#35 函館スプリントS|開幕週×洋芝でもアノ馬は一考の余地あり!?【予想】
はじめに
いよいよ今週から夏競馬の風物詩の一つでもある北海道開催がスタート。そんな函館競馬場の開幕週を飾るのは、G3『函館スプリントステークス』!
芝1,200mで争われる、サマースプリントシリーズの第一戦にあたります。
昨年は「キミワクイーン」が後方から強烈な差し脚を披露して優勝。ゴール前、実況の「キミワクイーン!」という力強い声が印象深いレースです。
今年も秋の大舞台を志す、勢いのあるスプリンター達が顔を揃えました。
予想
今回の予想では①コース形態を分析。更に開幕週を踏まえた②馬場状態の分析に加えて、出走歴や戦績から洋芝¹ 適正を予想。それらを基に各馬の脚質から適性を評価。
また、③過去10年の好走傾向と④展開予想を併せ、好走が期待できる馬をピックアップしていきたいと思う。
①コース形態
函館・芝1,200mのスタート地点は2角の奥、向こう正面直線を引き込んだ先にある。初角の3角までは500m弱の直線距離が確保されており、スタート直後のポジション争いにおいて、コース形態上は枠順の有利不利はさほど大きくないと言えるだろう。
コース形態の特徴の一つは、スタートから3角・4角の中間付近まで緩やかながらも上り坂が続くということ。
スタート直後と、ポジション争いに伴って早いラップが刻まれやすい区間な上、函館競馬場の芝コースは洋芝となっており、通常よりも力の要る馬場となっている。
それらが相まって、レース序盤からペース以上に消耗度の高いレイアウトとなっていると言えるだろう。
そしてゴール前、正面直線の短さが二つ目にして最大の特徴だ。
直線距離262.1mと、これは全場で最も短い設計。故に4角における、各馬の好位意識も他場でのレースに比べて高くなる傾向にある。
裏を返せば、直線を向いた際に後方に構えている馬にはチャンスが回ってきづらいコース形態だとも言える。
これらをまとめると、序盤のポジション争いと上り坂を凌ぎ切るスピードとパワー。そして、4角で先頭を射程圏に入れられるポジショニング能力と直線の攻防を競り勝つためのタフさが求められるコースだと言える。
②馬場状態
まずはコースの内外における馬場状態、所謂、馬場傾向を分析していく。
開幕週での開催ということもあり、例年、基本的には内前有利の馬場傾向にある。
JRAが公開している馬場情報の掲載写真からも、芝コースの状態は最良のコンディションだと言える。
また、週中間にも目立った降雨はなく、週末の天気予報も晴れ~曇りとなっている。そのため、前日の開催で極端に馬場が傷む心配もないだろう。
これらを踏まえると…
開幕週らしい、良好な状態の乾いた馬場での開催が予想され、例年通りの馬場傾向になると想定することができる。
次に時計面における馬場状態を分析していく。
ここでは開幕週ということで、前週サンプルが無いため、過去5年の函館開催における『函館スプリントS』の時計を参照する。
前半600mの通過タイムに伴い、多少のブレはあるものの、走破タイムは1:07半ば~1:08前半に落ち着いている。また、平均値は1:07.7となり、このタイムは他場開催の1,200m重賞のタイムと比較しても早い部類にある。
そして、上り3F² においては34.0秒前後に収まっている。このタイムとレースの走破タイムを比較すると、前半と後半の600mを一貫したペースで走破しているということが分かる。
これらを踏まえると…
前半600mと後半600mのタイムに大きな差が出にくい、スピードを維持しやすい馬場状態だと言える。
③過去10年の好走傾向
次に過去10年の(札幌開催を含む)『函館スプリントS』の好走傾向を見ていく。
まずは前述の予想内容を裏付ける部分から。
2016年以降の開催におけるコーナー通過順位に注目すると、4角通過が2桁順位の馬の好走は24頭中2頭のみ。そして、その内、連対馬の8割以上が4角を5番手以内で通過している。
これは①コース形態で触れた直線の短さと②馬場状態で触れた開幕週の馬場による内前有利の馬場傾向による結果だと言える。
次に前半600mの通過タイムと上り3Fに注目。これは②馬場状態の時計面における分析でも触れた内容と重複する部分があるが、例年、前半600mのタイムと後半600mのタイムに極端な差が無い。
これは開幕週という良好な馬場状態によるものだろう。
そして、それに加えて洋芝という特殊な条件により、上りの上限値が抑えられている。稀に33秒台の上りを使って好走する馬もいるが、概ね34秒台に収まっている。
これらをまとめると…
4角を5番手以内で通過できるポジショニング能力と早いペースへの対応力、そして、持続力に長けた脚質の馬に好走傾向があると言えるだろう。
④展開予想
続いて発表された枠順を踏まえ、隊列予想、及び展開予想をしていく。
まずは隊列予想を。今回の出走馬の中で、ハナを主張したいのは ③アサカラキング ⑥シナモンスティック ⑧カルネアサーダ の4頭だと見ている。
当然、枠の並びから ③アサカラキング が主張において有利と見ている。また、テンのスピードでも優れたものがあり、極端に他馬が主張することが無ければ。
と、今回は安直ながらも ③アサカラキング がハナの想定で予想を進めていく。
以下、隊列予想。
~先頭~
好スタートから促して ③アサカラキング がハナを主張。そこへ外から ⑥シナモンスティック ⑧カルネアサーダ が並びかけて行く。
その後ろ差が無く ⑩ウイングレイテスト ⑭セッション が追走。
~先団~
馬群の間、内に ④サトノレーヴ ⑤オタルエバー 並んで。好スタートを決めれば ⑦シュバルツカイザー も先団の一角。外目に ⑪ジャスティンスカイ ⑫ジュビリーヘッド が続いて。
~中団~
差の無い中団から ⑬ビッグシーザー ⑯ゾンニッヒ が追走。 ⑨キミワクイーン は控えて末に懸ける競馬。
控えて内々から ①サウザンサニー が続く。
~後方~
促して ②カイザーメランジェ ⑮マテンロウオリオン の二頭が最後方から。
隊列の想定ができたところで展開予想を進めていく。
レース序盤のラップは内の ③アサカラキング の主張に対し、外の ⑥シナモンスティック ⑧カルネアサーダ がどれだけ抵抗をするか次第。
個人的には ⑥ ⑧ 共に、このレースにおいては番手競馬の方が利があると見ている。そのため、例年1F目は11.7秒でラップが刻まれているが、今年は12秒を僅かに切る程度に若干落ち着くと見ている。
ハナを切る ③ はラップを大きく緩めず刻む競馬を得意としている。そのため、例年に倣って2F目を10秒半ば、3F目を11秒弱で通過すると見ていて、前半600mの通過タイムは33.3秒前後と近年の『函館スプリントS』と比較するとやや遅めの展開を想定。
レース後半は、3角~4角のコーナリングで2番手に控えた ⑥ ⑧ が先頭へ接近。ここでもペースは緩むことなく、4角を抜けて直線へ向かうこととなる。
ラップを切り取れば、例年より余裕がある時計だが、レース全体を通して見ると緩みの無いタイトなペースで流れると予想する。
そのため、このレースの直線の攻防の想定においては持続力は勿論のこと、追走力×上り3Fにも注視して考えていきたい。
推奨馬と買い目
それでは、ここまでの予想を踏まえて4頭の推奨馬を発表したい。
◎④サトノレーヴ
〇③アサカラキング
▲⑪ジャスティンスカイ
△⑧カルネアサーダ
買い目
今回、条件を考えれば ③ の評価が当然高くなる。ただ、上り3Fの持ち時計に一抹の不安が残る。また、ベストも現状は1,400m戦と個人的には評価しているため、印は2番手までにした。
一方の ④ は1,200m戦がベストに映り、2走前『阪急杯』の敗戦も距離と約10か月ぶりの出走を鑑みれば度外視できる。直近の1,200mレース3戦では1分7秒台の決着を先行かつ早い上りで勝利。ここを評価し、本命とした。
ここは ④サトノレーヴ の頭まであると見て。【単勝】を勝負馬券。そして軽視した人気馬の好走、及び ③アサカラキング の楽勝までカバーした【ワイド】を軸馬券としたいと思う。
おわりに
『函館スプリントS』の予想は以上になります。何も考えなければ、開幕週×逃げ馬×内枠の ③アサカラキング 一択となるでしょう。昨年の自分なら、同じように考えたでしょう。
ただ、今の自分には疑える余地がある。それが吉と出るか凶と出るか…。
と、まぁ、例年、スプリンターにとっての試金石的な一戦に位置付けられる以上、不確定要素が多いもの当然でしょう。
ただ、秋のレースでの活躍を想定すると、個人的には ④サトノレーヴ の方が好走をイメージがしやすい。これは自分だけでしょうか。
さて、ついに開幕した夏競馬もといサマーシリーズ。夏場のレースは出走馬の顔ぶれやそれに伴う大幅なハンデ等によって難解になる印象があります。ただ、”ココこそ予想家の真骨頂を発揮する時!”と強気の姿勢で予想に取り組みたいと思います。
最後になりますが、予想が参考になれば スキ と フォロー をよろしくお願いします。
それでは次回、『マーメイドS』の予想でお会いしましょう。
村長の競馬ノートでした!
洋芝¹ … 札幌競馬場・函館競馬場の二場で使用されている芝草の種類。野芝に比べ、パワーの要る馬場になる傾向にある。
上り3F² …ゴールまでの600mのタイムのこと。単に上りと表記することも。また1F=200m
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