予震予測

地震雲

愛知で震度4の地震が起きたとラジオで言っていた。私は対岸の三重の堤防にいた。 
すると伊勢湾の上空を雲の一団が渡って来た。それは規則正しく並んだ、魚鱗の陣のような雲の集団だった。飛行機並みのスピードで、空の廊下を滑るように過ぎて行った。
私はちょっと感動した。テレビでやっていた、スタジオで造った地震雲のイメージそのままだったからだ。 
オッペンハイマーのように呆然と立ち尽くしていると、隣に自転車のおっさんが来た。おっさんも雲を眺めた。おっさんが見たものは雲だけだが、私はその先を考えた。 
雲が通り過ぎたあとの状態、切り取られぽっかり空いた穴は半真空状態。ニュートンの第三法則が効かず、飛行物体は垂直に落下してしまうんじゃないかと。


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