源氏物語や百人一首が描かれているらしい絵を見てもどういう場面なのかはなかなかわかりません。 何となく雅で素敵という以上の情報を絵から得られないのです。 何となく、ずっと、歯痒いことではありました。 西洋絵画には女性が弓矢と月と一緒に描かれていたら女神ディアナだとか白百合と一緒に描かれていたら聖母マリア様だとかいう約束事に関する『図像学』という学問があるそうです。 それなら源氏物語も、そういう約束事を収集して、絵を一目見たらどの場面かすぐにわかるようにできたらどんなに楽
💎朱雀帝の御代の女性たち🌷弘徽殿女御は 母后、皇太后に。 弘徽殿女御は、 我が皇子である朱雀帝への御代替わりと共に皇太后となられた。 里邸の右大臣邸か、母后として参内の時には梅壺を宿所とされている。 🌷弘徽殿女御の復讐 院がお隠れになって、皇太后の源氏への復讐心に歯止めがなくなった。 院が儚くなられてからは、我が世の春を謳歌し続けてきた源氏のかつて経験したことのない世間となった。 何かにつけて意に添わぬことが増えて、源氏はめっきり人交わりをしなくなった。 左大臣も
🌷桐壺院の御不予と崩御 源氏23歳の秋、9月16日の 六条御息所と斎宮の伊勢下向の後、10月に入ると、 桐壺院の御病状が悪化せられる。 🌷朱雀帝の御見舞 行幸せられた朱雀帝に、院は、 まずは、藤壺宮の春宮のことを、くれぐれもと仰せになり、 次いで、源氏のことを、並外れて優れた人なのだから、変わらず重用し朝廷の後見をさせよなどと、しみじみ御遺言なさった。 帝は悲しくてたまらず、大御心に決して背かぬことを何度も御約束遊ばされる。 院はとてもお美しい帝を頼もしく御覧になり、
🌷葱華輦(そうかれん) 夕方になって、参内なさるの。 御息所は、葱華輦(そうかれん)という斎宮の輿に陪席しているんだけど、 葱華輦は、帝、皇后、春宮の行幸啓の時にお乗りになる輿で、屋根に金色の葱の花の飾りが付いているの。 輿だから、車ではなく人が担ぐの。 神にお仕えする斎宮は、それ程の御身分だということなんでしょうね。 陪席は、偉い人に同席することね。 御息所は春宮の御子を産んだ人だけど、 その御子のなられた斎宮は神にお仕えする宮だから、斎宮の方が偉いことになるのか
🌷群行出発の日、源氏から斎宮にも文。 みやこすずめが話してくれます。 九月十六日、御出発の当日。 選り抜きの上達部を華やかに供奉させてあるのは、桐壺院のお心遣いだったらしいわ。 野宮からお出ましで、あれこれお忙しい時に、源氏からまた、尽きせぬ思いの丈を綴った手紙が届くの。 御息所にだけでなく、斎宮にも、神前に奉る幣帛の木綿に事寄せて、 💌「畏れ多くも申し上げますが…」 『八洲もる国つ御神も 心あらば 飽かぬ別れの仲を ことわれ』 …鳴神さえも思い合う仲を裂くこと
🌷 六条御息所の別れの決意に関する動画 youtube動画です。 🌷動画の内容 元々夜離れのところに、 葵上を取り殺した人として決定的に源氏の足が遠のいてしまっていた六条御息所なのですが、 斎宮に卜定された姫君に随行して伊勢に下向すると聞いて、源氏の浮気心が疼き始めます。 もはや愛も冷め果てていそうなのに、去られるとなると惜しくなって、甘い言葉を惜しみなく注ぎ始める… ジャズのスタンダードナンバー『It's a Sin to Tell a Lie 嘘は罪』なんかを、
🌷 動画 はじめに。 この部分の副音声的動画です。 噂好きの都のすずめが、ずんだ餅の妖精ずんだもんに、源氏物語について勝手なことを話しています。 🌷 六条御息所は伊勢下向を決める 正夫人の葵上が亡くなったので、 世間も屋敷の者も、次の正夫人は、身分にも教養にも容貌にも不足のない六条御息所であろうとかまびすしい。 しかし、葵上に取り憑いているおぞましい姿をありありと見てしまった源氏は、 六条御息所が厭わしくなって、すっかり疎遠になってしまっている。 御息所は、若
動画です ↓ 続きです。 前回と同じく、🍈はずんだもん、🔷は源氏、🔹は紀伊守、🌼は空蝉、🍒は小君、 です。 🌷 紀伊守邸での源氏の焦り 源氏は、空蝉の所に忍んで行こうと、ずっと地に足も付かないようでいて、供人に酒を飲ませて早く寝させて、 小君に文を託すの。 空蝉が隠れてしまったので、小君は屋敷中探し歩いてやっと見つけると、 🍒ひどいじゃないか。殿様にどんなに役立たずな子と思われるか。 と泣きそうになっているの。 🌷 姉を売る小君? 🍈小君は、親を亡くしてこの
動画です ↓ 都のすずめと🍈ずんだもん の話は続きます。 🔷は源氏、🔹は紀伊守、🌼は空蝉、🍒は小君、 です。 🌷 源氏の恋心と降るような文 源氏はそれからも年中手紙を書くの。 🌷 空蝉の恋心と逡巡 でも、空蝉は、 🌼あの子はまだほんの子供なのだし、うっかり文を落としでもすれば 私の汚名が広がってしまう。 あの素晴らしい方の求愛なんて、私などには分不相応なのだわ。 薄闇の中でほの見えた御様子はほんとに素晴らしい方だったけど、 でも、私なんかが今更、どうしようもな
(1)の続きです。 🔷は源氏、🔹は紀伊守、🌼は空蝉、🍒は小君、 です。 🌷空蝉の嘆き 唯一の肉親として心配も信頼もしていた弟に、あんな関係を知られてしまっていることも、男の手先のようになっていることも、ショックで、空蝉は涙が溢れて来てしまって、手紙で顔を隠すの。 長い手紙で、最後に、 🔷『夢みたいだったあの夜以来、眠れない日が続いて、夢さえ見ることができない』 なんて書いてあるの。 🍈源氏は本気なのか? それとも、口から出まかせ、適当に言えるタイプなのか? 多
🌷一夜の慰みの背景 都の雀が、🍈ずんだもん に話してくれます。 他に、🔷は源氏、🔹は紀伊守、🌼は空蝉、🍒は小君、 です。 17歳の源氏は、一夜の慰みのつもりで襲った人妻に、思いがけず恋してしまったの。 それで、弟を手なずけて、今後の文遣いに使おうと工作するの。 この時代、受領階級は、人事権を持つ上級貴族に対して、妻を差し出す 📌夜伽 の接待さえする、とか、 妻の身分を持たない愛人 📌召人 が屋敷の中に公然と存在している、とか、 成人男性が使用人の男の子にも気軽に手
セリフを喋ってくれるキャラたちの動画 空蝉のこと① の続きです。 動画の内容は以下のようなものです。 弟の小君の声で北隣の部屋に女がいると知る。 紀伊守が錠を外していたのかどうか、襖は抵抗なく開き、源氏は空蝉の寝室に易々と侵入する。 女を軽々と抱き上げて、自室に拉致する。 抗議されると、中流の女の自己主張が新鮮で、更に心惹かれていく。 気の毒には思いながらも無理強いせずにはいられない。 蹂躙に泣く女が可愛くてたまらなくなり、 慰めようと、更に夜通し愛撫を重ねる。 鶏が鳴く。
セリフを喋ってくれるキャラたちの動画を作ってみました。 空蝉周辺には内心の葛藤の場面が多く、地味な印象を持っていたのですが、 絵にしてみると、 空蝉の場面もひどく刺激的で、 17歳の孤独な源氏が可哀想なような気もしてきたりして、 読み逃していたことの多さに改めて気付いたりもします。 『空蝉の巻』以前に、『帚木の巻』で、 雨夜の品定めの宿直から帰って中流の女に興味津々の源氏の、 空蝉との関係が始まります。 動画の内容は以下のようなものです。 17歳、近衛中将の源氏が、方違
『大和魂』の動画を1分ほどずつに分割しました。 📌 0 元動画 総論:大和魂の意味の変遷 ・平安時代中期~ ・元寇後~ ・幕末~ ・明治~ 📌 1 藤原時平の大和魂。(大鏡) 📌 2 赤染衛門の大和心。(後拾遺集) 📌 3 光源氏の大和魂。(源氏物語) 📌 4 隆家の大和心。刀伊の入寇。(大鏡) 📌 5 本居宣長の大和心。(六十一歳の自画自賛図) 眞斗通つぐ美
📌 YouTube動画の内容 平安時代 から使われているという 大和魂 という言葉の意味の変遷をまとめてみました。 文学史上に現れる大和魂という言葉は、思っていた意味と違っていて、驚きました。 🌸藤原時平の大和魂 🌸赤染衛門の大和心 🌸光源氏の大和魂 🌸藤原隆家の大和心 🌸本居宣長の大和心 の原文と出典を挙げました。 📌 余談ですが、熊楠さん、そして昭和天皇と。 you tube の表紙には宣長さんに登場していただいているのですが、 サムネだけ、中にチラリと出て
🌸🌸🌸 漢!隆家 やまとごころ 🌸🌸🌸 🐥戻るけれど、やまとごころのお話してもいい? 📖『筑紫には かねて用意もなく 大弐殿(隆家様) 弓矢の本末も知り給はねば いかがと思しけれど 大和心かしこくおはする人にて 筑後、備前、肥後、九国の人をおこし給ふをばさることにて 府の内に仕うまつる人をさしおしこりて 戦はせ給ひければ かやつが方のものども いと多く死にけるは』 🐥筑紫には侵略への備えもなく、隆家様は弓矢の上下もおわかりにならないほどに実戦の御経験もないので心配したけれ