スカウトマンの鉄則

結局6時間
さきと性行為をしていた。
しばらく放心状態が続き解放されるな否や
体が重い…
喉が乾き手のひらはカサカサ
身体中が水分を求めている様だった。

さき:「切れた?」

そうか…これが切れ目の反動
でも噂ほどでは無い。
幻覚や幻聴なども出なかった。

さき:「気持ち良すぎて猿になるやろ?」

何も言えない…
只只ほんとに興奮もしたし快楽ということを味わった。
SEXドラッグ
ほんとにその通りだと実感した。

さき:「物と薬は使い様。でも女の子は違う」
さき:「女の子は物じゃない。スカウトするなら最後まで
責任を持って対応して上げて。
出来ないならスカウトマン辞め」

私:「分かった」

この時は全く分からなかったけど
そう返事するしか無かった。
私はシャワーを浴びさせてもらい帰宅した。
家に帰っても食欲も眠気も来ない。
覚醒剤がまだ切れた訳でも無く
薄らと持続してるんだろうと思った。

また運が良いのか
この日は月曜日で私の休みの日だった。
何も無い部屋の隅を只只見て何しようかと
考えていた。
覚醒剤も中々悪く無い。
いやいや。ハマれば地獄だ。
でも最高に良かった。
そんなジレンマと戦っていた事を覚えてる。

そんな事を考えてる矢先に
携帯がなった。
たけさんだった。

私:「はい」
たけ:「しん。名刺が出来たって連絡が来た。来れるか?」

まだ覚醒剤が抜けてない。
こういう人達は気づくだろう。
無理だ!

私:「すいません!今朝から腹の調子が悪くて
トイレから出れないんです!」

っと凄く元気な声で言ってしまった…

たけ:「大丈夫か?分かった。また夜にでも連絡くれ」
私:「すいません。分かりました。」

ヤバい…抜けたかなんて分からない。
とにかく夜まで待とう。

夜になっても何も変化が無い…
瞳孔は戻ってる様な気はした。
他に変わってる所は…分からない…
とにかく電話を

私:「すいません。遅くなりました」
たけ:「腹大丈夫か?名刺取りに来れるか?」
私:「大丈夫です。今から用意して行きます」
たけ:「よろしく」

大丈夫
変なところは無い。
私はスカウト会社に向かった。
ノックをしてドアを空けた。

私:「失礼します」
たけ:「おう。大丈夫か?」
私:「何とか」

私は目を見て話し出来なかった。

たけ:「これ。名刺」

かっこいい!
初めて自分の名刺を持った。

たけ:「明日から行けるか?」
私:「はい。大丈夫です」
たけ:「明日は俺と一緒に行動な。テクを教えたる」
私:「はい。お願いします」
たけ:「みんな。しんをよろしく」
社員:「よろしく」

この日は名刺を受け取り家に戻った。
そして、私は覚せい剤の余韻に
まだ浸っていた。
さきとの事を思い出しうずうずしていた。
そしてやっと眠気が来て寝れることが出来た。
目が覚めたのは昼過ぎだった。
腹が減って目が覚めた。
そういえば、昨日から何も食べて無かった。
嫌。食欲が全く湧かなかった。
ダイエット薬とも言われる覚せい剤のせいだ。

今日は他の仕事は休んで
スカウトの仕事に集中しろとの事だった。
私はシャワーを浴びいつもの通勤のスウェットに
着替え飯を食って出勤した。

私:「おはようございます」
たけ:「おはよう。早速行くか」
私:「はい。お願いします」

前を歩くたけさんに私は着いて行った。
たけさんはキョロキョロ物色する様に
通り過ぎる女の子を見定めながら歩いた。
私の横をすれ違った2人に
振り返りながら声をかけた。

たけ「えっ!めっちゃ久しぶり」 

なんだ知り合いかっと思った。
でも2人はキョトンとしている。

たけ「ごめん!人違いやわ」

それからたけさんは、弾丸トーク
ただその場で仕事を紹介などはせず
笑いを取り最後に名刺を渡し

たけ「連絡くれたら力になるよ」

そう伝えただけだった。

たけ「お金好きそうな女の子を選ぶ!
けど強制は好きやない。」

私はさきとの会話を思い出した。
女の子は物じゃない。

真意はまだ分からないけど
とにかく強引なスカウトだけは辞めようと
思った。

しかし…
何日たっても名刺すら渡せない日々
たけさんの真似をしても冷たい目…
ほとんど無視される…

何が違う…
見た目!全く違う!
たけさんは身長が高くホストで居てたら
間違いなくNo.1の様な人
実際に俺が見てもカッコイイ人!
一方私は…普通…
確かに会社の人たちも男前ばかりだと
この時改めて思った… 
やっぱり男前じゃないと女の子も止まってくれないよ
って少し弱音が出てきた…

たけ「俺の真似してもあかんで」
って笑いながら声をかけてきてくれた。

たけ「しん。お前はどうしたい?声をかけた女の子に仕事を紹介してその売上の一部が欲しいから
声をかけるのか?」

わたし「違うのですか?」
たけ「違うことは無い」
わたし「じゃーどうすれば」
たけ「お前でええねん。お前が本気で彼女に
したいと思って口説くねん」
わたし「…」
たけ「それとな。明日一日だけや。明日も坊主なら
見込みないから辞めや」
わたし「えっ…」
たけ「そういう事。頑張りやー」

明日…一日…

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