堕天

羽なんてあっても飛べない偽天使
　　飛べない
「まだ」って言えたらいいのに
その空白に埋められない
分かりきっちゃってるから
こんな羽じゃ飛べやしない
誰のとこへも飛んで行けない

この川に映る朝焼けも
摘むのを躊躇う花畑も
わざわざ手間暇かけた綺麗なグラフィック
そんなドラマチックな人生歩んじゃいないのに
着飾らないと世に出れやしない
服を着ないなんて変質者
裸でいるなんて受け止められやしない
ありのままなんて魅せられない

子供の頃植え付けられた
劣等感と承認欲求は
大人になれど
拭いきれないまま
肥大化ばかりして
満たされないまま

「幸せになりたい」
誰もがそう望んで叶いはしないんだ
幸せだと感じてみたい
多幸感に浸ってたい
常に溺れてたい
敵うはずないから
逃げ出したい
逃げ出せない
「　　たい」

どうか壊れてる僕を拾って
あなたのその赤い糸で僕の傷を縫い合わせて
ずっと一緒に居させて



「幸せに」なんて慣れはしないんだ
なんて、夢、か
だからこんなにも