福祉の世界に 5 特別養護老人ホーム編

前回もお読み頂きありがとうございます。
では、続きになります。

運命の出会い

グループホームを退職してから、1週間程経過した時に知人から電話が来ます。
『特別養護老人ホームが新しく出来るんだが、職員を募集している。見学してみないか』
という連絡でした。
時間もあったし、お誘いを受ける事にしました。単純に、特別養護老人ホームがどういう所なのかという興味もありました。

見学の為に知人が先方と約束を取り付けてくれました。
当日、施設の駐車場にて待ち合わせをしました。
時間5分前になっても知人現れず…連絡するも音信不通…
困りましたが、約束もしてあるのでとりあえず施設を尋ねました。

当時の施設長が出迎えて下さいました。知人の非礼を詫びると快く許してくれました。施設案内を施設長がして下さり、数名の職員さんが既に働かれていました。
そこで運命の出会いを果たします。

施設長をDさん
師匠をUさんとします。

DさんからUさんの紹介がありました。
その後二人で話をする事になります。

Uさんは高身長で所謂イケメン
黒髪のスパイラルパーマ
笑顔が素敵
話し方が穏やか
当時30代前半

こんな感じの方でした。
第一印象は、介護の世界にこんな人がいるんだなと感じました。
話しやすくお兄ちゃん的な感じでした。
話の最後にUさんから
『面接受けなよ。待ってるね』
と言われました。
DさんにしろUさんにしろ…初めて年齢や見た目の事を何も言わない人に出会って衝撃でした。
正直、大袈裟かもしれませんが自分を受け入れて貰えたという気持ちでいっぱいでした。
必ず面接を受けようと心に決め帰宅しました。

面接

帰宅後にすぐに面接の準備を始めました。
面接当日、多少緊張しながら施設へ行きました。
Dさんが迎え入れてくれ、面接となりました。
Dさんは終始笑顔で、私の話をしっかり聞いて面接というより雑談に近い感じでした。
しかし
『君以外にも面接が沢山来たけど、なんか違うなと感じてた。僕は若いとか見た目とかどんな経歴だとか、そんな事で人を見ない。まず楽しく仕事が出来るか出来ないか。既存のシステムに囚われているかいなかを見るんだ。仕事は最後はその人の人柄だから。』
正直、こんな大人がいるのかと思う程感動したのを覚えています。
そして、その場で採用が決まり明日から来るように言われました。
私は疑問をぶつけました。
『髪色やパーマを落としてきた方がいいでしょうか?』
Dさんはすぐに大きな声で笑いながら、
『いやそのままで構わない。寧ろもっと派手でもいい。君は君らしく』
と言われました。

当時、大抵の福祉施設は
派手な服装、髪型、ピアス等にうるさい時代でした。
すげー人だなと思いました。施設長という立場で外見よりも中身で判断を実践している事に驚きました。本音と建て前が横行している世界で芯がある人だなと思ったの覚えています。

面接後、Uさんの所に連れて行かれました。
Dさんより、私の所属するユニットのリーダーだからと改めて紹介されました。

ユニット型と呼ばれる特別養護老人ホームでした。
当時は、ユニット型はまだまだ少ない時代でした。

Uさんより挨拶があり、詳しい事はまた明日ねと言われ施設を後にしました。


すごい世界が開けた気がして、帰りに妙に気分が高揚した事を覚えています。
また次回。




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