[創作]自然はそのまま
自然はいいな。草木はいいな。
自然から感受するものは、なぜか過去の夢を想わせる。
たったそばにあったではないか、
生きる意味。
草木が強い風に揺れている。雑然とした動き。
と思ったら止まった。
静かに揺れている。
雲の彫刻が日の光を反射している。
風は吹いている。
自然がありふれている。
自然が、自然が!
人間の頭にしかない物量的な数値を、
なぜそこまで追う。
たった今まで、見ていたではないか。
休んでもいいかも、こう思えていたら人はいつだって働ける。
休んじゃいけない、こう思ったら人はいつも働けない。
自然はそのままだ。
自然の上に、人は生きている。
無秩序は妙に音を立てている。
無秩序が意味を生み出している。
無秩序を大切にしないから、人は病を患う。
一つの"有意義"に縛られて。
でも自然は覚えている。人の憎しみと過去を。
だから過去の夢なのかい?
自然はそのまま。
今日も無音で響いている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?