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【MLB】レイズの投手補強~突き抜けろおっさん~

毎年ほぼ話題にならないような堅実(地味)な動きをするレイズですが、今年は大谷選手が加入した『心』のドジャースとのグラスノウとマーゴのトレードで少し話題になりました。そんなレイズの投手補強の傾向と改善のさせ方について解説していきたいと思います。


・投手補強の傾向

まず、過去3年間の投手補強についてみていきます。

表1
過去3年間の主な補強選手と直近の球団での成績
(赤い表示は平均以上)

各指標の簡単な解説
Zone% ストライクゾーン内に投げた率
BB% 1打席のうち四球の割合
Location+ どれだけ適切なコースに投げ込めたかを表す指標

これを見ると、平均以上の赤い表示が17人中10人となり、レイズがコントロールとコマンド能力がある投手に重点を置いた補強をしていることがわかります。
赤い表示がない選手はStuff+ ラスムッセンが117,ファイアライゼンが114のように球の質がよく投手を獲得しました。コントロールについては自前のシステムで改善できると考えたのでしょう。

選手の改善

表1に移籍後の成績の入れたもの

レイズ移籍後、ほぼ全ての投手がZone%が上がっていて、レイズはストライクゾーンに積極的に入れる方針でやっていることがわかります。ゾーンに入れるようになると四球も減り、無駄なランナーを出さないことで防御率が改善しています。
しかし、ただゾーンに入れるだけでは打たれてしまいます。レイズはどうやってこの問題を解決するのでしょうか?

新しい球種

移籍後、主に3つの球種を新しく習得する投手が多く見られます。
カッター ラスムッセン,スティーブンソン
スイーパー スプリングス,エフリン,リッテル
シンカー リッテル,アームストロング,ラスムッセン

これから説明するのは、この3つの球種を習得する投手の特徴です。
カッターを投げる2人に共通するのは、曲がりが大きく緩いスライダーを投げることです。そこにタイトなカッターを加えることで、的が絞りづらくなり成績が向上したと考えられます。
特に、スティーブンソンは空振り率59.9%、被打率.101と絶対的なボールとなったことも、ストライクゾーンに積極的に入れられるようになった理由かもしれません。

シンカーとスイーパーを習得する投手は、利き手側のバッターに弱いことです。
例を挙げると
ラスムッセンがwOBAが左だと.242 右だと.289
スプリングスが右 .258 左.318
リッテルが 左.318 右.361
と利き手側に弱いです。
右投手の対右でのスイーパーのwOBA.257
左投手の対左でのスイーパーのwOBA.221とスイーパーは利き手側の打者相手に有効に使えることがわかります。
対右でのシンカーの平均打球角度は3.0度でゴロを打たせる能力が高く打ち取る率が上がります。
レイズはこれらの球種を組み込むことで成績を改善しているのです。

さいごに

レイズは地味な動きばかりでおもしろくないと思いますが、それでも突き詰めるといろいろ面白いデータも出てきます。だから、みなさんもおもんねえなって思うものでも気が向いたら突き詰めてみてください!!


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