真夏、心重ねる

きゅうりの塩揉みをするとあの夏を思い出す。

2024年7月31日夏。机上の粘土の日時計が部屋の隅のペットボトルに長い陰を落とす。

俺は突如風呂掃除をしようと思い立った。
もう何ヵ月も着ていない高校のジャージを掘り出すと、こんなに汚かった?と絵の具汚れをからかいながらズボンに足を通す。

ガラリと蛇腹状の仕切りを開けると、浴槽に見慣れない突起物を見つけた。怪訝な顔でそれをよく観察すると人の頭のようだった。
乾いたタイルに足を入れ、徐々に近づいていくと驚いた……。そこには金髪の少女が全裸で丸まっていた。

肌は透き通って白く、二の腕から首にかけての全てが細く弱々しい。ブロンドの髪は納豆の糸のように細緻で、啜ったら良い音をたてるに違いないと思った。

彼女は大きな瞳を開けると、乱雑に髪が垂れた、無気力な表情を此方に向ける。

俺は何か良からぬエッチな展開が待ち受けるようなワクワク感を悟られないように、同時に勃起を悟られないように猫背気味に向かう。

少女は小さな口を開いて小さな声を発した。

「 おね…がい…… 」

何か知らんが俺は今すぐ乳を揉みたい。
さっきから彼女のささやかな谷間を見て頭が沸騰しているのだ。
「お前がどこから来たのか何をしに来たのか知らない。けどな、俺はもうお前のおっぱいをただただ揉みたくて仕方ないんだ。揉ませてください。おっぱい」

彼女は浣腸されたカンガルーのように顔を紅潮させると人差し指を上げた。
「ひとつ……ひとつ条件……。」

「なんだ?揉ませてくれるなら何でもするぞ。ついでに俺のイチモツも握らせてあげるぞ」

「キモい……。揉ませる条件……。お母さんと絶対に離婚しないで」

ビギッ。脳の血管が一気に膨張する感覚が起きる。なんだそれは……。
俺はシャワーを勢いよく自分の顔面にかけた。ついでに少女の顔面にもかけた。
「つ、冷た…」
「ということは、お前の母親は俺の嫁ということか!?」
少女の二の腕をギュッと強く握りしめる。
そうだ、だとすれば……、

「お前は俺の娘なのか……?」

彼女は小さく頷くと、どこからかカボチャのお浸しを取り出してムシャムシャ食べ始めた。
おいおい待て待て、そんな家事センスゼロな料理を作る奴と俺は結婚するのか?冗談だろ?

少女は続けて、どこからか1匹のグッピーが入った水槽を俺に見せてきた。
「これが50個ある。」

おいおい待て待て、俺はグッピーにプライベートを与えるような女と結婚するのか?グッピーは共食いしないかヒヤヒヤするのが醍醐味だろ?冗談キツすぎるだろ

少女は続けて緑色のスリッパを履き始めた
「この格好がいつものスタイル…」

おいおい待て待て、そんな来賓みたいなスタンスなのか?いやそれより……
「お前、裸で家に居たりするのか?」

「うん」

おいおい、裸族なのかよ。エロいな……ええやん。
一度全てにツッコミを入れ、冷静になると自分の犯した罪に気がついてしまった。
俺は、自分の子供に欲情したのか……?
「俺は、自分の子供に欲情したのか……?」

「私、養子。」

俺はその言葉を聞いた瞬間手を伸ばし、少女の胸を揉んだ。揉みほぐしたの方が正しい。

少女は恥ずかしいような苦しいような表情を浮かべて吐息混じりに口を開いた。
「優しく、優しくして……。」

「知ってるか?揉めば揉むほど胸ってのは大きくなるんだよ。お兄ちゃんが大きくしてやるよ」

少女は口を大きく開ける。
「胸にはクーパー靭帯ってのがあって、強く揉んだり揉みすぎたりするとその靭帯が徐々に切れていき結果胸が垂れてしまうんですよ。つまり、その文言は男が胸を揉みたいがために作った御伽噺ですよ。揉めば揉むだけ美味しくなるのはきゅうりくらいですよ。ニタッ」

俺はその瞬間立ちくらみを起こしてその場で倒れてしまった。かすかな目の隙間からは少女の小さな手に、不釣り合いなほど大きなえなりかずきの全裸ブロマイドがあるのが見えた。しかもよく見ると角にウンコがこびりついていた。
渡る股間に蛇が勃つ。

懐かしい。
眼前のウンコのこびりついたきゅうりを揉みながらそう思った。
「揉めば揉むだけ、ね……」

俺はあの後、本当に彼女と結婚した。
が、やはりグッピーを分けて飼うという品性が信じられなくて離婚してしまった。
あの娘を引き取る前の話だ。
今思い出しても惜しい話だ。もっと躊躇せずに揉んでおけば……。

ガチャ
嫁と娘が帰ってきたようだ。
俺は裸エプロン姿で玄関まで向かう。
そして俺はピーマン農家のような笑顔で言った。



「アッッ!!アッッンン!!エグすぎるてッ!?お前そんな、アッッッ!!!!エグイエグイっっ!!エロすぎる!!!!お前らエロすぎる!!!イグッッッ!!アッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ドエロい!!」