生き返れメイトン
2024年2月3日、タンパに衝撃が走る。レイズがフィル・メイトンと契約したと報道。年俸は6.5M。これはチームで5番目に高い年俸で、投手に限れば2番目という超大型契約となった。
そんなメイトン投手は、どういう投手かというと、キャリアでのハードヒット率が29.8%、平均打球速度が86.2mphと、ハードヒットを抑える能力に長けていて、実際の防御率以上の内容を残している投手です。安定感抜群の成績を残してくれる!はずだった…
レイズに加入してからのメイトンは、ハードヒット率37.9%、平均打球速度が89.2mph、xERAが5.74と全く違う投手になってしまいました。なぜこのようになってしまったかを、このnoteで考察していきたいと思います。
・コマンドの大幅な悪化
メイトンは今年、初球ストライク率が55.3%と去年の65.0%から大きく悪化し、自己ワーストのBB%13.8%に繋がってしまいます。さらにカウントが悪くなるとバッターはバットを強く振ってきます。それがハードヒットされる一因になっていると考えられます。
具体的な投球コースをみていきましょう。
去年と比べて全体的に大きくばらけています。メイトンのカッターは浮き上がるようなライジングカッターで23年は高めに投げ切れていますが、今年は低めにもいってしまい球質を活かし切れていません。ベストピッチであるカーブもボールゾーンに集まってしまっています。これが次に話す投球割合の変化につながってきます。
・投球割合の変化
結果を残した去年と比べスイーパーが増加し、カーブが減っています。その2つの中間球として80マイル中盤のスライダーも投げ始めました。
スイーパーの割合が増えたのは先ほど述べたようにカーブの制球難にあります。4月の時点では32.9%と多かったが、5月には23.6%と大きく減りました。それは、ゾーンに投げ込む割合が31.2%と悪いことが原因です。カーブでストライクが取れなくなったことが、2番目に優秀な変化球であるスイーパーの増加に直結しています。
中間球としてのスライダーは被woba.463と全く機能していません。このように割合が変わったことも影響しているのではないかと感じました。
・チームにタイプが似た投手が多い
メイトンはスイーパーやカッターといった曲がり玉が多い投手ですが、レイズという球団全体で見てもその球種をよく使用しています。
スイーパーの割合 10.1%(MLB4位) カッターの割合17.5%(MLB2位)
球速も速球の91.3mphとMLBワーストです。
去年在籍したアストロズは93.6マイルでMLB8位でスイーパーも4%、カッターは8%とタイプが違う投手が多かったのも結果を残せた理由だと考察できます。
・どうすれば改善するのか?
やはり一番はコマンドを戻すことです。カウントを有利にできれば、ハードヒットも四球も減るので成績は向上するはずです。
縦で揺さぶれる投手を獲得することでアストロズのショーンデュビンやロッキーズのニックミアーズなどの縦に強い投手を安価で獲得すれば、リリーバーにバリエーションが生まれてメイトンにもいい影響があると思います。
元々実績があっただけに今年のメイトンの成績はやはり物足りません。なんとか調子を戻してクラブオプション行使するくらいの成績を残してほしいです。
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