新夜

去年書いた小説のようなもの
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   新夜

人は夜、眠りにつく。
睡眠をとるため。
夜の様々な不安から逃れるため。
けれど眠らない、眠れない人間も存在する。
それを初めて知ったのは中学に入ってしばらくしてからだった。
なかなか寝付けなくて、布団の中で寝返ったり目を瞑っていても全く眠れずに一夜過ごしたことがあった。
でも翌日の授業で居眠りをすることもなかった。
次の日も、その次の日も眠れなかった。
三日三晩一睡もしないどころか眠気にも襲われないなんておかしいと思って調べてみた。
不眠症というものはあるけど、それとはまた違うようだった。
原因も分からないまま眠れない夜は過ぎていった。
もう三年も眠れていない。
もしかすると夜の間は夢の中なのかと思ったりもしたけど、それならいつ起きているのかという話になってくる。
いい加減考えるのも面倒になってきた。
毎日夜はゆっくり過ぎていく。
毎日なんだかんだしながら早く朝になれと願っている。

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