❛ここにしか居場所がないもん❜ ーー「トー横」は聖地だーー
【ピエロの手記93】
‟その水になじめない魚だけが、その水について考え続ける”(頭木弘樹)
その水になじめないのに
その水について考える力がまだないとき、別の水はないかと彷徨い、
トー横へ流れつくのだ
今の社会に、学校に,家庭になじめない生きずらさ
それでも必死でもがいて
それでも必死で足掻いて トー横に流れ着いた
名古屋から来た友人が
名古屋にもそういう場所があるんだよ
そっと声を落として言った
そうだろう
5月18日の一斉補導では
北海道からの少女も含まれていた
都内有数の進学校では
息をするのも苦しかった
授業をサボっては
近くの日活名画座に通った
『理由なき反抗』(ジェームズ・ディーン)にもそこで出会った
理由がないのではない
周囲の大人たちも 本人でさえ
水がなじめないことを分かっていないのだ
学校になじめない時
子どもだけでなく
学校も問題とされねばならないのだ
トー横は物理的空間を表すのではない
心理的空間なのだ
トー横は シェルターであり聖地なのだ
‟悲しいピエロ”
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