤモヤ)してしまうことがあります。このようなモヤモヤをどのように解消するのか以下で述べていきたいと思います。
会計士試験を突破した学生は、「ナビゲーション能力」が高いと思っています。一般的なナビゲーションとは目的地を設定した場合、現在地からの最適なルートを示してくれることを指しています。この点、ここで言うところのナビゲーション能力とは、目標という目的地と現在の自分を客観的に把握し、このギャップを埋めるために分析・改善する能力を示しています。
受験生時代は、「合格」という目的地が存在し、答練などで自分の現在地を把握しながら、合格に必要な力と現在の自分の力のギャップを埋めるためにミスの原因を分析し、改善していった結果、合格という目的地にたどり着くことができると考えられます。
この点、これまで会計士受験を通じて培ってきた「ナビゲーション能力」を発揮するためには目的地と現在地を把握する必要があるます。試験合格後、モヤモヤしている学生の原因はここにあると考えています。つまり、これまでは合格という明確な目的地が設定されていたものの、合格後は新たな目的地が設定できず、行き先が不明となるため、ナビゲーション能力が発揮できず、何も行動できていない自分にモヤモヤしていると考えられます。
そんなモヤモヤを解消すべく、ナビゲーション能力を発揮する方法は大きく分けて2つあると考えています。
1つ目は、目的地を持っている人に協力することです。新たな目標に向かって挑戦している人のそばでそれを実現するために一緒に挑戦する中でナビゲーション能力を発揮することができます。そして、それを行なっていく中で自分の興味・関心への解像度が上がっていき、結果として自分の目的地も把握できるようになってくると思っています。つまり、誰かの目的地やみんなの目的地までのナビゲーション(擬似体験)を通じて、自己理解を促進させ、自分を「知る」ことができます。
2つ目は、自らの目的地を設定することです。これを実現するためには、圧倒的な情報が必要になります。自分はどういう性格か、何をしたいのかなど様々な情報が必要となるため、いきなり自分の目的地を把握することは難易度が高いと言えます。
在学中合格の選択肢の多角化
これまでは、在学中に合格した場合、残りの学生生活の過ごし方の基本的な選択肢は「会計士予備校でチューターをするか」、「監査法人で非常勤をするか」の2択でした。しかし、先ほどの近年の公認会計士試験のトレンドにも記載したように学生合格者の人数が増加しています。したがって、チューターをしようと思っていたが、できなかった学生や学生の間は他のことに挑戦したい学生が増えてきています。つまり、これまでの選択肢以外にも、在学中の合格した学生が新たな目標に向かって挑戦できる場所の必要性が高まっていると言えます。そこで、新たな目標を見つけたい学生や新たな目標に向かって頑張りたい学生にとっての情報提供の場、状況共有の場を創設しました。
在学中合格者は今、変革期にいると考えています。今後、在学中合格者にとって挑戦しやすい環境が必ずつくられると思っています。だからこそ、少しでもモヤモヤしている学生は私たちと一緒に新たな目標に向かって挑戦しましょう。
学生団体eyesはどういうものなのか
現在、慶應ではケイアカ、早稲田ではWACCなど各大学には会計サークルが存在しています。在学中に公認会計士試験に合格する学生の多くは、これらの会計サークルに所属しています。この点、これらの会計サークルは試験に合格するまでの学生コミュニティとしての位置付けが強く、試験合格後にフォーカスした学生コミュニティは基本的に存在していません。そこで、公認会計士試験に合格した学生にとって新たな目標に向かってみんなで挑戦できる有意義な環境を創りたいと思うようになりました。
そこで、私たちは学生団体「eyes」を立ち上げました。
eyesは公認会計士試験に合格した学生向けのコミュニティになります。
Platform for elevating youngsters executive skills
eyesは「elevating youngsters executive skills」の頭文字をとって名付けています。
eyesは「学生が自分の可能性に目を向け、挑戦できる場所」というコンセプトのもと、学生が次の目標に向かって挑戦できる環境を創造しています。
eyesには合格後、様々な分野で挑戦している学生が数多く在籍しています。具体的には、インターンをしている学生やチューターリーダーをしている学生、非常勤をしている学生、留学を経験している学生、一般就活を経験している学生などが在籍しています。このような経験をしている学生と交流するだけでも新たな発見があるかもしれません。
興味を持った方はぜひ以下のアドレスに連絡してみてください!
eyes.student@gmail.com
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