まくらさん「道化師。」カバー小説

初めの方は詩に近いです
英語はあってるか分かりません
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投げられたナイフをキャッチできなくても刺さらなかったかのように平然とする
血の痛みを忘れたふりして芸を笑って続けるの
無様に赤い血が染み込んで黒くなっていく服の袖を隠し続ける
この舞台が終わるまで

やっと、緞帳が降りた
片付けもあるのに流し疲れて止まった血の処理に追われる
pieroとして失敗ばかりでも普通の人生なんて歩めないから、仕方なくサーカスが続くために操られる
捨てられた人形を再利用したってこの体はもう保たないのに
仮面とぶかぶかの衣装の下に増える一方の傷と包帯
衣装を着ても脱いでも笑いもの
ボクはきっとpiero以下のfool
今日も合法ギリギリの薬を刺して痛みと下手さを夢に置きに行く
いつも下手さは置いて来損ねてしまうけど
明日こそはちゃんと、pieroを演じられるように、明日は白い傷を増やさないように
今日も硬い床の上で夢へ向かって出発する

夢の中の世界でもボクはpieroであり続ける
ただ違うのは、夢の中のボクは失敗しない
傷も増えない
いつも観客を賑わせる人気のpiero
ボクはそのpieroを最前席で眺めてる
拍手も喝采も浴びせずに
夢と現実が逆ならいいのに
なんでこうも上手くいってくれないんだろうか
さて細い細い綱を渡り始めた
人間の動きとは思えないような軽快なステップで長い長い綱を渡っていく
半分ほど進んだところで、下から勢いよく棘が出てきた
それをひらりとかわしてまた進む
前から槍を持った別の人間が渡ってくる
二人はじりじり近づいてpieroはふわりと槍をかわした
ボク以外の観客たちがどっと盛り上がる
ああ、いいな

全ての芸が終わった
そして客が帰っていく
ボクだけぽつんと残される
全員ボクに構わず片付けを始め、今日もpieroはボクに近づく
そして銃を向けて言うんだyou will die soonって
ーポンッー
銃声にしては軽い爆発音がしてその手には銃ではなくハボタンが握られていた
「you are already rewarded」

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