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朗読劇「少年探偵団‐化人幻戯‐」9月8日夜公演分レポ

全9公演に渡って上演される朗読劇「少年探偵団-化人幻戯-」の9公演目、千秋楽となる日曜公演夜の部に行ってきました

内容が内容なのに3回目ともなると
(この人はこのシーンでこの演技か~~~~~~~~~!)
と顔がニヤけて仕方がなかったです、ヤバい人に見えたかもしれん

あと今回前方端の席だったんだけど角度的に演者さんが被って見えなかったシーンあったので気づけてない部分あるかも

既に2公演のレポで大まかな内容については触れてるので主に別日公演との違いが中心です
同じこと言いつつ2回目のレポの字数が初回公演の4分の3くらいになったんだよね……
書き終えての追記:2回目のレポの字数越えてんじゃねえか

全公演終わってて不要な気もしつつ以下ネタバレあり



















庄司武彦/小林芳雄(演:村瀬歩さん)

・前回木曜公演の記事で記述済み
・前回も思ったけど片手で台本捲ってました??何その技術??

大河原義明/怪人二十面相(演:永塚拓馬さん)

・ここまで青銅の魔人→二十面相→元公爵→乱歩ではっきり演じ分けしてきたのは永塚さんが初だったかもしれない
・「青銅の魔人→二十面相」とか「乱歩→二十面相」の変化するシーンはセリフ喋ってる途中で声色変わってた、すごい技術
・そのため序盤の「私の変装を見破るとはさすがだよ」や終盤の「バレてしまったのなら仕方ない」というセリフにも説得力が増す
・青銅の魔人は(例えるなら伊之助みたいな)ガラガラ声、乱歩は低め、二十面相は高めと音域変化が自由自在だった
・なので二十面相の年齢不詳感変幻自在さが際立っていた
・大河原義明の顔のまま若い声で喋ってるから絵面不気味だっただろうな

大河原由美子(演:涼本あきほさん)

・基本声は高めなので年齢(原作では27歳)相応か、それより若めの印象
・だが、蟷螂潰してもらったの背中のシーンとか仮病の後の寝室のシーンとかで低めの声で妖艶の面も要所要所出してくる、魔性の女感がすごいんよ
・罠なんじゃないか?と思っているけど引きずりこまれずにはいられない、そんな種類の魔性の感じ
音の高低で緩急つけてくるのは涼本さんもそうだったかもしれない
・明智に対して喋る時はひときわ高めの声になる
・明智が大河原邸に来た時でも旦那の前で讃岐(画家)について聞かれた時は普通だが帰りに引き止める時の声が甘めの声
・防空壕での会話も明智に対してはひときわ口調が甘め
・終盤の拷問シーンや明智・乱歩との問答シーンでは相手の語尾が終わるかどうかギリギリに食い気味に被せて喋ってくるから怖い、前のめり具合がまさしく捕食者らしい
・これ、これまでの公演の他の人でもそうだったなら全然気づいて無くて申し訳ないんだけど日記のシーンでは他の人が読んでいるシーンでも口パクしてた、そのままシームレスに自分の番も読んでてなんかずっと喋ってるみたいに見えてすごかった
・タバコを吸うシーン、(自分が吸わないから知らんけど)嗜む・味わうというよりも明智の推理を聞くに当たって一服するためって感じの浅い息の吐き出し方してたのがこれまで見たお二人と違ったかもしれない
動機を語るシーンは演者さんによって
①異常なことだと思っていないようにあっけらかんとしている
②自分の功績を語るかのような口調
だったりしたんだけど涼本さんは秘密の趣味を打ち明けるかのような口調だった、愛(について)の告白って感じ
・そういやネコたんでも令嬢の悪役だったな、涼本さんの悪役にはエレガントが付き物なのだろうか

明智小五郎(演:増元拓也さん)

・ネコたんで様々なイロモノ演技をしていて非常にハマっていたので楽しみにしていたけど真っ当にかっこいい明智役もハマっていてすごく良かった
・一番見た中だと低めの声質の方だったので50歳越えってところと頼もしさの説得力があった
・それでいて小林少年(初代)に再会した時のセリフがとても言いづらそうな口調と表情していて時間の空白(と別れ方)が生んだ気まずさの表現が上手かった、どことなく最盛期を過ぎた人間の”枯れ”のような物を感じてちょっと色っぽかっ
・ところで初代が明智の元を離れたかった理由ってなんだったんだろう
・序盤で演じてた姫田が白い羽の相談のシーンを初めとして全身の細部からオドオドした空気を出していたのだが、明智の演技の際はそのオドオドを消して堂々とした佇まいをしているだけでキャラの差別化がされていてすごかった、こういう細部の違いが演じ分けに繋がるんだろうなぁって思った
・最後の台詞の「なあ……小林くん教えてくれ」の感情の行き場を見失ってしまった人間がようやく絞り出すような言い方がすごくてゾワッと鳥肌立った
・そして相変わらず讃岐とか大河原の客の政治家とか記憶に残りやすいモブ役演技が上手い

少年探偵団(演:涼本あきほさん)

・あまり聞くことの無い少年声が聞けたのが嬉しいポイント
・やっぱり少年の時って発声方法違うんだな~って思った、そういう用語の知識無くて言語化しにくいんだけど叫んだ時の母音が普段と違う感じあった
・マユミの時の蔑む目線がやたら堂に入ってませんか
・マユミの足踏んだ時のミリも悪びれて無さそう加減すき
みんな大好きポケット小僧あんまり普段聞いたことない声質だった、なんて例えればいいんだろうあれ……
・あと長尺なだけに聞き取りやすいスピードにしているのかな~って気遣いを(勝手に)感じた

余談というか雑記というか

・由美子の一番の目的は明智だったんだろうか
・演者さん3人を見ていても明智に対する喋り方がどれも憧れの人に対面する少女のような態度だった
・大河原に嫁いだのも明智に近づくのが目的だったと発言してるし
・小林芳雄殺し未遂も自分から”招待状”を送ったらしいし全部明智に対する導線に思えた
・第四の殺人のみ例外的に男性への愛が由来じゃないのだがこれって明智の妻という立場への嫉妬が少なからずあったりするのかな~とか思ったりした
・だからなんやかんやと言いつつ殺人の動機が平たく言うと「対象を永遠に自分の物にすること」とか「憧れの対象を打ち負かすこと」という点からして愛は愛でも他者愛ではなく自己愛なんでは?という気もする

・芳雄が「あなたになら殺されてもいい」と発言していたけど今までの犠牲者もこうだったんだろうか
・犯罪に加担させられた上に自宅に招きあげて射殺される村越にしても、(我々の視点からしたら嫌な予感しかしない)自殺の名所にまで連れて行かされる姫田にしても事前に殺されることがわかっていても良さそうな物だが、それこそ蟷螂の雄のように自らの死を委ねても良いと思わせるほどの魔力があったんだろうか

・だとしたらそれが効かなさそうな相手(明智)にこそ惹かれたというのも(特にこれまでの犠牲者男性陣にとっては)なかなか皮肉な話
・何でも盗めるのに結婚した奥さんが明智目当てのとんでもない怪物だった二十面相(シンプルにかわいそう)といい人間手に入らない物ほど欲しくなるのだろうか

・あと序盤の虫を慈しむようなセリフ、あれ虫の価値を高く見ているんじゃなくて「人間も虫も価値は変わらない」っていう人間の価値を低く見ているセリフなんでは……って二回目くらいで思った

今までも見ても2回くらいが精々だったんですけど3回見た朗読劇は初でした

その分ストーリーを追うだけに留まらない演者さん毎の表現技法や伏線を掘り下げることが出来ていい経験になりました
意外と自分が物語それ自体演技を見ることが好きなんだなと気づけたところも

また、同主催さんだと続投する出演者さんが多かったり、別運営さんでも朗読劇といえばこの人!ってイメージがあるのか別の劇で見かけた人の全く違う演技を見られることが出来たり朗読劇という沼に落ちつつあるような実感があります、たすけて

今回は主に女性声優さんが目当てだったのですが、意外と子供の頃から声を聞いていた声優さん(今回だと高橋さん)とか俳優さん(今回だと渡部さん)が出演することが多いと知ったので推してる方と共演した時のラッキーが狙えるところが朗読劇の美味しいところだなと思いました

兼役の多さと悪役演技で「他のこの人でも見てみてェ~~~」となれる、そんな朗読劇でした


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