見出し画像

3つの論理パターン(完結編)


さてさて、前回は「3つの論理パターン」ということで、基本的に評論文などで使われる筆者の論理の展開パターンを紹介しました。

本日はその続きです。

復習しておきますと、そもそも現代文というのは我々一般人に向けて書かれた「論文」の一種であるため、

各々の解釈で結論が変わる、主張が変わるなどと言うことは絶対になく、本文の中ではたった一つの筆者の主張が形を変えて繰り返されるだけなんだという話をしました。

だから全ての答え、根拠は問題文の中にある、と。

これが現代文を解く上での揺らぐことのない大前提ですね。

だからこそ客観的に見て明らかな筆者の立てた筋道を追うことで筆者の主張及びその論理を理解することができると。

そのために知っておくべきなのが、「3つの論理展開パターン」です。

1つ目が「イコール」でしたね。

これは、筆者の主張を、具体例、体験、引用、比喩などと形を変えて繰り返し主張するものでした。

x=x'の関係でしたね。

そしてここからが今日の内容。

2つ目の論理展開パターンは、

対立

です。

これも有名なパターンですね。

筆者と正反対の意見を持ってきてより議論を深堀りする方法です。

このやり方にも3つ、具体的なテクニックがあります。

それが、
・対比
・譲歩と逆接
・弁証法

です。

説明していきます。

まず、対比

これは日本人について論じたいなら、欧米人の例を持ち出して日本人と比較させてみたり。

近代以前のことを論じたいなら、近代後と比べてみたり。

これは反対意見を叩く、というよりは真逆の例を持ち出して、「欧米はこうなのだから日本もこうすべきだ」みたいな論理の持っていき方が多いですかね。

何にせよ、対比の構造は無茶苦茶よく出てきます。

そして、譲歩と逆接

これも多いですね。

一旦反対意見を持ち出して、それを叩くことで自分の主張の正当性を強化するというちょっぴり性格の悪いやり方ですね笑

それも、一旦「譲歩」するんです。

「確かに、そういう考え方も一理ある。」
「なるほど、こういう考え方もできるだろう。」

と。

そこで、自分の懐の深さを示した上で、

「でもね」「しかしだ」と叩きのめすんです。

ものすごく言い方悪いっすね。

このパターンはほんとに頻出で、現代文では「逆接の接続詞に注目しろ」とよく言われるのですが、それはこの構造を見抜くためだったりします。

譲歩した後に、「でも」「しかし」と、反論する訳ですから、逆接の接続詞の後には筆者の主張が必ず来ます。

ちなみにこの論理の展開の仕方は小論文では王道とされているので、小論文で受験する方はぜひこの性格の悪い論理展開を覚えておいてください笑

そして3つ目。

弁証法ってやつです。
聞いたことありますかね?

知らない人はぜひこれを機会に知っておきましょう。

Aという事象と、対立するBという事象が会ったとします。

譲歩と逆接、のやり方ならBを叩くことでAの正当性を強化していたのですが、弁証法では違います。

AとBの「いいとこ取り」をして、より高いレベルで「統合する」ということをします。

例えば、「絵」と「物語」という対立する2つの命題があったとします。

絵と物語ってそれだけだと対立してますよね。決して交わることのないものです。

ですが、ここで「絵の方が素晴らしい!」「物語の方が優れている!」という議論をするのではなく、

このふたつを組み合わせて統合するんです。

すると、
漫画

という互いのいいとこ取りをしたものが誕生しますよね。

こんな感じで、

2つの事象、意見などを統合して新しい主張や意見を作り上げるという論理展開なんですよね。

なんかすごい高度な感じしますよね笑

とはいえめったに登場することはないので、頭の片隅に入れておくといいかなと。

そして、最後の論理展開パターンが、

因果関係と理由付け

ってやつです。

これはシンプルですね。自分の主張が正しい理由を説明するやり方です。

ちょっと考えて欲しいのですが、

「なぜなら」という接続詞と、「だから」という接続詞の違いって分かりますか?

どちらも「理由」を説明する接続詞なんじゃないか、と思うかもしれませんが、実は違います。

この2つの違いは、

結果が先か、理由が先か

というものです。

例えば。

コンクールで入賞した。なぜなら、一生懸命絵を描いたからだ。

一生懸命絵を描いた。だから、コンクールで入賞した。

なぜならを使う場合は、「結果」が先に来ます。「理由」が後に来ます。

だからを使う場合は、「理由」が先に来ます。「結果」が後に来ます。

前者のパターンが、「理由付け」です。

先に結果を示して、その理由を後から書く。

後者のパターンが、「因果」です。

原因を先に書いて、その結果をあとから書く。

「理由を説明せよ」みたいな問題はたくさん出てきますが、その時にはこれらの接続詞に注目して、「理由」の部分を探せば簡単に見つかります。

「なぜなら」が見つかれば、その後ろを見ればいい。
「だから」が見つかれば、その前を見ればいい。

他にも「なぜなら」パターンの接続詞は、「というのも」とかもありますね。

「だから」パターンの接続詞は、「したがって」「ゆえに」「そこで」などですかね。

以上、長くなりましたが現代文における「3つの論理パターン」のお話でした。

地味にすっごい大事な話をしましたので、ぜひこの機会にノートかルーズリーフか何かにこのパターンをまとめて、現代文の問題を解く際に、

「どの論理展開パターンを使っているのかな?」ということを意識してみてください。

現代文であれば、復習で必ずこの論理展開のパターンの分析を行ってください。

ニューロン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?