風呂

明石家さんまは風呂が嫌い。勝俣邦和もカラスの行水である。頭の回転が速く元気な二人は、入浴を必要としていない。庵野秀明は一年間入浴しなかったそうだが、あの巨大な耳はいかにも頭が良さそうだ。劉備玄徳は耳が肩に届いたらしい。耳デカは大人物の象徴と父が言っていたので、私はずっとコンプレックスだった。「ずん」の飯尾が服を着たまま入浴するのは理論上正しいのかもしれないが、そこまでの必要があるのかちょっと心配。アルキメデスは「ヘウレーカ」と叫んで湯船を飛び出していった。湯船に浸かる目的は脳の血流を良くすること。それが日本で麻薬が蔓延しない理由でもある。      
私も脳梗塞を発症するまでは長風呂が嫌いだったが、今は何よりの薬。温泉に入る猿は体を洗わない。風呂が清潔なのは、家を引き渡された最初の一人だけ。諦めて老廃物で灰汁を残し、サッパリよりぐったりしながら風呂を出る。 


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