今年2回目の日記ですよ。

様々な異名を持ち合わせていた事をふと思い出していた。

「ふっ…そうえば、あの日も今日のような爽やかな日だったな…」

しっかり妻の尻に敷かれている男、篠八は洗濯物を干しながらあの日の事を思い出していた…






「踴ク~ン踴ク~ン今どこ?ん?家?
今日一日中暇なの?
それじゃあ今すぐ行くからね!」

躾の良い普段はうんともすんとも言わない携帯がけたたましく鳴り響く。

出れば相手は躾が行き届いていないかと思う程の一方的なやり取りだった…。

その一方的なやり取りで、少し甘い声で囁けば落とせない相手はいないんじゃないかと思っているんじゃないだろうか…。

暫くすると、玄関の扉が開く音が聞こえた…。 
そしてまるで自分の家にでも帰って来たかのように男がいる部屋へと入ってきた。

部屋に入ってきた人物を、部屋の主踴ク~ンは見向きもしない…。

「踴ク~ンご飯まだ食べてないでしょ?
一緒に食べよ?お湯沸かすね!」


気味が悪かった…。


コイツは何故自分のご機嫌取りをするのか…。

そしてキッチンからその人物が部屋に戻って来る。


そして、


「実は3時までに終わらせたいんだ…。」


甘い声から一変して、地声の低い声でその人物元副主将は言った…。


「何を?」

踴ク~ンの態度は素っ気なかった。


「り れ き しょ」
甘い声で元副主将は言った…。


そう…。

元副主将はまだ就職先が決まってないのだ…。

時計を見る…。


12時30分…。


「…2時間半で?
おま無理無理w」


「踴ク~ン何食べる?
カツ丼にチャーハンに何でもあるよ!!」

「何でもって2つしかねぇじゃん…
しかもそれならお湯沸かす必要ないし。
つか無理だからね2時間半とか…」


すると元副主将はコップにジュースをつぎだした。


…。


だめだコイツ…
準備万端じゃねぇか… 

あまりの用意周到さに観念して、
踴ク~ンは履歴書を手伝い出した。


「てか1から考えんのかよ。」


「いや、もうある程度はできてるさ!」


そして元副主将が出したある程度できた履歴書を見る。



だめだコイツ…。
やはり躾がなっていない…。



結局1から考え始める。


元副主将はベランダでタバコをプカプカ。


踴ク~ンは必死に履歴書を書く…。


元副主将の携帯がよく鳴る。


踴ク~ンの携帯は躾がいきとどいているせいか全く鳴らない…。


「テメェ!まほらとイチャイチャしてんじゃねぇぞオオオォォォーーーーーッッッ!!!」 
踴ク~ンは思わず叫んだ。


すると元副主将は言った…。


「あぁ……別れた……。」


「…うん…。
…ごめん…。」


踴ク~ンはボソっと言うと、
また履歴書を書き始めた…。







「ゴォアクションッッッ!!」

「ご機嫌ななめかしぃらぁああ!?」

「ギブミーキャンディーちょおおだあいッッッ!!」 

「甘いものぉがああすぅうきぃい!!」

AXEボディフラグランススプレーで使われている曲を
ニコニコしながら口ずさんでいる踴ク〜ンがいた。

どうやら口ずさんでいる踴ク〜ンは、自分の世界に入り込んでしまっているようだった…。

そしてご機嫌のまま洗濯物を干している。

しかしその後ろで不機嫌そうに紙と睨めっこしている元副主将がいた。

ベランダでは、口ずさんでいた踴ク〜ンが今度はPerfumeを歌い出した。
どうやらパソコンから流れる曲に合わせて歌っているようだった。 

そしてベランダから部屋に戻り、おもむろに紙と睨めっこしている元副主将に近付き一言…。

「どうも、パピームですあっ!!噛んだワラ」 

すると睨めっこしていた元副主将が、
話しかけてきた踴ク〜ンに一言。


「おま…うるせぇ…」 


その一言に、話しかけた踴ク〜ンは一言。


「ほぅ…元主将様の俺にうるせぇだと…」
話しかけた踴ク〜ン、元主将は強烈な変顔で語りかけた…。

「あぁわかったわかったウザいウザい」
睨めっこしていた男、元副主将は観念したかのように踴ク〜ンから目を逸す。

そう。

他力本願ではなく、ようやく履歴書を自分で書き始めた元副主将…。

「ふぅ~れぇえたゆ~びのさきぃッかッああぁらああぁ~、おぉぉもいがッあふれだあぁしいぃそ~おうに」
すると踴ク〜ンは引き続き歌う。
浜崎あゆみだ。


そして元副主将に近付き一言。


「あゆはぶれない」


すると元副主将が一言。

「ちょ…何か変な風になったし…」

すると踴ク〜ンが変顔で語りかける。


「まさか元主将様の俺のせいなんていいだ」 
「あぁわかったわかったウザいウザい」





そんな感じで、必死に書類を書く元副主将の横で色々していた事を、しっかり妻の尻に敷かれている男、篠八は約30年のローンが残るマイホームのリビングの掃除機をかけながら思い出していた。


「おっと…もうこんな時間か…」

しっかり妻の尻に敷かれている男、篠八は時計を見てボソッと言うと、忙しなく着替え始めた。


おや…この男が着替え始めるということは…


OK。
この続きは次回にしよう。

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