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始まりの一台 

 僕は昔から車が大好きだった。しかるべき年齢になったら車を買うのは当然のことで、部活を引退してから学校で禁止させれているバイトをしながら通ってはいけない自動車学校に通う日々を送っていた。

 僕が好きな車は昔からスポーツカーだ。だからなんとなく最初の車もマニュアルでコンパクトでホットな、そんな車が欲しいと思っていた。部活を引退して5ヶ月が経ち免許も手に入れたし、まとまったお金もある。そんなタイミングが年末だった。なぜこの車が目に留まった、はたまた僕の目に触れたのかよく覚えていないが、トヨタの認定中古の正月特選車でゼロクラが出ていた。全く欲しい車ではなかったが財布の中身との釣り合いが抜群の値段だった。

 忘れもしない2019年の1月5日。僕はジョイパーク川崎にいた。目当ての車に一直線に行き車の前で立ち止まる。場内を試乗させてもらうが車の乗り味などどうでもよかったのかもしれない。買いますと言ってしまえばこの車は僕のものになる。そんなことを考えていたら買いますと言ってしまっていた。晴れてオーナーになったのである。そんなに好きでない車の。これが僕のカーライフ最初の一台、始まりの日だった。



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