逸見ルカ

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わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文3

文脈がわからないと「わからない」 ここで、活躍するのが「スキーマ」である。 スキーマとは、、、  何の話かわからないと、つまり、どのスキーマを使えばいいかわからないから話がわからないという状態になるのである。  そこで、何らかの方法によって、スキーマを活性化することでわかるようになれる。  今日は5分しかなかったから、このくらいしか書けなかった。  ほかにしたいこともある。  5分あれば読み進めたい本もある。  でも、「やるか・やらないか」の選択できる状態が生

    • わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文2

      第1章 「読み」が深まらないのはなぜか?  ではなぜ『もしもしお母さん』では、読み手はもっとわかろうとしなかったのか。  それは、「わかったつもり」の状態になっていたから。  「わかったつもり」は一種の安定状態だから、それ以上わかろうとはしない。  反対に、はっきり「わからない」状態であるならば、わかろうとすることはできる。  本書では、「わからない」の例として、二十四節気について事典で調べたものを引用している。  この説明を読むと、「太陰太陽暦」や「各月を決定し

      • わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文1

        第1章 「読み」が深まらないのはなぜか? 本章の冒頭では、小学2年生の国語教科書から『もしもしお母さん』という物語文を紹介している。  一読後に、わからなかったことはないかと読者に問うているが、小学2年生の話でわからなかったと感じる人は少ないはずだ。  しかし、表を提示され、それを埋める形でもう一度読み返してもらうと、3匹の子猫では、それぞれ性格の違いがあることがわかる。  このように、表を提示され、その項目を検討していくことで読みを深めていく手法は、よく国語教科書の「

        • 「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文4

          第4章 「わかったつもり」からの脱却「わかったつもり」に関する実験として、ブランスフォードらの文を紹介している。  これを読んだ時に、違和感なく読めるだろうか。  ほとんどの人は「理解した」と思うだろう。  しかし、 「なぜ男はコートを脱いだのか?」 「なぜ窓をおろしたのか?」 と問われると、 「寒いといっているのに、なぜコートを脱いだのだろう」 などと矛盾に気づくとしている。  そう。  文をすらすら読めることと、正しく(文脈も含めて)理解することは全然違うという

        わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文3

        • わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文2

        • わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因〜(光文社新書:西林克彦 著) 読書感想文1

        • 「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文4

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文3

          第4章 「わかったつもり」からの脱却 これがある意味で安定状態であるため、それを壊す必要があると述べている。  この壊す作業を授業ではどのようにすればよいか、それは国語に限らず、他の教科でもあり得るわけなので、次回はその方法について考えてみる。

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文3

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文2

          第3章 「わかったつもり」の原因文脈との齟齬が大きく生じないため、このように読み飛ばしてしまうことはありそうだ。 精読・精査することの力をつけさせようと思ったら、ここに刺さらない 手はない。 読み飛ばしてしまいそうな箇所を、教師の読みによって発見し、それを発問にする。 もしくは、初読の感想の中で読み飛ばしてしまっているところに気づき、それを課題にする。 初読の感想で疑問に思ったことを述べている児童がいるならば、そこは齟齬が生じている可能性があるので、そこを課題にするこ

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文2

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文

          はじめに 大いに影響を受けた本書を数年ぶりに開いて、今だからこそ感じることを書いていく。  なお、note自体、書くのは初めてなので、見栄え良く書いたりすることもできない。  ・ただひたすら書いていくこと  ・毎日の昼休みの5分間でやること この2点を現在の目標にしたい。 第2章 読むということ1 文章と読み手  p42「文脈と単語の意味」に書いてある、一般的に思われがちなボトムアップ(データ駆動)だけではなく、トップダウン(概念駆動)で文が読まれているということ

          「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱却(新曜社:西林克彦 著) 読書感想文