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#36 マーメイドS|波乱傾向でも信頼!ハンデ戦らしからぬ”人気×好条件”のアノ馬から!

2023年『マーメイドS』

はじめに

 今週は京都競馬場G3マーメイドS』が開催。芝2,000mで争われる牝馬限定ハンデ重賞です。
 昨年は1番人気に推された「ビッグリボン」が勝利し、三連単の配当は2万7,910円にとどまったものの、過去10年における三連単の平均配当16万9,624円波乱決着の多いレースとなっています。


予想

 今回の予想では、京都・芝2,000m内回りにおける①コース形態と、Dコース替わりを加味した②馬場状態を分析。それらを基に各馬の脚質適性を評価。
 更に、過去10年の③好走データと照合し、④展開予想を踏まえた上で、好走を期待できる馬をピックアップしていきたいと思う。


①コース形態

京都・芝2,000m

(1)京都・芝2,000mスタート地点正面直線の半ば
 スタート地点から初角1角までは約300mの直線距離が確保されており、尚且つ平坦
 要するにスタート直後、及びレース序盤からスピードに乗りやすいコースだと言える。
 また、以降もレース中盤にあたる向こう正面半ばまでは平坦続き

(2)向こう正面後半から3角に向かって坂を駆け上がる
 京都競馬場
の最大の特徴である3角にある小高い丘状の起伏。頂上の3角へ向かい、向こう正面後半から200m弱の距離を駆け上がることとなる。
 また、レースペースが落ち着きやすい向こう正面、ここで隊列が詰まることもしばしば。

(3)レース終盤は下り坂と平坦
 3角から4角にかけて
、今度は下り坂へと転じる。ここがゴールまで約800mの地点であり、各馬のスパートの起点となることが多い。
 レース最終局面であるゴール前直線距離323.4m。これは四大場¹ において中山に次ぐ短さ。また、目立った起伏の無い平坦な設計。
 これらが相まり、ゴール前直線先行馬優位性が高い設計となっている。
 上記内容を踏まえると…

(1)スタート直後のポジション争い好位を確保できるスピード
(2)向こう正面後半上り坂息を入れられる追走力
(3)先行馬においては、残り800m地点からのロングスパートを乗り切る持続力差し・追い込み馬においては、コーナーワークでポジションを上げられる自在性

 これらが京都・芝2,000mにおいて求められる資質だと言える。


②馬場状態

(1)芝コンディション
 4回京都5日
の開催から使用コースがDコースへと変更となる。内柵の位置がCコース使用時よりも直線部曲線部ともに3m外側に設置される。
 JRAが公開している馬場情報(京都競馬場)の掲載写真からも、特に3角においては内ラチ² 沿い傷みが解消されているのが見て取れる。
 
 一方、昨週開催のレース映像を参照すると、4角、及び直線進路選択において、馬場の外目を選んだ馬の好走が顕著だった。
 これは所謂、外差し馬場という馬場傾向にあると言えるだろう。

(2)時計コンディション
 
6月8日(土)開催の『一乗寺特別』と6月1日(土)開催の『鳴尾記念』のレース結果を参照し、分析していく。
 
・『一乗寺特別』~3歳以上1勝クラス牡牝混合定量戦~
 前半1,000mの通過タイム60.8秒と平均的。ただ、ラップ構成を見ると3F³ 目~9F目までは加速ラップ
 京都内回りらしく残り800mからグッとペースが上がりロングスパート×持続力による前々での決着となった。
 レースタイム1:59.5前半1,000mの通過タイム3歳以上1勝クラスを加味するとまずまず。上り3F ⁴ においては勝ち馬34.4秒上り3位タイ3着馬34.1秒上り最速を使った。

鳴尾記念』~G3/3歳以上オープンクラス/牡牝混合/別定戦~
 前半1,000mの通過タイム58.7秒と緩みなく流れた展開。3角上り坂で一度ペースが落ちたものの、こちらも京都内回りらしく残り800mからペースアップし、ロングスパートに。
 ただ、ラップに注目すると、ラスト1Fまで加速ラップを踏んでおり、直線では持続力を発揮した先行勢を、瞬発力×スピードを発揮した馬が差し捉える格好となった。
 レースタイム1:57.2前半1,000mの通過タイムに引っ張られる形で早いタイムでの決着。上り3Fにおいては勝ち馬33.9秒上り3位タイ、2着馬が33.7秒上り最速を使った。

 以上のレース結果において、共通するのは…
 ◉比較的速いレースタイムで走破している
 ◉それに伴うように、上り3Fにおいても33秒台等、比較的速いタイムがマークされている

 上記内容を踏まえると…

(1)Dコース替わり内目の馬場状態良化は見込めるものの、昨週の開催では外差し傾向が顕著。定石では先行有利京都内回りながらも、馬場良化に頼った惰性での前残りは安易に期待し難く、直線で”もう一脚”決め手が求められる。
(2)比較的速いレースタイム
が出やすく、それに伴うように上り3Fにおいても速い時計がマークされている。

 これらような馬場状態だと分析できる。


③好走データ

 今年は京都開催のため、阪神開催過去10年の好走データが直結するとは考えないが、信頼の人気馬波乱の穴馬における傾向をザックリと探っていく。

(1)前半1,000mの通過タイムレースタイム
 
過去10年の前半1,000mの通過タイムは、昨年こそ57.3秒と忙しい時計だったものの、概ね60秒前後平均的なペースが刻まれている。
 レースタイムに関しても直近2年においては1:58台と例年からは速い決着が続いたが、芝コンディション良化に伴うものとも取れ、こちらも平均的な数字と言える。
 ただ、今年は京都開催スタート地点ゴール前上り坂がなく、平坦。そのため各タイムが若干速くなることは予想される。

(2)上り3Fとコーナー通過順
 
過去10年の開催において、上り最速馬が馬券に絡まなかった年は2017年と2022年の2年のみ。それでいて、そのいずれも4角通過が7番手以降だった。
 ただ、京都開催により直線距離40m弱短くなることに加え、ゴール前が平坦なことを鑑みれば、コレは鵜呑みにし難い傾向かもしれない。

(3)単勝人気と斤量
 
まずは、前述の上り最速馬の斤量について触れたい。馬券に絡んだ上り最速馬8頭のうち単勝上位3頭だった馬は3頭。残る5頭5番人気以降かつ斤量が51㎏または53㎏だった。
 ただ、これまた前述のように、開催場の変更に伴う傾向のブレにより、直結しずらい傾向と言えそうだ。

 そこで注目したいのは1~2番手でレースを運んで馬券に絡んだ、所謂、逃げ馬斤量。レースを通してハナ⁵ 、或いは2番手で運び、馬券に絡んだ馬は3頭のみ。そして、そのいずれも斤量50㎏だった。
 京都内回りコース傾向とも合致する好走傾向として、押さえておきたい要素だ。

 上記内容を踏まえると…

(1)平均的なペースでのレース
(2)
やや後方ポジションでも、上り最速馬が好成績
(3)軽斤量×上り最速
、或いは軽斤量×逃げ馬

 これらが『マーメイドS』の好走傾向と分析できる。


④展開予想

(1)隊列予想
 
まずは発表された枠順を踏まえてハナを行く馬を予想していく。
 近走のレース内容を見て、“ハナでこそ”という馬は ①ベリーヴィーナス ⑬アリスヴェリテ の二頭だろう。
 ただ、両馬が対決をした2走前の『四国新聞杯』の結果を見ると、 ⑬アリスヴェリテ は番手では分が悪いように映る。上りの物足りなさや、50㎏好ハンデを加味すると、ここは多少強引になってもハナを狙う見る。

~先頭~
 
前述の通り、ハナ⑬アリスヴェリテ と予想。好スタートからスムーズに行き切れれば、単騎逃げも視野に入る。
 2番手は好枠確保①ベリーヴィーナス 。前述のように ① 単騎逃げとなれば、殆どハナでの競馬と遜色ない格好で運べるだろう。
 差の無いところ、乗り代わりの ⑤ラヴェル がインの3番手を狙ってくると見る。

~先団~
  各馬の出を伺いながら⑥ホールネス ⑨コスタボニータ が先団好位を追走。これらに続く形で内目に ①ミッキーゴージャス 、並んで外 ⑪インザオベーション 

~中団~
 
馬群の中に ⑦マリネロ 、外目から折り合いを付けながら ⑮エーデルブルーメ が追走。差が無く ⑩ゴールドエクリプス 、促しながら ⑭エリカヴィータ まで差の無い中団。

~後方~
 
五分のスタートから内目に ②ジューンオレンジ ③ピンハイ 、外から ⑫タガノパッション が中団後方を追走。
 折り合いを付けながら ⑧セントカメリア ⑯ファユエン が最後方から。
 
(2)展開予想
~前半~
 ハナ
を見込んだ ⑬アリスヴェリテ だが、その好ハンデ上りの乏しさを踏まえると、やはり後続を4~5馬身は離して単騎逃げに持ち込みたい所だ。
 2番手想定の ①ベリーヴィーナス も一団の瞬発力勝負を凌げる脚は見込めないため、前半から馬群のバラけた縦長の隊列が見込まれる。
 となれば、前半1,000mの通過は58秒半ば~59秒前半テン ⁶ の速いレース展開を予想したい。
 
~後半~
 先頭向こう正面でリードを広げ、3角坂の上り息を入れたい ⁷ 。各馬これを見計らい、徐々に隊列が詰まり始める
 残り800m地点付近坂の下りを起点として、先頭を含め隊列のペースが上がる
 2番手で運ぶ 4角⑬ に並びかけておきたいところ。後続各馬はこれを目標にポジションを調整。
 ただ、4角手前で既に、先団一団と予想。そのため、差し・追い込み勢ロスの大きい進路取りを余儀なくされると想定する。

~直線~
 隊列が縦長でレースが運べば、上りも現状の馬場なりに34秒台前半で十分見込めると踏んでいる。
 ただ、追走にも脚を使うタイトなラップ構成が予想され、先行・差し馬ともに道中の消耗度の高いレースになると見る。


結論

本命馬

 まずは上記の予想を踏まえて、好走を信頼できる本命馬を発表していく。
 今回の本命馬は…

 ◎⑮エーデルブルーメ

短評

 本命馬⑮エーデルブルーメ とした。
 前走の『ダイワスカーレットC』を転厩初戦ながら勝利。初コースの阪神競馬場もクリアし、後続に1馬身半差をつけて完勝の内容。
 3勝クラスで若干足踏みしたものの、馬券外は道悪での4着と5着の2戦。パワーの要る馬場状態が不得手と見るならば、良馬場開催×平坦コース京都開催好条件
 スタート後のポジショニングは課題ではあるが、外枠を引いたため、修正の効きやすさも見込める。更に、54㎏と前走比‐1㎏の好ハンデでの出走。
 また、前走の展開ラップ構成が今回のレース予想と類似している点も評価。
 他の有力馬と比較しても、条件が最も揃った一頭と見て評価した。

対抗以下

 上記の本命馬に続く対抗以下推奨馬を発表する。

 ▲⑫タガノパッション
 ▲⑧セントカメリア
 △①ベリーヴィーナス
 △⑨コスタボニータ
 ☆⑩ゴールドエクリプス

買い目構想

 今回の本命馬マークイメージはあくまで連対まで。目立った不安要素もなく条件の一戦も、抜けた評価はし難いのが実。
 また、対抗不在マーク然り、本命馬以外は実績条件に不安が残り、横一線の印象。

 そのため今回の軸馬券【複勝】とする。6/15(土)時点オッズは 1.7~2.0 とついているため、全体資金の7割を投資する格好で手堅く120%回収率を狙う。
 対する勝負馬券【ワイド】とし、本命馬⑮から▲評価馬☆評価馬の3頭に流して3点で勝負。全体資金の3割を投資し、軸・勝負馬券合わせて120%~最大350%まで回収率を見込める買い目とした。

おわりに

 『マーメイドS』の予想は以上となります。
 シーズン柄、下級条件からの臨戦馬が多く、単純な力関係の比較が難しい上に、バラつきのあるハンデ夏競馬序盤から難解なレースになりました。
 今回は内枠に収まった ④ミッキーゴージャス に、好ハンデ⑬アリスヴェリテ 、買い目においては ⑨コスタボニータ人気馬やや軽視した予想となっています。
 個人的に夏競馬の荒波を読む鍵は、”巡ってきた好機チャンス”これに尽きると思っています。今回もマークした各馬がいかにして好機チャンスを物にするか、そこに注目したいと思います。

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 それでは次回、上半期グランプリ宝塚記念』の予想記事でお会いしましょう!
 以上、村長の競馬のノートでした!皆さん良い競馬を!


¹ …東京競馬場中山競馬場京都競馬場阪神競馬場の4つの競馬場のこと。
² …コースに設置された柵のこと。
³ …1F=200m
⁴ …ゴールまでの残り600mのこと。単に上がりと表記することも。
⁵ …隊列の先頭のこと。
⁶ …最初、真っ先などの意味で使われる。ここでは”隊列の最初”の意。
⁷ …ペースを落とし、体力を温存すること。


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