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「憧憬の地 ブルターニュ モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展 in 国立西洋美術館

先週の火曜日、4年ぶりに会えた友人と東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「憧憬の地 ブルターニュ モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」に行ってきた。

3月18日(土)~6月11日(日)
月曜日休館(3月27日(月)と5月1日(月)を除く)

もちろんガッツリとランチも楽しんだけど、書き出すとそれで終わってしまいそうなので(笑)、さっそく展覧会の内容に入ろう。

12:30~13:00入場の予約券を買っておいて12:45頃入場したので、スムーズだったが、当日券売り場は結構待ち行列ができているようだった。
平日で雨模様なので、さほど混雑はしないかと思ったけど、やはり春休み+花見シーズンだからか。

今回の展覧会では、フランス北西部のブルターニュ地方を主題にした作品が約160点、4つのブロックに分かれて展示されている。

ブルターニュ地方は、フランスの中でも独特の歴史文化を持つそうで、特に衣装の特徴が表れているような作品が多かったが、厳しい自然に研ぎ澄まされたような風景画も美しい。
モネやブーダンなどの印象派の画家たちから、ゴーガンやベルナール、藤田嗣治などの日本人画家まで、多くの芸術家たちがこの地を訪れていることに驚く。
同じ風景を描いていても、それぞれに表現が違うので、その辺も楽しめた。


第1章 見出されたブルターニュ 異郷への旅

ブルターニュ地方が画家たちを惹きつけはじめたのは、19 世紀はじめのロマン主義の時代。第1章は、イギリスの風景画家ウィリアム・ターナーの水彩画やフランスの画家・版画家が手掛けた豪華挿絵本など、19 世紀初めの「ピクチャレスク・ツアー(絵になる風景を地方に探す旅)」を背景に生まれた作品から出発します。
章の後半では、ウジェーヌ・ブーダンやクロード・モネら、旅する印象派世代の画家たちがとらえたブルターニュ各地の表情豊かな風景を前に、自然と向き合う画家たちの真摯なまなざしを感じ取ることができるでしょう。

―サイトより

1-1      ブルターニュ・イメージの生成と流布

このエリアだけは写真が撮り放題。他のエリアは写真マークのある所のみOK。
わかりにくいので、間違える人もいるのではないか。(友人も間違えかけた。ついでに近づきすぎて、イエローカードも頂戴)

<ナント> by ターナー

ターナーと言えば風景画だが、この作品では、衣装がブルターニュだなあ、と思わせる。
あれ?写真がぼやけて良く見えない(笑)

ミュシャの作品2点。

<砂丘のあざみ>と<岸壁のエリカの花>


<1920年フランス国際事業のためのポスター> by ジュール・シュレ
鉄道ポスター<ポン=タヴェン、満潮時の川> by ジョルジュ・ムニエ


1-2      旅行者のまなざし:印象派世代がとらえた風景

ブーダンの素敵な風景画があったが、これは写真が取れず。

モネは対照的な作品が2枚あってよかった。

<ベリールの海>と<嵐のベリール>

貴重な資料類もいろいろ。


第2章 風土にはぐくまれる感性:ゴーガン、ポン=タヴェン派と土地の精神

ブルターニュ地方南西部の小村ポン=タヴェンは画趣に富む風景、古い建造物や民族衣装を着た人々といった豊富なモティーフのみならず、滞在費やモデル代の安さも手伝って多くの画家を魅了し、早くも1860 年代にはアメリカやイギリス、北欧出身画家たちのコロニーが形成されていました。
1886 年、パリでの生活苦から逃れるようにポン=タヴェンへ赴いたゴーガンはこの地を気に入り、1894 年までブルターニュ滞在を繰り返して制作に取り組みます。
第2章では、ゴーガンが度重なるブルターニュ滞在において制作した作品12 点(絵画10 点、版画2 点)によって造形表現の変遷をたどります。さらにエミール・ベルナールやポール・セリュジエらポン=タヴェン派の作品も併せて展覧することで、実験的な創作活動の場としてのブルターニュをご覧いただきます。

―サイトより

私も友人も、もともとゴーガン(ゴーギャンと思っていたけど、表記が変わったのかな?)は、あまり好きではないが、初期の作品からの変遷も見られたのはやや収穫ありだった。
写真に撮りたい!と思うもの撮れなかったので、パンフにもある代表作を2点。

<海辺に立つブルターニュの少女たち>


<ブルターニュの農婦たち>


これもゴーガンかと思ったら、違う画家だった。

<ブルターニュのアンヌ女公への礼讃> by ポール・セルジュ


第3章 土地に根を下ろす ブルターニュを見つめ続けた画家たち

19 世紀末から20 世紀初頭にかけ、ブルターニュは保養地としても注目されるようになります。
画家たちのなかにも避暑のみならず制作のため、パリやその近郊の住まいとブルターニュの往来の末に別荘を構えてこの地を「第二の故郷」とし、絶え間なくこの地を着想の源とした者がいました。
第3章では、これらの画家が長期にわたる土地との対話のなかで培ったまなざしの行方を追います。

―サイトより

3-1 アンリ・リヴィエールと和訳されたブルターニュ

アンリ・リヴィエールの連作<時の仙境>は、浮世絵の影響が明らかで、ちょっとほっとする。
写真撮影はできなかったが、サイトで見ることができる。

3-2 モーリス・ドニと海辺のアルカディア

<若い母> by モーリス・ドニ

3-3 「バンド・ノワール」と近代ブルターニュの諸相

シャルル・コンテの作品は暗い、としか言えなかった。なので載せない。


リュシアン・シモン<庭の集い>

明るいのはいいが、光の表現がわざとらしい感じかな。

写真撮ったけど、誰の作品かわからなくなってしまったのが何点か。
素敵~と思ったけど、写真撮影不可だったのか何点か。


第4章 日本発、パリ経由、ブルターニュ行 日本出身画家たちのまなざし

ブルターニュ地方が西洋絵画の主題として定着し、多様な表現の受け皿となっていた19世紀末から20世紀のはじめ、つまり日本における明治後期から大正期にかけて、芸術先進都市パリに留学していた日本人画家・版画家たちもブルターニュという「異郷のなかの異郷」へ足を延ばし、その風景や風俗を画題に作品を制作していました。
第4章では、これまであまり注目されてこなかった彼らのブルターニュ滞在に光をあてる新しい試みとして、黒田清輝や久米桂一郎を筆頭に、山本鼎や藤田嗣治、岡鹿之助らが描いたブルターニュの風景や風俗をご覧いただくとともに、彼らの同地での足跡をたどります。

サイトより


<林檎拾い> by久松桂一郎


藤田嗣治の作品自体はあまり心を惹かれなかったが、実際に使用したというスーツケースには興奮。


160点というから、かなり時間がかかるかと思ったが、事前にサイトをチェックしていったので、説明を全部読む必要もなく、また、難解な作品でもないので、さほど時間はかからず、1時間程度で鑑賞できた。

あとでパンフをみたら、展示替えも結構あるようだった。
同じ時期にSOMPO美術館でも「ブルターニュ」展を開催しているから、もしかしてあっちに持っていったりするのかも、などという想像もしてしまった。


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